株式会社建設システム
清水千尋さん(仮名・人事) 26歳
営業から、人事へ。意外な職種への挑戦で拓けた新たなキャリア。
大手医療機器メーカーの営業として勤務していた清水さんの悩みは、ハードな職場環境と将来的な転勤の可能性だった。
静岡を離れたくなかった清水さんは、転職の道を模索するものの、他社の求人を見ても状況が改善できる確信が持てず、「働く環境が変わらないなら、今の会社に残った方がいいのだろうか?」と、悩んでいたという。
そんな清水さんにリージョナルキャリア静岡から届いたのは、「人事」という新しい仕事の提案だった。
当初は考えていなかった職種への転職で、イメージ通りの生活を手に入れた清水さんの転職体験談を紹介しよう。
※本記事の内容は、2021年7月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで50日間
転職前
- 業種
- 医療機器メーカー
- 職種
- 営業
- 業務内容
- 病院・クリニック向けの医療機器の提案営業
転職後
- 業種
- 建設業界でトップシェアを誇るソフトウェアメーカー
- 職種
- 人事
- 業務内容
- 新卒採用、人事考課の仕組み作り、研修の企画、キャリアプランのサポートなど
意外な提案の中に見つけた、新しい可能性
現在のお仕事はどんな内容ですか?
建設業界に特化したソフトウェアを開発・販売している会社で、人事を担当しています。具体的には、新卒採用に関する一連の業務や、人事考課の仕組み作り、研修の企画、キャリアプランのサポートなどに携わっています。
入社前のご経歴を教えてください。
大阪出身で、関西の高校を出た後は広島の大学へ進学し、医療機器メーカーへ就職しました。そして最初に配属されたのが静岡でした。営業職として静岡県内の病院や個人経営のクリニックを担当し、医療機器の提案、説明、見積もり作成、納品といった仕事を約4年間経験しました。
転職のきっかけは?
静岡でお付き合いする人ができ、将来を視野に入れたときに、静岡を離れたくないと思うようになりました。前職は3年から5年で転勤するのが通例で、鹿児島から北海道まで、全国どこに行くかわかりませんでした。上司に相談したものの「転勤の仕組みが変わることはない」と言われてしまい、転職を真剣に考えるようになったんです。
また医療機器の営業は、毎日仕事が終わるのが遅いうえに、イベント出展などで休日出勤することも多く、長期的にこの仕事を続けられるだろうかという不安もありました。
転職活動はどのように進めましたか?
まずは大手転職サイトを見ても、なかなかピンとくる企業と出会えませんでした。営業職で希望し、またプライベートとのバランスも大事にできるような働き方をしたいと思っていたのですが、どの会社を見ても残業が慢性的に多そうだったり、家から遠かったりと、前の会社を辞めてまで行こうと思える会社が見当たりませんでした。
それからもう1つ、「製品愛」を感じる企業がなかなか見つかりませんでした。私は、人の命を救うために開発された前職の製品が大好きだったんです。それと比べたときに「同じように製品や企業に思い入れを持てるのか?」という迷いも感じていました。そんな中でリージョナルキャリア静岡のコンサルタントから紹介されたのが建設システムの人事ポジションでした。
最初は「なぜ?」と思い、私なりに人事という仕事についていろいろと考えてみました。社会人としてさまざまな経験を積んできたなかで「仕事」は人生においてとても大事。仕事が楽しければ日常生活も楽しいけれど、逆だったら本当に辛いものですよね。「自分自身のそういう経験を活かしながら、社員の働くモチベーションを上げていくことが”人事”の仕事だ」と捉えることができたときに「やりたい」と思い、「ぜひこの話を進めてください」と私からお願いしました。
また私自身、大学の専攻が教育学部なんです。ですから、もともと教育に興味があったんですね。
今の会社に決めたポイントは?
まず面接の雰囲気がすごくよかったことです。社長と人事部長との面接だったのですが、緊張している私を気遣い、フランクな会話で和ませてくれました。また私が、社員のモチベーションを上げる仕事に興味があると話すと「会社としても今、そういうことに取り組もうとしているから、ゆくゆくは任せることもできるよ」と言ってくれました。
その後も、会社のことを調べていくうちに企業理念にも魅力を感じました。前の会社を選んだポイントも同じだったのですが、ニッチでありながら、特定のフィールドでこだわりを持ったものづくりをしている企業が私は好きなんです。
あと、条件面などの調整は、担当コンサルタントが企業との間に入って進めて頂けたため、スムーズに決めることができました。
多くのストレスから解放。助けあう社風にも感動。
転職していかがでしたか?
