転職成功者インタビュー

株式会社建設システム
早瀬健さん(仮名・システムエンジニア) 43歳

「社長と会ってみませんか?」から始まった、理想を叶えたUターン転職。

ITバブルの時代に就職活動に臨んだ早瀬さんは、ユーザー系SIerに新卒入社し、PG・SEとしてキャリアをスタートさせた。その後、日本最大級のコンサルティングファームへ転職。大規模プロジェクトのPL、PMを経験して年収も申し分なかったという。

しかし、業務は多忙を極め、「この働き方を10年、20年続けていくのは難しい」と考えるようになった。さらに、地元静岡に住む親の体調が次第に悪化。都内に住んだままサポートするのは難しいと判断し、静岡へのUターンを決意した。

年収など、都内の水準と異なるという点で悩んだが、今の自分にとって「どこでどのように働くのがベストなのか」と優先順位を整理した結果、自分にとって最適な会社に巡り会えたという。そんな早瀬さんの転職活動について、詳しく伺った。

※本記事の内容は、2023年7月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで365日間

転職前

業種
日本最大級のコンサルティングファーム
職種
システムエンジニア(プロジェクトマネージャー)
業務内容
金融機関向けの業務系システム開発、クラウド/AIを利用した新システムの提案活動

転職後

業種
建設業界でトップシェアを誇るソフトウェアメーカー
職種
社長室付 システムエンジニア
業務内容
社内の開発プロジェクトのフォロー、開発プロセスの検討など

コンサルタントとの初回面談から1年。「非公開求人×社長面談」で理想の転職が実現。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

「建設システム」は、建設業全般におけるIT製品を提供する会社です。測量時など現場で使う装置から行政向けの書類を作成するソフトウェアまで、建設業界における様々なシーンで使うシステムを開発し、販売しています。

私は社長室付で、社長直属のメンバーとして採用され、入社して7〜8ヶ月経ったところです。もともとSEとしてキャリアをスタートし、プロジェクトマネージャーとしての経験があるため、社長室付として社長をサポートする業務に加えて、現在社内で進行しているいくつかのプロジェクトをフォローする活動も行っています。

その他にも、社内の開発プロセス検討に参画したり、従来の仕事の進め方をさらに良くしていくための改善策を検討したりしています。

また、前職ではお客様と相対する立ち位置で仕事をしていたため、その経験も活かして、社外のお客様向けの対応や、社長を訪ねてこられたお客様の対応を社長と一緒に行うこともあります。

入社前のご経歴を教えてください。

静岡県静岡市の出身で、高校卒業後は大学進学のために上京しました。文系出身でしたが、就職活動をしていた時期はITバブルの時代。「これからはITだ!」と、文系からSEを目指しました。

入社したのは、都内にある金融系企業グループのSIer。その会社はユーザー企業の業務システムを開発していたので、「システムを使う現場により近い場所で、実際に使っている人を見て、生の声を聞きながら開発するのもいいのではないか」と思い入社を決めました。

PGとしてプログラミングやテストを行う立ち位置からスタートし、その後はSEとして上流工程での設計業務に従事。ユーザー企業への出向や、大規模プロジェクトの管理も経験しました。

もともと、将来的には外販でグループ外のいろいろな業界、お客様の業務に携わることを希望していましたが、途中から親会社のシステムだけを作る方針に変わってしまったため、仕事の幅をもう少し広げたいと考え転職を決意。二社目はコンサルティングファームとSIerとしての顔を持つ企業で、私は金融機関向けの業務系システムの開発を担当しました。

10年ほど都内の客先に常駐し、PLやPMとして業務系システムの新規開発、更改案件などを経験しました。また、開発プロジェクトと並行して、クラウドやAIを利用した新システムの提案活動に参画するなど、最新の技術知識をキャッチアップしながら業務に取り組んできました。

転職のきっかけは?

