創業からの文化を未来へ継承し、社員の意志を成長の原動力に。
株式会社建設システム
代表取締役社長 重森 渉
静岡県出身。短大卒業後、ソフト開発会社に入社。28歳のとき、創業期の建設システムに営業として入社し、全国の営業所開設に尽力。営業統括を経て、事業開発および新規部門の立ち上げの指揮を取り、専務へ。2018年9月、代表取締役社長に就任。現在に至る。
※所属・役職等は取材時点のものです。
可能性を直感し、創業期の会社へ。全国を飛び回った営業時代。
私が建設システムに入社したのは、今から24年前。自社製品の施工管理システム『デキスパート』のシリーズ発売が始まった頃でした。当時は社員数が20名ほどの小さな会社で、製品の知名度もそこまで高くありません。ただ、会社の雰囲気や同年代の社員の方々を見て、ここでならのびのびと活躍できる、という確信がありました。
私のミッションは、製品の認知度アップとシェアの拡大です。そのためには、本格的な全国展開をすぐにでも始めなければならないと思いました。全国展開の足がかりを自分の手で創る。それは想像するだけでも刺激的で、その先の展開にも大きな可能性を感じましたね。折しも、建設省(現国土交通省)の主導で建設業界がIT化に動き始めたとき。そうした時代の追い風も受け、私は地方の建設会社を中心にシステムの導入を進めていきました。
当時の社長(現会長)と専務からは「好きなように、どんどんやって良いよ」といわれていたため、私は同僚とともに全国を駆け回り、次々と営業所を開設していきました。冷静に振り返ってみると、あのときに全国展開をしていなければ当社のシステムは今ほどのシェアを獲得することはできなかったでしょう。当社にとって、全国展開は1つ目のターニングポイントだったといえると思います。
創業者の実体験から生まれたシステム。徹底した現場視点での開発。
当社のメイン製品である『デキスパート』は、施工管理に必要な業務や工程別に30あまりのソフト(機能)を有する統合パッケージシステムです。導入実績は、35,000社以上。スーパーゼネコンをはじめとした大手建設会社の8割以上でご利用いただいており、施工管理業務の効率化を支援するシステムとして、業界シェアNo.1を獲得しています。
このシステムの始まりは、創業者である会長が建設業を営んでいたときの実体験でした。早朝から一日中外で仕事をして、夕方からは事務所で書類作業をこなす。膨大な手書き作業を深夜に終えたら、翌日も早朝から現場へ…。こうした日々を繰り返すうちに、コンピュータを使って建設現場の負担を解消できないだろうかと考えたことが、システム開発のきっかけとなったのです。まさに現場から生まれたアイデアでした。
以来、当社の製品は徹底した現場視点で開発を行っています。私も営業時代は現場監督さんと一緒になって、使いやすいシステムについて考えました。パソコンが普及する黎明期からお客様と一緒に作ってきたからこそ、多くの企業から支持される製品になったのだと自負しています。
現在の建設業界では、建設現場の生産性向上に向けてICTの活用が強力に進められています。当社でもドローンやレーザースキャナーなどを用いて行う3次元測量や設計、施工・納品までをカバーする製品を開発。技術の進化に合わせて新製品の開発に取り組んでいます。
しかし、技術はあくまでもツールです。私たちが目指すのは、建設業に関わるみなさんが使いやすいシステムを作り続けること。いつの時代も建設現場に貢献することが当社の使命です。
アプリの大ヒットが呼び込んだ、さらなる飛躍のチャンス。
当社にとって2つ目のターニングポイントとなったのが、2015年に販売を開始した『SiteBox』です。建設現場で欠かせない工事記録の撮影をスマートフォン1台で運用できるようにしたもので、撮影や写真の管理作業にかかる時間を大幅に削減。しかも、それまで2名で行っていた作業を1名でできるようにしたことから、全国の建設会社で導入が進み、ヒット商品となりました。
実はこのアプリは、顧客開拓の期待も込めて開発したもの。それまで当社は地場ゼネコンのお客様が中心だったため、準大手やスーパーゼネコンへの導入数の拡大はかねてからの課題でした。スマートフォンアプリの運用はOSへの対応やバージョンアップなどで、パソコン向けのシステム以上に開発もメンテナンスも手間がかかります。そうした事情から社内に開発者のいる大手建設会社でも自社での開発はしないだろうと考え、これが取引のきっかけとなればと思っていたのです。
