新たな価値を創造し、金融の枠を超えた総合サービス業へ。
株式会社中国銀行
執行役員 人事部長 西宇 建雄
1988年3月 香川大学 経済学部 卒業
1988年4月 中国銀行 入行
2009年2月 多度津支店長
2011年6月 神辺支店長
2013年6月 米子支店長
2017年6月 事務企画部長
2019年6月 執行役員就任(人事部長委嘱)
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
Vision2027「未来共創プラン」第二ステージ。
2017年3月に策定した10年戦略にあたる長期経営計画「Vision2027」。その第一ステージである最初の3年間が終わり、現在は第二ステージの2年目、10年戦略の中間地点を迎えています。
第一ステージではBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)による店頭業務改革や営業活動改革、事務の本部集中化や効率化など、主にハード面の構造改革を進めると同時に、コンサルティング機能の強化や人材紹介業務への参入など、金融以外の分野におけるサービスメニューの拡充を図ってまいりました。
そして現在の第二ステージでは、成長に向けたビジネスモデルの構築を実現するためのベースとなるソフト面「組織力」「人財育成」の強化・改革に取り組んでいるところです。
第二ステージでは5つの柱を掲げており、その中のひとつが「組織の活性化」です。地域社会の課題解決や新たなビジネスの創造、SDGsの実践、お客さま本位の営業の深化・新たな価値の提供を実現するためには組織・人財の改革・レベルアップが必要です。その一環としてダイバーシティのさらなる進展を目指した人事制度改革を行いました。
多様化・高度化するお客様のニーズへの対応。
これまでの銀行は、新卒で入社した人の多くが支店長を目指すというモデルでした。ただこれは、銀行が提供する既存のサービスがお客様のニーズとも合致し、そのままのカタチで求められ続けるという前提があった時代の話です。
現代においては、外部環境が大きく変わり、お客様のニーズも多様化・高度化する中で、これまでの銀行がそのままのカタチでお客様に求められ続けるという前提はなくなりました。私たちは変わらなければいけませんし、多様化・高度化するお客様のニーズにしっかりと応えていきたい。
しかしながら現実的には、変化することを個々人の意思に委ねても難しいですし、「変わりましょう!」と言ってすぐに変われるものでもないですよね。一人ひとりの意識を変えていくにはやはりベースとなる制度を見直さなければいけませんし、会社側が変化するためのきっかけやチャンスを提供していくことが大事だと考えています。
多様性を実現するための環境整備。
新しい人事制度について一言でいえば、やはりダイバーシティ(多様性)の実現です。繰り返しになりますが、多様化・高度化するお客様のニーズにお応えするのにこちら側に多様性がなければ対応することはできません。また高度化への対応には自身の強みや特徴・個性が活かせる分野で専門性を持った人財が必要です。
新しい人事制度では、総合職と地域限定総合職の統合、そして専門コースを新設し、キャリアパスの制限を撤廃しました。
また、個々人の能力を最大限発揮してもらえる環境整備のひとつとして、さまざまなライフステージに合わせて柔軟に働ける仕組みの整備にも力を入れており、フレックスタイム制度やテレワークの導入、副業の試行、休職・復職制度の拡充など、柔軟な勤務を可能にしています。
これらのことは新型コロナウイルが感染拡大する以前からもともと志向していたことでしたので、コロナ禍になってからの対応も比較的スムーズだったように思います。
持株会社体制への移行を検討。
銀行を取り巻く環境を端的に言うと、従来の銀行業務はなくなりはしないと思いますが、これまで通りとはいかないでしょう。ただ、規制緩和がこれからも少しずつ進んでいく中で、お客様や地域に貢献できる手段は増えていくと思います。
個人、法人それぞれにありますが、例えば法人向けで言いますと、先ほど申しました経営層の人材紹介であったり、人事コンサルティング・DXコンサルティングなどお客様が抱える様々な課題に対してソリューションを提供していくことです。
あくまでお客様の課題ありきですが、環境変化に柔軟に対応できる持続可能なビジネスモデルを確立し、金融を中心とした総合サービス業へ進化し、地域社会への持続的な発展に貢献していきたいと考えています。
当行グループにないものを補完してくれる人財を求める。
変化へのスピードが重要ですので、専門人財を中心に外部から即戦力人財の採用を積極的に行っています。当面は外部からの採用に力を入れながら、中長期的にはプロパーの方でも志向があれば、数を増やしていきたいと思っています。
ただ、やはりベースは、地域への想い、地域への愛着を持っているか、ということです。いくら専門性が高くても地域への想いや愛着がない方は我々が求めている人財ではありません。
地域のお客様のあらゆる課題と向き合い、そこから逃げずに「なんとしてもその課題を解決するぞ」という気持ちや姿勢が大事です。なぜなら地域の発展なくして我々の発展もないのですから。