一番のきっかけは、親が体調を崩してサポートが必要になったので、静岡に戻ろうと思ったことです。私はもともと東京に永住する気はなく、漠然といつかは静岡に戻りたいと考えていました。

ただ、仕事も順調でしたし、いつ戻るかというのは具体的には決めていませんでした。その「いつかは」と思っていたのが今になったという感じですね。

転職活動はどのように進めましたか?

まずは全国向けの大手有名転職サイトに登録したのですが、担当の方と話をしても、サイトに公開されている情報を検索して提案しているだけ、というのがわかってしまい、地域の生の情報は持っていないと感じました。

そんな時にリージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)のWebサイトを見つけ、「こういった転職支援会社の方が地元企業の情報を持っていそうだな」と思いエントリーしました。すぐに担当コンサルタントの池戸さんからコンタクトが来て、オンラインで面談を行いました。

私の希望する仕事や年収を考えると、静岡ですぐ転職先を見つけるのは難しいと思っていたので、転職は長いスパンで考えていました。池戸さんはその意図を汲んでくれて、初回面談以降も定期的に近況のヒアリングや新規求人の紹介をしてくれました。

建設システムの話をいただいたのは、初回面談から1年ほど過ぎた頃だったと思います。「静岡で業界トップシェアのソフトウェアメーカーがあり、その社長が早瀬さんのような方を探しています。一度会ってみませんか?」という提案をもらいました。

私の業務の都合でなかなか日程調整が難しかったのですが、休日にオンラインで社長とのカジュアル面談を設定。その後は対面での面談、オフィス見学を通して正式にオファーをもらいました。

今の会社に決めたポイントは?

今回の転職はUターンありきでしたが、これまでは受託開発の働き方だったこともあり、自社製品・サービスの開発に関わる仕事についても興味がありました。

その点、建設システムは自社ソフトウェアを持つ会社で、「今後会社の規模が大きくなっていくときに、どうやって仕事を回していくか」、「どのように会社のシステムを構築していくか」を一緒に考えていく、という仕事内容にとても興味を持ちました。それなら自分も力になれそうだし、自分の求めていた仕事だと感じたんです。

実は紹介していただくまでは社名すら知らなかったのですが、事業内容や業界シェアを知り、地元にこのような優良企業があるのかと驚きました。また、希望する働き方ができる点も理想的でした。

面接を通じて知った社長の人柄や職場の雰囲気にも惹かれましたし、年収面でも池戸さんから聞いていた静岡県の年収相場に照らし合わせると非常に良いオファーをいただき、そういった点も純粋に嬉しく、入社を決めました。

結局、池戸さんに紹介いただいた建設システムだけを受けて転職先を決めました。Webサイトでは公開されていない非公開求人だったのですが、このような独自の案件を持っているリージョナルキャリア静岡は凄いと思いましたし、話を持ってきてくださった池戸さんにも本当に感謝しています。

理想的な仕事内容に加え、Uターンでガラッと変わった働き方。

転職していかがですか?

求めていた自社製品に関われる仕事に、まずはやりがいを感じています。もちろん、前職の経験や知識が活かせることもあれば、事業形態が違うのでフィットしないこともあります。建設システムのやり方を学びながら、自分の経験をどう活かしていくかを試行錯誤しているところです。

また副次的ですが働き方もガラッと変わりました。これまではずっと客先常駐だったので、自分の会社に行けるだけでも嬉しいです。ここ10年ほどは自社に自分の机も無かったぐらいですから(笑)。

それから、前職まではハードワークを続けていたので、健康面を考えると「このまま10年、20年働き続けること難しいな」と感じていました。体を壊すまではいきませんでしたが、疲れは常に溜まっていたと思います。

現職では決まった時間に出社して定時で帰るというスタイルが確立されているので、安心して働くことができます。また、若い社員も礼儀正しく、挨拶もしっかりできる。きちんと社員教育が行き届いているという点も魅力的です。

転職して良かったと思うことは?