開発から数年後、「働き方改革」を機にアプリは導入数を伸ばしました。当社の認知度も一気に向上。そして、あるスーパーゼネコン様から開発のご相談があり、ご要望に応えるうちに新商品の共同開発のお話をいただくまでに至りました。
お客様と一緒に開発を進める中で、私たちが得たチャンスの大きさを実感しています。なぜなら、スーパーゼネコン様よりいただくご要望は、私たちでは考えつかないアイデアが非常に多く、建設現場に貢献できる新たなシステムの開発に直結するものだからです。今後は、システムとしていかに形にしていけるか。当社の技術対応力がとても重要になっていきます。
創業から変わらない社風に根付く、好機をつかむチカラ。
会社の成長を語るうえで欠かせない、2つのターニングポイント。いずれも時代の流れを読み、現場の課題と向き合って製品開発に取り組んだことが良い結果に結びつきました。製品開発やマーケティング活動の時期が少しでも外れていれば、ブレイクスルーは難しかったでしょう。こうしたタイミングをしっかりとつかめたのは、当社にチャレンジできる社風があったからだと私は思っています。
私がイチ中途社員から社長になったことからも分かるように、当社はすべての社員にチャレンジの機会が開かれている会社です。本人の意思次第で、思う存分行動できる社風。私が入社したときに感じた『ここでなら活躍できそう』というあの空気は、今も変わっていません。
社長に就任してから、まもなく1年を迎えます。新しく掲げるスローガンは「一人ひとりの考働力を結集し、お客様の価値を超える商品やサービスを提供する」。これを体現していくために、これまで以上に権限委譲を進め、社員が自らチャレンジしたくなる環境を作っていきたいですね。
そしてがんばりへの対価も、もちろん大切です。当社では全社員に業績を公開していることもあり、給与と賞与の支給は社員の期待を超えるものにしたいと常々考えています。
人間性重視の採用。受け継がれてきた企業文化を、次の世代へ。
今後も建設業界に貢献していくうえで、採用はとても重要です。実は当社には、会社として明文化している採用基準がありません。スキルや仕事への適性など部署ごとに決めている要件はありますが、採用する・しないの基準は示していないのです。
それでありながら、採用に携わる社員には共通認識のようなものがあります。同じ匂いがする、というのでしょうか。近い価値観と当社に合う人間性(ヒューマンスキル)を持った方々に入社していただいています。これは創業以来変わらないことで、ひとつの文化といえますね。
当社で特に重視しているのは、人間性の部分。評価制度にもその考えを反映しており、評価全体の20パーセントがヒューマンスキルに関するものです。能力や成果だけではなく、仕事への態度や姿勢も大切に考えています。日頃から意識することで、だれもが気持ちの良い対応ができるようになる。そうして自然と仕事のしやすい環境が作られていくのです。この雰囲気は、会社見学に来てくだされば、すぐに感じ取っていただけると思いますよ。
今後は、各事業部の分社化やグループ会社化を見据えており、社長にチャレンジしたい方にはその機会を提供したいと考えています。私が前社長の意志を継いで社長になったように、次の世代の方にも当社に根付く経営哲学を継承していきたいですね。新商品の開発や新事業の提案も大歓迎です。自らの意志で自由に動き回りたいという熱意あふれる方と一緒に、次のブレイクスルーを果たしたいと思っています。
会社とあなたの“これから”を、ともに創っていきましょう。
「全ては自分次第。自由で自立した社風」。そんな環境が社員のモチベーションを生み出し、会社の発展につながっていると思います。商品・サービスはもちろん、社風を作っていくのも社員です。だからこそ採用を最大の経営課題として捉え、何よりも大切にしています。
また新規事業の募集制度があり、チャンスも豊富です。自発的な行動が歓迎される社風ですから、これから先もスキルを身につけて伸びていきたいと考えている方には、最適な環境だと思いますよ。あなたのチャレンジをお待ちしています。