2023.04.21
ついにキタ!岡山のデニムメーカー・クロキ株式会社がLVMHとパートナーシップを締結
リージョナルキャリア岡山のコンサルタント、瀬川です。
昨年6月に投稿した記事の中で、高級ブランド世界最大手であるLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンが「高い技術力を持つ日本の素材産業の知名度を高め産地の活性化を後押しする」とメッセージを出したことに触れましたが、こちらに動きがありました。
LVMH、岡山のデニム製造と提携 共同開発で職人育成(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC11BQC0R10C23A4000000/
"仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループは、デニム製造のクロキ(岡山県井原市、黒木立志社長)と提携したと明らかにした。LVMHは提携先と素材などを共同開発したり、優先調達したりすることで職人を支援・育成する取り組みを欧米で進めている。国内では初めての事例となる。クロキを皮切りに日本での提携先を増やす。"
(記事より引用)
同社が日本の企業と提携するのは初めてとのことで、「クロキすげー!」「日本の職人技すげー!」と興奮してしまいそうですが、ひとまず落ち着いて、LVMH側の目的が何なのかを考えてみると、それは「サプライチェーンの川上を押さえる」というなんじゃないかと思えてきます。
(画像出典:PR TIMES)
話はちょっと変わりますが、先日、ある食品メーカーの役員の方と話をしたところ、原料である農産物の大半を中国からの輸入に頼っているため、リスクを分散させるために東南アジアのある国で農業生産を検討したい、ということでした。
昨今、自然災害や感染症拡大、地政学リスクなどの観点から、様々な業界でサプライチェーンの見直し・強靭化に取り組む動きが加速しています。
LVMHの今回の"提携"についてはこれらのリスクとは異なり、職人の高齢化などによる事業の継続性・人的リスクへの対応という感じもしますが、いずれにしても成長・拡大が続く世界のデニムジーンズ市場(参考)において、生地の染色から加工まで一貫して手掛け、高品質のデニムを生産できるクロキ社との提携は同社にとっても非常に意味のある一手なのではないかと感じました。
サプライチェーンの見直しや強靭化を目的とする中小企業との提携、買収という話が今後ますます増えていきそうですね。
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