2021.09.30
「脱・首都圏」を狙う企業が岡山に注目するべき理由
私がこの発表の中で特に注目したのは以下の項目です。
○職住接近によるワークインライフ(健康経営)の推進
└転勤・単身赴任不要
└リモート前提社員の採用
└原則、従来のオフィス勤務ではなく、在宅やサテライトオフィスでのリモートワークに切り替え
└サテライトオフィスの拡大(今のおよそ4倍の260か所以上に)
○組織(本社・間接部門を含む)を地域へ分散
└首都圏に集中していた本社や管理部門などを地方の中核都市に分散
(出典-NTT公式HP)
これまではUターンや地方への移住を実現しようとすると、転職がセットとなり、今の職場や仕事に不満がない人でも「転職をせざるを得ない」というのが実情でしたが、これからは、今の仕事を続けたまま、転職をすることなくUターンや地方移住を実現できる、というケースが増えていきそうです。素直に、とても良いことだなぁと思います。
しかし、地方企業からすると、「転職せざるを得ない人」が減ってくると、これまで以上に優秀な人材の確保が難しくなります。1ヶ月ほど前の記事で、社員の「働きやすさ」と本気で向きあう中小企業の話を紹介させて頂きましたが、こうした働き方を含む様々な面で、改革に本腰を入れて取り組むことが重要になりそうです。
ところで、上記の項目について、ちょっと別の視点で見てみますと、with/afterコロナ社会における働き方改革であると同時に、災害などの事業継続リスクへの備え、いわゆるBCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)であったり、BCM(Business Continuity Management/事業継続マネジメント)に本気で取り組むという風にも捉えることができます。
ちょうどNewsPicksで配信された成毛眞氏と鎌田浩毅氏(地球科学者/京都大学名誉教授)の対談を観ましたが、テーマは『災害』でした。
首都直下型、南海トラフ地震、富士山噴火...
2040年までに災害が起こると予想される日本で生き抜く防災術とは?
850万人の帰宅困難者の群衆・・・真っ暗の地下鉄に水が流れ込み・・・ちょっとこわすぎます。。。
でも確かに、いつ起こるかはわからないものの、起こるかもしれないことに対しての備えが個人にも企業にも必要で、企業においては、危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意して生き延びることができるようにしておくことが非常に重要なわけです。組織の地方分散や職住接近はその対策という面もあるのでしょう。
動画の中で、鎌田氏は、日本中にわかっているだけでも2000本(!)の活断層があるため、「どこが大丈夫」ということはないものの、それでも比較すると、「津波が来ないこと」「ライフラインが止まっても水が確保できること」この2点を満たしているところが相対的には安全であると仰っています。
その点、我らが岡山は瀬戸内ですので津波の危険性が少なく、県内に活断層がわずか3本で、その3本すべててが県北に存在し(県庁所在地の岡山市には無い)、高梁川・旭川・吉井川という3つの一級河川により水源も豊富。東日本大震災をきっかけに、「暮らしやすさ」が注目されるようになりました。
私も岡山へのU・Iターンや移住希望者の転職サポートをさせて頂く中で、「岡山の暮らしやすさ」に惹かれるという声を多く聞いてきましたが、これからは個人だけでなく、首都圏に本社を置き、地方に本社機能の移転・分散を考える企業も、岡山に注目することが増えてくるのではないでしょうか。