株式会社QPS研究所
西山恵輔さん(仮名・ソフトウェアエンジニア) 26歳
「自分が本当にやりたい仕事とは」-キャリアの棚卸しで改めて認識した宇宙分野への想い。
大学卒業後、福岡県のシステム開発会社でソフトウェアエンジニアとして働いていた西山さん。自身の希望もあって関東で大手電機メーカーとの共同プロジェクトに参加していたものの、開発チームは道半ばで解散となってしまう。
当時の所属企業からは引き続き関東で別プロジェクトでの勤務を要望されたものの、地元に配偶者を残していたこともあってUターン転職を決意。これまでの経験をどの領域で活かすかを考えたとき、西山さんの胸が一番高鳴ったのは宇宙分野だったという。
そんな西山さんが出会ったのは小型衛星を開発・運用する九州大学発の宇宙開発企業、QPS研究所だった。現在は宇宙が好きでモチベーションの高いメンバーに囲まれ、刺激的な日々を過ごせているという西山さんの転職体験談を紹介しよう。
※本記事の内容は、2024年12月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで43日間
転職前
- 業種
- システム開発会社
- 職種
- ソフトウェアエンジニア
- 業務内容
- 製造業向け画像処理システムの構築、自動走行車両のデモンストレーションやデータ処理ソフトウェアの開発など
転職後
- 業種
- 人工衛星メーカー
- 職種
- ソフトウェアエンジニア
- 業務内容
- 各種組込みデバイスを活用するミドルウェア・ソフトウェアプラットフォームの開発
東京でのプロジェクトは刺激的だったが、突然のチーム解散でUターンを決意。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
小型衛星を開発・運用し、衛星データの提供やソリューションサービスを提供する九州大学発の宇宙開発企業「QPS研究所」で、バッテリー残量や発電量など人工衛星から受信したデータをモニタリングするソフトウェアの開発に携わっています。
衛星の健康状態を確認するためのソフトウェアと言うと、イメージしやすいかもしれません。衛星を製造している他部署のエンジニアからの要望に応えながら、より良いソフトウェア開発を目指して日々取り組んでいます。
入社前のご経歴を教えてください。
大学卒業後、福岡に本社を置くシステム開発会社に就職し、ソフトウェアエンジニアとして製造業向けの画像処理システムの構築に携わりました。カメラや照明機器、産業用PCの機器選定から、ソフトウェア導入後の運用・保守まで一貫して担当しました。
また、大手電機メーカーとの共同プロジェクトで、自動走行車両のデモンストレーションやデータ処理ソフトウェアの開発も行い、同プロジェクトでは約2ヶ月間の海外出張も経験しました。
転職のきっかけは?
大手電機メーカーとの共同プロジェクトへの参加は私の希望でもあったため、妻を福岡に残し、メーカーの開発拠点がある関東圏で勤務していました。
非常に刺激的でやりがいも感じていましたが、メーカー側の意向でプロジェクトが途中で終了することに。私は引き続き自社プロダクト開発に携わりたかったものの、在籍企業から「関東圏で派遣型のソフトエンジニアとして働いてほしい」という話がありました。
自分がやりたいことを実現するために関東に出てきたという面もあり、妻を関東に呼ぶ選択肢も考えましたが、ライフイベントを考慮すると福岡に住み続ける方が良いと感じ、Uターン転職を決意しました。
転職活動はどのように進めましたか?
仕事を引き受けて途中で退職となると客先にも迷惑を掛けてしまうため、一旦退職して福岡に戻りました。
それまでの経験から、画像処理やリモートセンシング、センサーなどを使った技術領域に興味を持っていました。それをどの分野で活かしていくのか考えた結果、一番ワクワクしたのが宇宙分野でした。
これから成長する分野なのは間違いないですし、そこに携わっている人もまだ多くはありません。だからこそ、実力さえあれば自分がやりたいことに携われるチャンスが必ずあると思いました。
もともとQPS研究所には興味を持っていましたが、初めての転職ということもあり第三者に客観的にアドバイスしてもらいたいと考えて転職支援会社に登録をしました。
当初は大手の支援会社に登録しましたが、結果的にリージョナルキャリア福岡を選んだのはコンサルタントの顔が見えたからです。Webサイトに掲載されていた自己紹介や転職支援実績などの情報から、瀬川さんであれば私の経験を理解した上で的確なアドバイスをいただけそうと感じました。
今の会社に決めたポイントは?
他にも別の企業から内定をもらっていましたが、最終的には「宇宙分野に携わりたい」という想いが決め手となりました。
その企業も雰囲気が良く心惹かれるところはありましたが、私にとっては「何をするか」が最も重要だという結論に至りました。
宇宙好きで、モチベーションの高いメンバーとともに働ける刺激的な環境。
転職していかがですか?
この決断は間違いではなかったと実感しています。みんな宇宙に強い関心を持っており、ハード・ソフトを問わずモノ作りが好きなメンバーが集まっています。プライベートでもモノ作りをしている社員が多く、さまざまな刺激を受けています。
また、海外の勤務経験者や外国籍の社員も多いため、良い意味で国際的な雰囲気があります。言いたいことはハッキリ言い合うという文化があり、私もそのタイプなので非常に働きやすいと感じています。
転職して良かったと思うことは?
繰り返しになりますが、何より宇宙分野に携われていることが大きな喜びです。
現場には機材があったり、デスクには宇宙関連の専門書が置いてあったり、多くのエンジニアが宇宙関連のアクセサリーを身に着けていたり、PCに宇宙関連のステッカーを貼っていたりと、自分もその一員であることを日々実感しています(笑)。
困っていることや課題はありますか?
現状困っているわけではありませんが、「英語が使えるに越したことはない」と感じています。外国籍の社員も働いているので、課長は英語でミーティングをしていますし、私が所属しているチームのメンバーも英語が話せる方ばかりです。
ソフトウェア開発について深い議論をしようとすると、英語でのコミュニケーションは不可欠ですから、英語力向上の必要性を感じています。
生活面の変化はありましたか?
勤務形態の変化が一番大きいです。フレックスタイム制度が導入されているため、月間の決まった時間とそれに見合った成果を出せば、自由に働く時間を調整できます。
先日、妻が体調を崩して病院に付き添う必要がありましたが、休んだ時間を他の日に調整できたので、とても助かりました。今後のライフイベントにも柔軟に対応できる環境だと感じています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職活動を通じて行ったキャリアの棚卸しは、これまでの自分を振り返り、これからのキャリアの方向性を見つめ直す良い機会でした。まずは自己理解が大切だと感じましたし、そのためには壁打ちできる相談相手が必要です。
私自身、担当コンサルタントの瀬川さんとの対話を通じて自分の考えを整理できました。求人情報や企業研究も重要ですが、まずは信頼できる人に自分の考えを話すことから始めてみると良いのではないでしょうか。