2016.09.20
読書の秋 ~学ぶとは?~
今日もちょうど台風16号が日本を横断しています。シルバーウィークも生憎の雨模様。
せっかく家で過ごす時間、ぜいたくに読書に時間を使おうと、ある本を手に取りました。
それは、みすず書房から出ている、
「習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法」という本です。
http://www.msz.co.jp/book/detail/07922.html
本書の著者は若くしてチェスと武道の両方を極めた方です。
内容はタイトルを見てもお分かりの通り、その二つの技法を習熟するための学習方法が書かれています。
単なるハウツー内容ではなく哲学的な記述も多く、まさに習熟の過程から浮かびあがった確信ある言葉がならびます。
私にとっては、日頃ネットや新聞で目にする単なる事象を述べた文章ではなく、
哲学的要素を含む人間味ある文章に浸れる喜びもありました。
私はこの本を注文した時、色々とモヤモヤした気持ちを抱えていました。
「上達したいのに身につかないフラストレーション。学ぶって何なんだろう」。
この本を手に取る人それぞれの心に、響く深い言葉が並ぶ本だと思います。
例えば、上達のエッセンスについての考察。
小さな円を描くことに真理がある。
複雑性を排したシンプルな真理を徹底的に研究し、確固たる基盤を作った上で、複雑な状況へと適応させていくこと。
そして心を何にも囚われないために今という時間に集中すること。
読み進めながら、オリンピック選手の会見で聞いた言葉や日本の禅宗で説かれる真理の言葉などが思い出されました。
習熟者から出てくる言葉との共通点。まさにそれを本書は述べているのですが、
私にとっては甘いモヤモヤを反省させるような素晴らしい本との出会いになりました。
学ぶ姿勢に背筋を正されたシルバーウィーク。
学び続けることが人としての「仕事」なのかもしれません。
秋の夜長。みなさんはどんな本を手に取るのでしょうか?