2023.03.29
変化の激しい時代を生き抜くための専門性コンピタンシーを考えてみる
みなさん、こんにちは!リージョナルキャリア岐阜のコンサルタント、坂です。
変化が著しく将来の予測が不可能な現代、今後はAIによって多くの仕事が取って代わられるのではないかと言われています。
キャリア形成の観点から見ると、これまで人が担ってきた仕事が単に無くなっていくだけでなく、仕事のあり方や働き方に起こりつつある変化や問題と照らし合わせて、どんな環境においても生き抜いていけるよう、変化に強い人になっていくことが求められています。
そのためにも、「学び続けること」がクローズアップされています。「リカレント教育」という言葉も随分と浸透してきましたね。
リカレント教育とは-
学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。日本では、仕事を休まず学び直すスタイルもリカレント教育に含まれ、社会人になってから自分の仕事に関する専門的な知識やスキルを学ぶため、「社会人の学び直し」とも呼ばれます。
当社も何年も前から週1回、「朝活」を実施しています。テーマはさまざまで、業界動向や企業研究、マーケティングだったり、人生の哲学だったり。ある意味、これもリカレント教育ですよね。
年齢が進むほど役割も増え、自分が自由に使える時間もどんどん減っていくわけですが、人生は100年時代に突入。キャリア人生はまだまだ長いですから、活躍し続けるためには自分の時間をうまく使って学び続けることが必要だと感じますし、その重要性をひしひしと感じています。
では、これからの時代を生き抜くために、何を学び、どう学ぶか。
成長し続けるための学び方について、キャリア論の第一人者である高橋俊介さんは「まずは自分の専門性コンピテンシーを可視化せよ」とおっしゃっています。
コンピテンシーとは、業績の優秀な人がその業務についておこなっている、好業績を生む原因となっている行動の特徴、またそのような特徴を備えているかどうかの指標のことです。専門性コンピテンシーは、専門性へのコミットメントにより、高い成果を継続的かつ安定的に出せる専門的知見および行動能力、思考能力のことを言います。
(引用:東洋経済新報社「キャリアをつくる独学力」)
また高橋さんは、これから求められる「高い専門性コンピテンシー」の専門性には3つの要素があるとおっしゃっています。
著書『キャリアをつくる独学力』を参照し、ポイントをまとめてみました。
①実務的専門性
仕事の経験によって手続きや制度運用、例外対応など実務に詳しいこと。
実務専門性だけの人は「専門職=業務経験の長い人」という発想を持っているため、既存の業務運営は継続的にできるが、オペレーションの改革には対応できない。
②体系的専門性
学校などでの専門的教育やご自身の勉強などで身に付けた体系的、論理的な専門性のこと。
例えば、人事組織のプロフェッショナルを目指すなら、関連する行動科学や認知心理額の基礎などを広く理解しておく必要がある。
体系的専門性だけで即実践力に結び付かない可能性もあるが、それでも基本原則を理解しているので、潜在的には応用力を備えている。
③先端的専門性
該当する分野での変革や創造の先端事例や最新動向にアンテナを張り常に勉強し、世界の先端を行く人たちとの交流の場に出かけて人脈を作る。
社外の「ヨコ社会」との開かれた関係性に加え、専門性を継続に高めていきながら、自分なりの「自論」をアウトプットする習慣づけも大切である。
日本と欧米の人事制度の比較において、欧米企業の多くが「ジョブ型」であるのに対し、日本企業の特徴は「メンバーシップ型」だと言われます。
メンバーシップ型は職務を限定せず採用し、異動や転勤、ジョブローテーションを繰り返しながら経験を積んで、長期的な育成をする雇用形態で、組織への帰属が求められる「タテ社会」です。
しかし、「専門性コンピテンシー」を学ぶためにはヨコの学び合いの場が必要になってきます。
今後、重要になってくると考えられる専門性を自分のキャリアの柱にしたいと考えるなら、また、自分が「実務的専門性」のレベルにとどまっていると感じるなら、同じ専門性や職種の人たちが集まるコミュニティ「ヨコ社会」に参加し、「体系的専門性」、さらには「先端的専門性」へと学びを意識して拡大していくと良いかもしれませんね。
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