親の近くに住むようになり、何かあればすぐに駆けつけられるようになったのが、何より良かったと感じています。東京に住んでいた時は、電話が来てもどうしようもありませんでした。新幹線に乗って2時間ほどで帰れると言ってもやはり遠く、力になれない歯がゆさを感じていました。

仕事面では、前職の受託開発から自社製品・サービスの開発となり、「自分たちの製品を開発し、育てていく」という醍醐味を味わえています。当事者意識を強く持って自社製品開発に取り組める今の環境は居心地が良いですね。

また、以前は担当しているシステムに障害が見つかると、夜通しで対応して翌日も朝から勤務、なんてこともザラでした。しかし、今は暮らしの中に時間の余裕が生まれ、睡眠時間や勉強の時間を確保できるようになりました。週末や長期休暇もしっかり休めているので、ワークライフバランスが改善したことも良かったです。

困っていることや課題はありますか?

仕事で困っていることは特に無いですね。会社によってはキャリア採用の場合、馴染むのに苦労する会社もあると思います。また、私が以前いた会社では、キャリア採用だとわかるような役職名を付けられる、なんてこともありました。

建設システムではそんなことはありませんし、「プロパー社員か否か」を問われるシーンもありません。キャリア採用の社員は皆スムーズに馴染み、それまで積んできた経験をしっかり活かしているという印象です。

プライベートで困っているのは、服をどこで買えばいいのかわからないことでしょうか(笑)。静岡で生まれ育ったのですが、高校卒業以来ずっと東京暮らしですから、地元で知らないことは多いなと感じています。少しずつ静岡の街にも馴染んでいきたいです。

生活面の変化はありましたか?

現在は静岡市に住み、勤務先も市内のオフィスです。静岡に戻ってから、週末に親と一緒にご飯を食べたり、家で風呂に入って寝たりという、なんてことない暮らしができることに幸せを感じています。

生活サイクルが整い、とても心地良いですし、残業が大幅に減ったので、18時台のニュースを自宅で見ていると、これまでとのギャップや現在の生活面の充実を実感します。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

まずは自分の本当にやりたい仕事は何かを考えること。そして地元の求人情報を持っている転職支援会社とコンタクトを取り、「生の情報」を掴むことが大事だと思います。

ネットを見て求人を検索しているだけでは効率が悪いかもしれません。首都圏での転職はスペック重視だからいいのかもしれませんが、地方の場合は地元情報を持っている会社と話をして進めた方が、より良い転職ができると思います。

それから、やると決めたら一気に進めること。良い話があったら大胆に行動してみることをお勧めします!私も四半世紀を過ごした東京を離れるのには勇気が必要でしたが、良い話だと直感し、スピーディーに決断しました。人に相談すると時間もかかるので、「自分の意思で決定する」ということも重要だと感じました。

条件面についてはUターンの場合、少なからず失うものはあると思います。ですから自分の中で、優先順位をつけることをお勧めします。自分が一番大切にしたいのは会社の知名度なのか、勤務エリアなのか、年収なのか、もしくは仕事内容なのか。優先すべきものをよく考えて決めれば、満足度の高い転職ができると思いますよ。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
池戸 岳

大手コンサルティングファームでの経験や高い専門性をお持ちの早瀬さん。様々な企業での活躍が想像できる一方で、希望年収が静岡県の相場から大きく離れており、一般に公開されている求人ではマッチングが難しそうだと初回面談時に感じました。

そこで、早瀬さんと転職活動の進め方について相談し、顕在求人ではなく、弊社が得意とする「経営者への直接提案」でポジションメイクから行っていく方針に決めました。

そこから約1年後、建設システム社より採用ニーズを聞き、早瀬さんと重森社長をお引き合わせできたところから本件がスタートしました。入社後、早瀬さんのご活躍をお聞きしてとても嬉しく思いますし、こういった雇用を静岡県に生み出すことができて良かったと感じています。

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