2021.04.01
【定点観測】広島県の有効求人倍率-2021年2月、2カ月連続上昇の1.21倍
2021年2月の広島県の求人倍率は「1.21倍」
さて本題ですが、先日、広島県の2月の有効求人倍率が発表され、2カ月連続で上昇となる『1.21倍』となりました。
厚生労働省が発表する統計値の一つで、「求職者1人に対して、企業などから何件の求人があるか」を示します。有効求人倍率が1倍を上回ると求職者よりも求人数の方が多い(企業にとって人手が不足している)状況で、逆に1倍を下回ると求人数より求職者数が多い(求職者にとって仕事探しが難しい)状況となります。
広島の求人倍率といえば、2017年度『1.88倍』、2018年度『2.08倍』、2019年度『1.96倍』(いずれも年平均)と、長らく高止まりが続いていました。ところが、"コロナショック"以降は減少の一途をたどり、2020年12月には1.13倍まで下がりました。求人数は景況感に大きく影響を受けるため、コロナによって事業の先行きが見えない中で、求人をストップする、減らす、といった企業が増えたためです。そこから、コロナ禍にあっても事業を前進させたいという企業が徐々に増え始め、2021年1月には1年9カ月ぶりに上昇、そして2月も継続して上昇、という結果になっています。
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有効求人倍率はあくまで指標の一つに過ぎず、求人の増減だけでなく求職者の増減にもよるため、一概に「求人倍率が上がっているから転職しやすくなっている」と考えるのは早計ですが、求人が増えているという意味では、良い傾向と捉えて良いでしょう。加えて、企業がどんな人材を求めているのかという実情を掴むことも重要になると思います。次回は、広島の企業に対して行った「求人動向調査」を振り返りながら、そのあたりを考察してみたいと思います。
リージョナルキャリア リサーチ「コロナ禍における広島企業の求人動向調査(2020年8月)」
https://rs-hiroshima.net/2020/08/research202008.html