2022.12.01
【キャリアアップコラム Vol.15】都会で身に付けたスキルを地方で活かす仕事の見つけ方
こんにちは。リージョナルキャリア大分のコンサルタント、桝永です。
転職相談をお受けしていると、これまで経験してきた専門スキルが地方で活かせるか不安だ、というお話をよくお聞きします。
確かに、大手企業で専門性が高い仕事を経験してきた方の中には、地方でそのまま同じ仕事を探しても、求人がほとんど見つからないというケースが多々あります。
もちろん、ご本人も地方への転職を検討するからには、そのことは承知の上で、ある程度、仕事内容を変える覚悟もお持ちでいらっしゃいます。ただ、地方転職自体を優先するあまり、これまで築いた専門性を安易に捨ててしまう必要はありません。
現職とまったく同様の仕事ではなくても、経験を存分に活かし、かつ充実感を持って働ける仕事を見つけることは可能です。
たとえば、ある方は32歳で大手調査会社で順調にリサーチャーの経験を積んでいましたが、子どもが生まれたことを機に地元である九州への転職を希望しておられました。
しかし、地方には純粋な調査会社というのはなかなか存在しません。そこで、リサーチャーという仕事を通じて、その方が経験した業務を紐解いていったところ、以下のようなものに分解できました。
- ・インタビューなどから集めたデータを解析ソフトを使いながら進めた経験
- ・データをグラフや図表化してレポーティング資料にまとめた経験
- ・分析内容やアウトプットのイメージを顧客と対話しながら質問項目にまとめた経験
- ・複数のプロジェクトにおいてメンバーや工程を管理した経験
それから、これらのご経験の中でどんな強みを発揮したのか、大事にしていたスタンスは何だったのか、またどんな時に喜びを感じたのかなどを深堀りしていきました。
するとこの方は特に、クライアントの要望の高い、困難なプロジェクトほど燃えるというタイプであること、またそうした緊張感の中でも、社内のプロジェクトメンバーの強みを活かして適切に仕事をアサインし、完遂までもっていくことができる、という強みをお持ちであるということがわかりました。
そこで当社からは、より経営に近いポジションである、某食品メーカーの海外進出のプロジェクトを任せるポジションに推薦。するとトントン拍子で選考が進み、無事採用となりました。
この方のように、一見難しいと思えるミッションに対して、主体的にチャレンジできるマインドとリサーチの専門知識を持つ人材は、海外進出を進める会社にとって非常に評価されます。
前職では30代半ばという年齢では、早い方でも課長クラスであり、担当するプロジェクトの責任を負うというところまでの権限しかありませんでした。
しかし転職後は、部門から落とされた戦略を遂行する立場ではなく、自らが戦略を考える立場となり、その会社の海外進出部門の責任者として充実した日々を過ごしていらっしゃいます。
ご本人は「責任を負うという経験ができていることは、これまで以上にやりがいを感じる」とおっしゃっています。このような声は、私たち転職コンサルタントに大変励みになります。
このように地方であれば、若くしてもう一つ、二つ上のポジションを担える可能性があります。優秀な人材こそ、ぜひ、地方転職も選択肢に入れてほしいものです。
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