地域情報ブログ

宮城企業2022.12.05

定禅寺通に誕生する共創スペース「IDOBA」で思うこと(プレオープンイベントより)

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こんにちは。リージョナルキャリア宮城のスタッフです。

2022年12月2日、仙台市青葉区国分町の定禅寺ヒルズ5階に「IDOBA」という施設が誕生しました。

ここは、社内人材やフリーランス、学生などが集い、コワーキングスペースでもないシェアオフィスでもない新たな価値を創出する場を目指す「イノベーションプラットフォームスペース」と表現されています。

去る11月16日、行政関係の方やメディア、そして一部民間向けのプレオープンイベントがあり、その場に私もお招き頂きましたので参加してきました。

「IDOBA」のコンセプト

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この「IDOBA」は株式会社雑談会議という新しく設立された企業によって運営されます。同社は、弊社も採用のご支援をさせて頂いているSKグループさん、仙台協立さん、それと経営コンサルティングの株式会社All Black Incさんの3社によって作られた企業です。

IDOBAの事業と意義については、仙台協立の氏家社長が下記の通りコメントされています。

IDOBAが立地する定禅寺通りは、仙台市役所の建て替えや宮城県民会館の跡地活用等、宮城の行政・文化の中心地として変容の途上にあります。同時に企業も変革を進めることで、新たな事業が生まれ、人材が育成され、ビジネスが集積し、真の発展が実現する――IDOBAは、企業変革と人材育成を通じて、地域の持続可能な発展を共創する拠点を目指します。

短期的な成果を追求するのではなく、10年後の企業をより良くすること、それを通じて地域をより発展させることを目指す仲間が集う場所であり、そこで企業が抱える課題を持ち寄り、志を共有する多様な人・機関が集い、語り合い、ともに学び、各々のリソースを提供しあって課題解決に向けた取り組みを行うイノベーションプラットフォームとなります。 「中小企業1社では難しい」と諦めていた課題に、IDOBAが解決への一歩を踏み出すきっかけを創出していきます。

※参照:氏家代表ブログ

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また、SKホールディングスの齋藤社長は、同イベントにて「中小企業が様々なスキルを持つフリーランスの方々、起業や地域貢献思考のある学生と雑談を繰り返し、企業やまちの課題解決を実行する場になることを目指しています。大切なのは世代や組織の枠を超えた様々な方が集い目的を持った雑談を通してDeep Communityを形成すること」とおっしゃっていました。

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また同時に「定禅寺シリコンバレー化計画」という言葉ともに、冬には光のページェントが催され仙台の顔として認知される定禅寺通りに「企業の集積を図る」という構想も語られました。

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企業の壁を越えた「フィジカルな交流」、そして「対話」

今回このイベントに参加する中で、私がいくつか感じることがありました。

まず一つ目。これまで採用、転職支援をする中で、近年「企業の壁が溶け始めている」と感じてきましたが、それがフィジカルな場でもいよいよ始まったな、と感じた、ということです。

それは単に、副業が各所でOKになった、とか、フリランサーが増えた、とかいうことではなく、文字通り会社の壁が剥がれ落ちてきているな、ということ。今般、「コミュニティー」という言葉で表現されたり、あるいは、一部「プラットフォーム」という言葉で表現される場(現実/仮想を問わず)、あるいは「DAO」を標ぼうする一部の取り組みは、それを顕しているように思えてなりません。

例えば、IDOBAの一つ上のフロアはSKホールディングス社と仙台協立社の従業員が相互交流しながら、フルフラットなスペースで執務を行うようなオフィス空間になっています。

これまでもコワーキングスペースとしては場があったかもしれませんが、2社間のフィジカルな交流(≒企業体)が生まれ初めていることに、ちょっとした衝撃を感じました。

この点、「フリーランスだけではなく、地域課題、社会課題の解決のためには、自社の社員を自社だけで抱える視点ではなく、社内外の垣根をとってプロジェクト推進していく、という視点も必要なこと」と、齋藤社長ははっきりと言葉にされていました。

それを実際に現実化していくために、フィジカルな場として用意したのがIDOBAなのだ、とも。

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そしてもう一つ。これが私個人にとっては、(勝手に)非常に重要なことなのですが、IDOBAが実現しようとしていることが「共創」であり、その根っ子にあるのが「対話」である、ということ。

「共創」「対話」、そして「コミュニティー」。パーパスなどもそうですが、最近は、どんなピッチでも、この言葉を聞かないことが無い、という体感があります。

このブログでもよく書いていますが、この背景には、企業や社会が抱える課題の高度化や、解の見えなさ、により従来型の考え方ではうまくいかない、という認識が時代の空気として共有されているからなのだと思います。

他方で、この「対話(ダイアローグ)」と言う言葉、なかなか定義も実践も難しいものではないでしょうか?「外交レベルでの対話」「投資家との対話」「●●との対話」。そのほとんどが、実のところ「交渉(ネゴシエーション)」でしかなく思えます。

企業内においても、「対話」とされているものはほぼ「議論(ディスカッション)」ではないか、と感じています。そして多くの1on1は「モノローグ同志の喧嘩」でしかなかったり。

ここで対話の定義をしようとは思いませんが、重要なのが共創やオープンイノベーションであり、仮にその基盤に「対話」があるとするならば、そしてそれがこれほどまでに社会的に要請されるものであるならば、この「対話」というものを一度真剣に考えてみなければならないように思います。

今回のIDOBAさんが提示されたように、それは、官民問わず、業種を問わず、人を問わず、新たな価値を共創する、次世代の地域/国/世界を共創していくものであるはずのものだからです。

「対話」「人の話を聞くこと」、誰にでもできるようでいて、実はこれはとても難しいことだと思っています。なぜならば、それは技法というよりはむしろ、組織であれば組織、あるいは個人であれば個人の「在り方」から生まれるものだからです。

ビジネスにおいて「対話」が重視されるのであるのならば、それは、おそらく、ビジネスの在り方そのものや組織の在り方そのものも新たなステージに入っている、ということなのでしょう。それは、仕組みや制度としての副業化、などを越える大きな変化であるはずです。

10数年「聞くこと」を勉強し、実践の知として「対話」に近づくべく学んできた私には、IDOBAのようなフィジカルな場の誕生が、そういった大きな流れの中での、極めて現在的な発露の一つに思えるのです。

そんなことを考えながら、自分自身が「対話的人材」として対話を探求していきたい、と、あらためて感じます。

いずれにせよ、地域を代表するキープレイヤーとしてサーキュラーエコノミーの未来を描き続けてきたSKグループさんたちが、いよいよこうした人や企業や地域の接点の切っ先に「IDOBA/雑談会議」という一石を投じたことに大きな喜びを感じる私でした。

※画像提供:株式会社雑談会議さん

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