2017.12.19
自分のことを知ってくれている人の存在について
キャリアコンサルタントという立場で、
様々な仕事に就いている方から直接お話を聞けるその時間は、
私にとって貴重な学びの場でもあります。
世の中のダイナミックな動きはもちろん、
業界動向や職種特有の仕事内容など、その只中にいらっしゃる方のお話は
どんなビジネス書よりも刺激と説得力があります。
また同時にその方が得た学びや哲学などからも、
自身の視野の広がりや思考の柔軟性を得ることがあります。
先日もご面談の場で印象に残った言葉がありました。
「組織への愛着というのは社風という大きな問題ではなく、
どれだけ自分のことを知ってくれている人が組織にいるか、
それが愛社精神につながるんだと思います。」
(自社組織合併後に人事部での経験をお持ちの方です)
話の流れでサラッと出てきただけなのですが、
なぜかこの「愛社精神」という言葉に思いを巡らせてしまいました。
かつて、愛社精神の前提には終身雇用や年功序列、退職金制度など、
会社から与えられるもがあったかと思います。
しかし昨今の流れの中では、企業は次々にそういった仕組みを切り捨て、
また企業寿命も保証されるものではなくなってきました。
そんな今、愛社精神とも言える働きがいは、組織から与えられることに期待するのではなく、
自らが組織や組織を介する環境に「見出していくもの」に変わってきたように感じたのです。
「自分を知ってくれている人」もまさにその一つかもしれません。
待遇や仕事内容は変えられなくても、人とのつながりによる働きがいは自らによって組織に見出すことができます。
ただ組織の在り方も人の価値観も多様な時代。
働く目的に愛社精神を必要としない意見だってもちろんあり得ます。
そうした前提の上で、自分の愛社精神(働きがい)を何とするか、それをはっきりしておくこともまた、
キャリア形成の中では重要なことなのかもしれません。