2021.12.03
言うは易し?日本でも広がりを見せる「週休3日制」
さて、今日は最近気になった記事をご紹介したいと思います。
"米国では現在、記録的な数の労働者が仕事を辞めている。8月には430万人、9月には440万人が退職した。各業界では経営者が人材を確保しようと、賃上げやインセンティブ(動機付け)を提供するものの、なかなか雇用には結びつかない状況だ。
だが、新たに行われた調査では、それほど極端ではないものの、まだ一般的ではない解決策が支持されていることが分かった。週4日勤務制だ。
金融大手ジェフリーズは、最近仕事を辞めた米国の若年層(22~35歳)に対し、元雇用主は退職を引き止めるために何をすれば良かったかと尋ねたところ、32%の人が「週4日勤務制を提案してくれたら残った」と答えた。これは、「賃上げしてくれたら辞めなかった」と答えた43%に次いで、2番目に多い回答だった。
この調査では、回答者の80%が週4日勤務制を支持していることも明らかになった。残りの20%のうち、短縮に反対したのはわずか3%で、17%は「どちらでもない」と答えた。"
週4日勤務制、日本式で言えば「週休3日制」ということになりますね。さらに記事ではこう続きます。
"週4日勤務制を支持する実験は数多く行われている。アイスランドで行われた実証実験がしばしば引き合いに出されるが、この実験では労働者の賃金を下げずに労働時間を短縮したところ、圧倒的な成功を収めたという。また、認識されたストレスやバーンアウト(燃え尽き症候群)など、さまざまな指標において、労働者のウェルビーイング(幸福や健康)が劇的に向上したことが分かった。
2019年には、日本マイクロソフトが週4日勤務制を試験的に導入したところ、労働生産性が40%近く上がったという。
ソフトウェア・データエンジニアリング会社のエレファント・ベンチャーズは昨年8月、パンデミック期間中における従業員のバーンアウトの予防策として、週4日勤務制を試験導入した。注目すべきことに、同社は1日当たりの労働時間を10時間にして、勤務日数を週4日に圧縮したが、週休3日が非常に好評だったことから、これを恒久的なものにした。"
この「週休3日制」、日本でも大企業を中心に広がりを見せつつあります。
日本の週休3日制には大きく以下の3パターンがあります。
・労働時間を減らした分、給与も減る(みずほフィナンシャルグループが導入)
・労働時間が減っても給与は維持される(日本マイクロソフトが導入)
※記事参照
記事では、週休3日制を導入するには制度や評価の変更をしっかり考えないと、現在の週休2日制のもののままで運用するとトラブルの温床になる(働き方改革総研・新田代表)とありますが、まったくその通りですね。
しかし、現在、年間の休日休暇を増やすときにも、まとまった休みを取って旅行に行けるようにとか、平日に動く人をまんべんなく増やすほうが移動効率がいいという議論を耳にします。自社のことや取引先のことだけを考えると、週休3日制導入の壁は高いように感じますが、働く個人や、社会全体のバランス、適度な消費を後押しすることなどを考えると、週休3日制を導入することも、企業の一つの責任なのかもしれません。
特に賃金をすぐに上げることが難しい企業は、賃金はそのままで休日を増やすだけで、実質の賃金を上げることに繋がるのではないかと思います。・・・が、言うは易し、ですかね(汗)
ではでは、本日はこのへんで。