2023.03.24
現役キャリアコンサルタントが検証!話題のChatGPT(BingAI)に転職相談してみた結果
リージョナルキャリア広島のコンサルタント、原田です。ここのところ話題をかっさらっている『ChatGPT』ですが、とんでもなく便利ですね。
私も日常的に使っており、「人間の仕事が奪われる」をリアルに実感しているところですが、私のようなキャリアコンサルタントも例外ではないのでは・・・?と恐れおののいています。
そこで今回は、『ChatGPTはキャリアコンサルタントの代わりになるのか』を検証してみたいと思います。
ChatGPTの上位互換?BingAIのお手並み拝見
使用したのは"ChatGPTの上位互換"とも言われる『BingAI』。実際にBingAIにChatGPTより優れている点を尋ねてみると、以下のように返ってきました。
BingAIとChatGPTは双方AIモデルのGPTを利用したチャットサービスですが、BingAIはChatGPTに搭載されているGPT-3.5を発展させたPrometheusという大規模言語処理用のAIモデルを採用しています。
ChatGPTはインターネットに接続されておらず、AIの学習に利用された2021年までのデータしか参照することができませんが、BingAIに搭載されているAIモデルでは常にリアルタイムでデータを取り込むことで最新の情報やより洗練された回答が可能になります。
ほほぅ、なかなかの自信ですね。それでは早速お手並み拝見といきましょう。
BingAIにUターン転職相談
まずは自分の思いを伝え、「何から始めれば良いか」とざっくり投げてみます。すると、こちらの思いを慮ったうえで、「基本的な流れ」を教えてくれました。
-今は東京に住んでいます。出身が広島で、子どもが生まれたのを機に広島にUターンしたいと思っています。今まで転職経験が無く、これから初めての転職活動を行うのですが、何から始めれば良いでしょうか。
初めての転職活動、緊張されるかと思いますが、まずは転職活動の基本的な流れを把握することが大切です。転職活動の基本的な流れは、以下のようになります。
1.自己分析
2.職種・業界の選定
3.企業情報の収集
4.履歴書・職務経歴書の作成
5.エントリーシートの作成
6.面接対策
7.面接
まずは、自己分析から始めてみてはいかがでしょうか。自己分析とは、自分自身の強み・弱み、興味・関心、価値観などを整理することです。自己分析を行うことで、自分に合った職種・業界を選ぶことができます。
また、転職エージェントを利用するのも一つの方法です。転職エージェントは、求職者の希望条件に合った求人情報を提供してくれます。転職エージェントを利用することで、自分に合った求人情報を収集することができます。
以上のような方法で、転職活動を初めてみてはいかがでしょうか。
基本的な転職活動の流れとしては不足は無さそうです。それでは提案の通り、自己分析から始めてみましょう。方法を聞いてみます。
-自己分析のやり方を教えてください。
自己分析には、マインドマップ、ジョハリの窓、モチベーショングラフ、SWOT分析、自分史などがあります。それぞれの方法によって、自分自身の長所や短所、価値観、適性などを把握することができます。自己分析を行うことで、自分自身の強みや弱みを把握し、転職活動に役立てることができます。自己分析の方法について、以下の記事が参考になるかもしれません。
ここで早速、BingAIの強みが炸裂しました。BingAIはインターネット検索と連動しているため、回答と併せて"ソース"を示してくれます。提示されたリンク先に飛べば、さらに詳しく知っていくことができます。
「ジョハリの窓?初めて聞いたわ」「SWOT分析ってよく聞くけど実際何なの?」そんなときも、"秒で解決"できます。アッパレです。
では、他の項目についても詳しく聞いてみましょう。
-企業情報を効果的に収集する方法を教えてください。広島に本社がある企業の情報を集めたいと思っています。
広島に本社がある企業の情報収集方法には、広島県の公式サイト「ひろしまの企業」、広島県の情報サイト「ひろしまの企業情報」、企業情報検索ページから、広島県内に本社又は事業所のある企業の情報を見ることができます。また、Baseconnectというサイトでは、広島県の会社(株式会社・有限会社・NPO法人など)・企業を一覧にまとめ、業界や売上高、従業員規模などでさらに絞り込むことができます。これらのサイトを利用することで、広島に本社がある企業の情報を収集することができます。
この回答も合格と言って良いでしょう。多くの転職希望者は、企業情報を収集する方法として「転職サイト」を思い浮かべます。しかし、当然ですが情報の網羅性は低く、また、サイトによって情報に偏りがあることも。
その点、県が運営するサイトは公平性が高く、また情報の網羅性も高いため、私も転職希望者の方にお勧めすることがあります。
