2023.09.29
2023年10月改定【地域別最低賃金】愛知県は前年比+41円の1,027円に
毎年10月に改定される地域別最低賃金に関して、全都道府県における「最低賃金」が改定され、「発効日」が確定しました。
愛知県の地域別最低賃金額は、前年度986円から41円UPの1,027円となります。
物価高などを背景に、全国加重平均額は1,004円と初めて1,000円を超え、引き上げ額も前年比43円UPと過去最大となりました。
(2023年8月31日 NHKニュースより)
31日に総理大臣官邸で開かれた、政府の「新しい資本主義実現会議」では、今後の賃上げや投資拡大のための方策について議論しました。
この中で岸田総理大臣は「エネルギーや食料品価格が高騰する中、内需主導の経済成長を実現していくためには、『賃上げが当たり前となる経済』や投資促進がカギになる」と強調しました。
その上で、ことし10月から最低賃金が全国平均で時給1000円を上回ることについて、「さらに着実に賃上げを行っていく必要がある。公労使三者構成の最低賃金審議会で議論してもらい、その積み上げにより、2030年代半ばまでに全国加重平均が1500円となることを目指す」と表明しました。
東海地方の最低賃金
昨年に引き続き、過去最大の引き上げとなった最低賃金。各企業においては、引き続き「賃金の見直し」について検討していく必要がありそうです。
都道府県 | 前年度 | 今年度 | 前年比 | 発効日 |
岐阜 | 910円 | 950円 | +40円 | 2023年10月1日 |
静岡 | 944円 | 984円 | +40円 | 2023年10月1日 |
愛知 | 986円 | 1,027円 | +41円 | 2023年10月1日 |
三重 | 933円 | 973円 | +40円 | 2023年10月1日 |
(参照:厚生労働省|最低賃金)
最低賃金とは?
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。対象となるのは毎月支払われる基本的な賃金(時間額)で、残業代やボーナスなどは対象外です。
最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。
【地域別最低賃金】
- ・産業や職種に関わらない
- ・各都道府県の事業所で働く全労働者と、使用者に対して適用される
- ・各都道府県に1つ、47の最低賃金が定められる
【特定(産業別)最低賃金】
- ・特定の産業について設定される
- ・関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金よりも高い水準の最低賃金を定めることが必要と認める産業について設定
- ・全国で226件の最低賃金が定められている(令和5年3月時点)
(参照:厚生労働省|特定最低賃金について)
改定額を満たしていない場合どうなる?
「特定(産業別)最低賃金」は「地域別最低賃金」よりも高い金額水準で定められています。地域別と特定(産業別)の両方の最低賃金が同時に適用される場合、高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
▶最低賃金を下回る賃金で労働契約を結んだ場合
仮に労働者・使用者、双方の合意による定めであっても法律により無効となり、最低賃金で定められた金額が適用となります。
▶最低賃金を支払っていない場合
使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合、労働者にその差額を支払わなければなりません。地域別最低賃金以上の賃金を支払わない場合、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。
特定(産業別)最低賃金以上の賃金額を支払わない場合は、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
この機会に、改定額を満たしているかの確認、求人票の見直しをご検討ください。