人事の仕事は未経験でしたが、始めてみて、すごく営業に似ているなと思いました。営業は製品を売り込みますが、人事は会社を売りこむ仕事。戦略の立て方や、プレゼンテーションの作り方など、仕事の進め方は前職とそんなに変わらないと感じたので、すぐに慣れました。
またこの会社は、社歴に関係なく、提案に耳を傾けてくれて仕事を任せてもらえるので、仕事をしていて本当に「楽しい」と感じています。
あと、職場の雰囲気もよくて、すごく働きやすいです。この居心地の良さをどう伝えればいいか、まだうまく言語化できていないところが採用担当としての課題なんですけど(笑)。でも、みんなそう思っている感じがしますね。
一例を挙げると、お互いを助け合う雰囲気があると感じています。前職は人手不足ということもあって、みんな自分のことで精いっぱいでした。ところが当社では、私がイベントをやろうとしていると、その準備や後片付けを、みんなが自発的に手伝ってくれたんです。初めてその体験をしたときは驚き、感動しましたね。
転職してよかったと思うことは?
まず、転勤がなくなって、安心して自分の仕事に打ち込めることです。これまでは異動の時期になったら毎年ドキドキしていたんです。また前職はお客様が病院でしたから、突発的な電話がいつかかってくるかわからない、という緊張感も常にありました。そのストレスから解放されたことも大きいですね。残業も減り、無理なく働けるようになったことで、将来のビジョンも立てやすくなりました。
もう1つの大きな変化は、外回りに行かなくなったことです。前職では片道2時間運転して客先に行き、そのまま立ちっぱなしで仕事を続けることもざらでした。ですから今は体力的にもすごく楽になりました。
また今の仕事は、やり方が完成されていた前職と比べ、まだ確立されていません。そのぶん、自分でどんどんアイデアを出していく必要があるので、自分の成長につながると感じています。
困ったことや課題はありますか?
前職は大企業だったので、要望はこのルートで申請するとか、この判断は誰に相談するとか、大きな組織ならではのルールが細かく決まっていました。ところが今の会社はあまり形式的なものがなくて、フレキシブルなんです。だから最初は戸惑いましたね。「これも私がやっていいの?」と戸惑うこともしばしばで、今も探っている状態ではあります。
生活面の変化はありましたか?
自宅から勤務先の静岡オフィスまでは、バスで30分かけて通っています。前職時代は出社時間もお客様次第でバラバラでしたが、今は一定になり、とても楽になりました。
帰る時間も早くなり、17時過ぎには会社を出られるので、18時には自宅で夕食を作れます。以前は家に帰ったら寝るだけの生活でしたが、転職後は自分の時間も有効に使えるようになりました。
ジムにも通うようになりましたし、子会社が経営している英会話教室をオンラインで受講しています。社員割引もあり(笑)、好きだった英語がまた勉強できるのはとてもうれしいです。
静岡は地元ではないですが、住み心地はいかがですか?
私の出身の大阪より、気に入っています。地方都市ならではのんびりした雰囲気が好きですね。道も混まないし、自然も豊かだし、冬も暖かい。静岡は新幹線も通っているので、東京へ行くのも便利です。
それと何といっても、富士山が毎日見られるのはいいですね!初めて富士山を見たときは感動しました。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
もし、迷っている人がいるのなら、一度、リージョナルキャリア静岡に相談してみたらいいと思います。自分の可能性は、自分ではわからないものです。だからこそ客観的に見てもらうことが大切。すると、今までノーマークだった分野を提案してもらえたり、新たな道が広がっていきます。
リージョナルキャリア静岡にはすごく感謝しているんです。私の希望や適性を無視したような求人を送ってくる紹介会社もある中で、コンサルタントの内田さんは、私の思いをよく理解してくれたうえで、親身になって提案してくれました。あのまま営業職にこだわって探し続けていたら、私の転職計画は頓挫していたかもしれません。
しかも、返事やレスポンスがすごく早かったんですよ。仕事をしながら転職活動をしているので、それはありがたかったですね。転職に向けた私の気持ちを加速してくれました。