株式会社マキタ
山中真理さん(仮名・営業) 28歳
生産系職種から営業職に挑戦。結婚を機に移住した土地で “ロマン”を感じる企業に出会えた。
前職では自動車部品メーカーの生産準備部門で、主に海外拠点における生産ラインの立ち上げ準備や生産計画に携わっていた山中さん。結婚に伴い、夫が住まう香川県へ移り住むことになった。
「果たして自分の経験を必要としてくれる企業が香川県にあるのか」という不安のなかで求人情報を検索していたが、なかなか見つけられずに転職活動は難航。落ち込んでいたときに、リージョナルキャリア香川と出会う。そしてそれが、転職活動の転機となった。
「前職の経験がこんな形で活かせるとは、本当に意外だった」と、現在は公私ともに充実の日々を送っている山中さんに、転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2022年6月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで40日間
転職前
- 業種
- 自動車部品メーカー
- 職種
- 生産準備
- 業務内容
- 量産ライン準備、生産計画の作成、業務フロー整理
転職後
- 業種
- 船舶部品メーカー
- 職種
- 営業
- 業務内容
- アフターサービス部品の販売、販売データ整理
前職で培った経験や能力を異なる環境でも発揮。業務改善で優秀提案賞を受賞!
現在のお仕事はどんな内容ですか?
船舶用エンジンの部品販売やメンテナンスを担うアフターサービス部門に配属され、海外営業をしています。具体的には、シンガポールやフィリピン、インド等の得意先に向けて、部品に関する見積や問合せ対応を英語で行っています。
一方で、今は社内プロジェクトに比重を置いて、部品の販売データや業務フローの整理にも注力しています。これまで千隻以上の船、さらに1隻あたり何万点もある部品のアフターサービスについては、整理や分析もアナログな手法に頼っていました。そこで営業で発生するルーチンワークの時間を削減できれば、担当者の負担が減り、浮いた時間をお客様への提案作成に充てられると考え、私から業務の共通化、省力化の提案を続けました。
こうして日々改善活動をしていたところ、「全社的にデータ整理をやってほしい」と依頼があり、社内プロジェクトに抜擢されました。1分半かかっていた検索作業が3秒程で完了するツールの提案をしたのですが、同僚からも「助かっている」と言ってもらえて嬉しかったです。現在、作成したツールは他部署の方も利用してくれています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学を卒業して、自動車部品メーカーに入社しました。海外の生産拠点で量産体制に入るための準備を担う部署で、生産日程の作成や生産ラインと人員の計画、工程フローや部品データの整理をして各拠点に伝える仕事に従事しました。
大手自動車メーカーとの関係も強かったので、業務改善の意識や行動が刷り込まれていました。量産の場合、自分たちが準備した手順に従って何十人もの作業者が業務を繰り返し行うため、準備段階でいかに省力化したフローをつくれるかが重要になります。例えば作業一つ一つの目的を意識し、最小ステップとなる作業順番を考える、作業者が最短距離で移動できるような工程レイアウトを設計する、といった業務に取り組んでいました。
転職のきっかけは?
結婚を機に夫が住んでいる香川県に転居をすることを決めました。香川県には関連会社もなかったので転職を決意しました。友人も知人もいないですし、全然関連のない会社に勤めることになるんだろうな、と考えていました。
転職活動はどのように進めましたか?
最初は手探りで、香川県のハローワークの求人に応募しました。英語力を活かしたいという思いはありましたが、当時は香川県という見知らぬ土地に身ひとつで引っ越してきたばかりだったこともあり、上手くいかずに落ち込んでいました。そこで「香川×転職」などのキーワードで検索したところ、転職支援会社の比較サイトを見つけ、リージョナルキャリア香川に出会い、さっそく面談を受けることになりました。
それまで何をアピールすれば良いのか、どんな会社が自分の経験を欲してくれているのか分からず困っていましたが、コンサルタントの溝渕さんが真摯に話を聞いてくれた上、「それはすごく良い経験ですね!」と励ましてくれ、私の経験を活かせる求人を紹介してくれました。
今の会社に決めたポイントは?
3つあります。1つは前職が生産系だったので、メーカーであればモノづくりに携わる実感が得られると思ったこと。2つ目は英語が活かせること。そして3つ目は、量産品ではなくエンジンという一品ものをつくりあげるというところにワクワクする気持ちを感じたことです。これは今働いていても思うのですが、営業・設計から生産現場までが協力して、3階建てくらいの大きさがある一品ものをつくりあげている、というところにロマンを感じています。これが入社の決め手になりました。
入社後、できあがったばかりのエンジンが動いているのを初めて目の当たりにして「すごいな!」と感動し「このエンジンに自分は携わっているんだ」と改めて実感できました。
さまざまな経験を持つ同僚とチャンスを与えてくれる企業風土。成長を感じる充実の日々。
転職していかがですか?