それから、Baseconnectを紹介してくるのも「なかなか良いところを突くな」という印象です。これは営業リスト作成などの際に使われるサービスですが、企業情報が綺麗にまとまっており、業種などで絞り込みも可能。自分が興味のある業界を見つけたり、その業界の中で企業を比較していくこともできます。
いずれも普段はあまり目にしないサイトだったり、存在すら知らなかったということもあると思いますので、それを「へいおまち!」ぐらいの勢いで教えてくれるのは、やはりありがたいと言えるでしょう。
さらに、こんなことも聞いてみます。
-これから伸びる業界は?根拠も合わせて教えて
これから伸びる業界としては、以下のようなものがあります。
●IT業界:AI、IoT、ビッグデータ、クラウド、セキュリティなどの技術の進化により、今後も成長が期待されている。
●ドローン業界:物流、農業、建設、防災など、様々な分野で活用されることが期待されている。
●エンタメ業界:VR、AR、ゲーム、動画配信など、新しい技術の導入により、今後も成長が期待されている。
●ネット広告業界:インターネット広告の需要が増えているため、今後も成長が期待されている。
●フィンテック業界:キャッシュレス決済、仮想通貨、ロボアドバイザーなど、新しいサービスの登場により、今後も成長が期待されている。
●ロボット業界:産業用ロボット、介護ロボット、家庭用ロボットなど、様々な分野で活用されることが期待されている。
●ヘルスケア業界:高齢化に伴い、医療、介護、健康管理など、様々な分野で需要が増えている。
●ロジスティクス業界:EC市場の拡大に伴い、物流の需要が増えているため、今後も成長が期待されている。
これらの業界は、今後も成長が期待されているため、注目されています。
なるほど、ちゃんと芯を食った回答が返ってきます。この中から気になるキーワードを拾って、「キーワード×広島」のように"ググって"いけば、さらに深掘りも進められます。もしそのキーワードが「自分の頭の中にはなかった(想定していなかった)」ものだとすれば、一気に新しい可能性が広がっていくことでしょう。
また、Uターンについても相談してみました。
-東京から広島にUターンすると年収が下がってしまう?
広島にUターンすると年収が下がる可能性があるようです。例えば、東京で年収が500万円だった場合、広島での年収は400万円前半ぐらいに下がることがあるようです。ただし、家賃が東京時代から4万円程度下がったため、それだけで年収の減少分を相殺できる場合もあるようです。
広島の年収は、ざっくり言うと「東京の8掛け」が相場なので、このあたりも実態とズレは無さそうです。
それから、ここで紹介されている記事は以前私が書いたものでした(笑)。2022年10月21日に公開した記事ですので、確かに新しい情報をしっかり取り込んで回答していることが分かります。
※記事タイトルが微妙に改変されていたり、「リージョナルキャリア」が「リージョナルワーク」と誤って紹介されているのは気になりますが。。。
大都市圏から広島へ。U・Iターン転職における「年収ダウン」との向き合い方|リージョナルキャリア
Uターン転職に関して、エージェント情報も尋ねてみると・・・
-広島へのUターンに強い地域特化の転職エージェントってある?
広島へのUターンに強い地域特化の転職エージェントとしては、以下のようなものがあります。
●ヒロジョブキャリア
●メイツ中国転職プロジェクト
●リージョナルキャリア広島
●キャプラ転職エージェント
などがあります。これらの転職エージェントは、広島に特化しており、広島での転職を希望する方にとっては、非常に有用な情報を提供してくれます。ぜひ、参考にしてみてください。
今回はちゃんと「リージョナルキャリア」と正しいサービス名で紹介してくれました(笑)。実際、私に同じ質問をされたとしても、ここに挙がっているような名前をお伝えすると思いますので、このへんの精度も高そうです。
他にも様々な角度で質問をしてみましたが、いずれも概ね満足できる回答が並びました。
結論:「駆け出しのキャリアコンサルタント程度」には使える
最新情報をもとに、一般化された情報を瞬時に返してくれるという点においては、BingAIはやはり期待通りの役割を果たしてくれました。
また、一つひとつの明確なキーワードにもとづいて自ら深掘りしていく検索型とは違い、「会話の中で自然と深まっていく」という感覚はチャット型ならでは。ざっくり聞いても「そうそう、そういうことを聞きたかったのよ」と感じられる回答を返してくれるのはさすがです。
今回、40程度の質問を投げてみましたが、個人的には「駆け出しのキャリアコンサルタント」ぐらいのレベルは担保されているなという印象の回答でした。
よりパーソナライズされた情報を得たり、キャリアコンサルタントの名の通り、コンサルティングしてもらうという意味合いにおいては、まだ「代わりになる」とまでは言えませんが、そんな未来も遠からずやってくるのだろうと感じさせます。
「こちとら13年キャリアコンサルタントやってんだ!AIに負けてたまるか!」という個人的な思いはさておき(笑)、AIではなく人間が、そして私が提供できる価値は何なのか、あらためて考えさせられる結果になりました。