九電みらいエナジー株式会社
村下健人さん（仮名・事業開発） 28歳
「いつかは福岡へ」ぼんやりしたイメージから起こしたアクションが、理想的な移住転職へと繋がった。
総合電機メーカーのエンジニアとして関東で働いていた村下さんは、奥様の地元であり、自身も学生時代を過ごした福岡での暮らしを希望していた。無論「福岡で暮らせればそれでOK」ということはなく、転職についても明確な軸を持っていた。それは「エネルギー問題の解決に貢献したい」というキャリアビジョンの実現。
転職活動の結果、まさに理想的といえる九電みらいエナジー社にジョインし、現在は奮闘の日々を送る村下さん。入社して間もなく、同社の事業がカタチになった瞬間を目の当たりにして、「いつか自分も事業の"ど真ん中"へ」と意気込みを熱く語ってくれた村下さんに転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2021年3月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで174日間
転職前
- 業種
- 総合電機メーカー
- 職種
- 設計開発
- 業務内容
- 発電所で用いられる大型機器の設計開発
転職後
- 業種
- 電力事業
- 職種
- 事業開発
- 業務内容
- 再生可能エネルギー事業における事業開発
福岡で暮らしながら、エネルギー問題の解決に貢献する。明確な“軸”を持って活動を開始。
現在のお仕事はどんな内容ですか？
再生可能エネルギー事業に関して、潮流発電やバイオマス発電、太陽光発電といった事業開発を行うセクションに所属しています。まだ入社して間もないため、少しずつ会議に参加したり、資料を読み込んだりしながら、イチから学んでいる段階です。
「SPC（特別目的会社）」「FID（最終投資決定）」といった略語や、「プロジェクトファイナンス」といった専門用語が多く飛び交うので、それらを正しく理解しながら、プロジェクトの全体像やプロセスの把握に努めています。
正直、まだ「何が分からないのか分からない」ということも多いのですが（苦笑）、うまくフォローしてもらっています。年齢の近い先輩は入社してすぐ声をかけてくれて、1つ聞けば10も20も返してくれます。
いろいろなセクションのメンバーがワンフロアに集っていて、管理職や役員もすぐに声をかけられるところにいるので、疎外感や孤独感もまったくありません。逆に、よく声をかけてくれるので、こちらが恐縮してしまうぐらいです（笑）。
入社前のご経歴を教えてください。
出身は九州で、地元の工業高等専門学校を卒業後、福岡の大学・大学院に進学しました。そこでは「エネルギー問題」について学んだのですが、九州は台風災害が多く、また全国的に豪雨災害が発生していた背景もあって、エネルギーの重要性や問題の深刻さを痛感しました。
そしてエネルギー問題解決に貢献したいと考えるようになり、総合電機メーカーに就職してからは発電に用いられる大型機器の設計開発に携わってきました。
各発電所の仕様や顧客のニーズの整理から、設計、解析、試験・評価まで一連の開発に携わり、プロジェクトによっては主担当も務めていました。
転職のきっかけは？
妻が福岡の出身で、福岡は私も学生時代を過ごした地でしたので「いつかは福岡で暮らしたいね」と話していました。
あくまで「いつかは」というスタンスでしたが、移住するにあたって転職することを考えると、年齢的にも早いほうが良いのではと考えるようになり、「良いところがあれば」と転職活動を始めることにしました。
転職活動はどのように進めましたか？
まずは大手エージェントや転職サイトを見て求人情報を集めましたが、「なかなかマッチする求人が無いな」という印象でした。というのも、転職する上では明確な「軸」があって、それは引き続き「エネルギー問題の解決に貢献したい」というものでした。中でも、再生可能エネルギーの拡大に対する志向が強かったんです。
そこで、ピンポイントで「再生可能エネルギー×転職×福岡」といった具合でネット検索したところ、リージョナルキャリア福岡で九電みらいエナジーの求人が見つかりました。
九電みらいエナジーについてはもともと「名前を聞いたことがある」という程度だったのですが、事業内容や事業の展望について調べていくと、再生可能エネルギー5電源（地熱・風力・バイオマス・太陽光・水力）の開発・運営を一貫体制で行っている点や、再エネ利用拡大から、その先の安定供給まで、強い意志を持って事業を進めている点がとても魅力的でした。
リージョナルキャリア福岡のサイトでは、事業企画本部長や過去に中途入社した方のインタビューも紹介されていて、それらを読んでいくと、うまく私の軸にマッチしていたので、ぜひ詳しく話を聞いてみたいと思いエントリーしました。
いつか自分が事業の中心に。その日を思い描きながら奮闘する日々。
今の会社に決めたポイントは？
一番大きいのは、やはり自分のキャリアビジョンにマッチしていたことです。発電所づくりや街づくりを通して、エネルギー問題の解決に貢献できる。それに挑戦できる環境は、私にとってまさに理想的でした。
また、事前の情報収集やコンサルタントの話から、同社はスピード感やチャレンジ精神を大切にしている風土と知り、面接の中でその風土を実感できたことも決め手の一つとなりました。
実は、当初はいくつかの企業と並行して選考を進めていたのですが、途中から同社を第一志望として専願で進めました。選考中はちょうど新型コロナウイルスの拡大と重なってしまい、なかなか面接が調整できず、“やきもきする”期間もありました。
ただ、私のキャリアビジョンをしっかり理解した上で、「こういう活躍のフィールドがあるよ」と提示してもらえましたし、自分に対して期待感を持ってくれていることが感じられたので、最後までモチベーションを保ちながら、選考に臨めました。
転職していかがですか？
入社してすぐに、長崎の五島列島沖で始まる潮流発電の実証実験のお披露目式に参加させてもらいました。潮流発電は大型の発電機を海底に置いて、潮の満ち引きで起こる海水の流れを利用して発電する方法で、実用化に向けた実証実験は国内初となります。
ここに至るまでに数年かかっているプロジェクトで、当日はそれこそ普段は見られないような大型の船や発電機を目の当たりにでき、とても刺激的な瞬間に立ち会わせてもらいました。
これから自分が経験を積み、こういった事業のメインを担っているシーンを想像するととてもワクワクしましたし、改めて頑張っていこうと決意する機会となりました。
生活面の変化はありましたか？
現在は北九州の妻の実家の近くに暮らしています。義父母にも気軽に会いに行けるようになったので、妻や義父母も喜んでいますし、私も実家に帰りやすくなったので、生活面はとても充実しています。
また、エンジニアとして技術的な領域に没頭していた前職と比べると、現在は「事業」や「社会」により直接的に関わる仕事なので、ビジネスパーソンとして視野が広がっていることに気付きました。
仕事だけではなく、プライベートにおいても新しい視点を取り入れられるようになっているのは、転職する前は想定していなかった変化かもしれません。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
もともとは「いつかは福岡へ」「転職は良いところがあれば」というスタンスでしたが、そのような状況でも行動を起こしてみたことが良かったかなと思っています。
転職「する」「しない」は別としても、コンサルタントと話してみることで、自分の価値観や軸を再認識できましたし、私の場合は結果的に良い転職に繋げることができました。
たとえ小さな「きっかけ」でも、まずは行動を起こしてみる。その行動から生じる変化に向き合い、また次の行動に繋げていく。そうした積み重ねによって、ぼんやりしていた未来像に色が付き始めるのではないかと思います。