海運業界は多くの会社との連携で成り立っており、知識があればあるほど、お客さまへの提案の幅が広がるという独特な面白さがあると思っています。商品の出荷ひとつ取っても、船舶のオーナーや管理会社、物流・港湾関係の会社などが関わりますし、流れを熟知していればそれだけ柔軟な対応ができます。自分はまだまだではありますが、世界情勢もダイレクトに関わる以上、石油価格や物流ニュースなど日々アンテナを高くして情報収集していくことも業務に役立ちます。
それから、今の部署は女性も多く活躍していますし、新卒入社や中途入社の方々、語学が堪能な方やベテランの国内担当の方などさまざまな社員が集まっています。船員だった経歴がある方もいて、話を聞いているだけで楽しいですよ。それぞれ営業の仕方も異なっていて、丁寧に事前準備をして進める方もいれば、すぐに電話して体当たりでアプローチをする方など、いろいろな成功体験が聞けることでとても勉強になります。
転職して良かったと思うことは?
まず、社員が提案したことを「いいね、ちょっとやってみてよ!」と受け入れて、チャンスをくれる雰囲気が自分には合っていました。前職の生産業務だと、自分が考えて変えられる範囲に制約があったのですが、比べて現職の営業は自由度が高くて新しいやり方を実際に試すことができます。
先にお話しした業務効率化のために開発した検索ツールも社内で高く評価され、実は先日、このことで社長から優秀提案賞の表彰を受けました!前職の生産準備部門で自動車部品のデータの集計、分析をしていた経験が、営業職としてこんな形で活かせるとは思ってもいませんでした。
また、初めての営業職で自分の可能性にも気づけました。最初は電話応対すら冷や汗が出るほどでしたが、最初からうまく行かなくて当たり前、と開き直って体当たりで仕事に臨んだ結果、今では顧客に対しこちらから提案できるようになりました。生産系の経験しかなくても、しっかり営業として働けるんだと気づけたことが自信になりました。
困っていることや課題はありますか?
人と人で仕事をする以上、苦手とする場面に出会うこともあります。例えば、稀に海外顧客から理不尽な要求をされ、毅然とした態度で相手に納得していただけるような会話が求められる時があります。前職の生産現場では要求を飲むことが多く、特に私は下手に出てしまうタイプなので、現職の肝が据わっている同僚がそうやって助けてくれた時、確かにこういう姿勢も大事だと感銘を受けました。日々、職場の人から学ばせてもらっていますね。
まだこれからの課題ではありますが、さまざまな対応方法の引き出しを持つことが重要で、素の自分ではなくTPOに応じていろいろな役になり切れるようにしたいです。どんなやり方が通るかはやってみないとわからない。正解がないところが面白いですね。
生活面の変化はありましたか?
今はコロナ禍の影響でほとんどリモートワークをしています。入社前は生活圏も狭く決まった場所にしか行っていなかったのですが、職場の人からおすすめのお店や場所を教えてもらって、行動範囲がとても広がりました。なかなか遠出しにくい時期が続いているので、今は四国内で行ったことのない場所へ遊びに行って楽しんでいます。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
私の場合、最初は一人で進めようとして心が折れそうでしたが、転職紹介会社に頼ることでうまくいったと感じています。話すことで経験が整理された上に励ましてもらえて、自信をもって企業との面接に臨めましたし、経験の活かせそうな求人を複数紹介してもらいました。一人で活動していたらマキタに出会えなかったと思います。
また、「生産から営業」という一見関連のない職種であっても、持っている知識が役に立つのだと転職して実感しました。特に営業は、その人が持っている個性や知識、経験を組み合わせて独自の提案スタイルを持つことができますね。今の職場でも、語学や海外経験、営業スキルや通関等の知識を活かして顧客から信頼を得ている方がいます。営業ができるのは弁の立つ人だけというイメージを以前は持っていましたが、人に寄り添うことが得意、てきぱきと仕事をこなすタイプの方などもさまざまな活躍の仕方があると思います。私の持っていた工程改善の知識や経験も、最初は営業に応用できるとは思っていませんでしたが、実際は「人と異なるタイプの営業」として独自の立ち位置を築くことができました。
未経験職種に挑戦される人は、むしろこれまで得難い経験を積んでいると思って、新たな職場では人と違った視点で活躍できないか模索してみると良いと思います。