2023.11.15
部活はどう変わる?保護者のかかわり方は?宮城県における運動部の地域移行の現状
こんにちは。リージョナルキャリア宮城のコンサルタント、菅原です。
私は学生時代からスポーツをしており、中学校・高校では学校の運動部に所属していました。
「放課後はもちろん、土日・祝日も部活動に行くのが当たり前」という日々を過ごしていたのですが、時代の移り変わりと共に、部活動の在り方が変化してきているようです。
そこで今回は「運動部の地域移行」について、宮城県の現状をお伝えしたいと思います。
運動部活動の地域移行とは
この取り組みは、スポーツ庁が推進する以下のような取り組みです。
令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図ること等を踏まえ、運動部活動の地域への移行を着実に実施するとともに、地域におけるスポーツ環境を整備し、子供たちがそれぞれに適した環境でスポーツに親しめる社会を構築することを目的として、運動部活動の地域における受け皿の整備方策等について検討する。
(引用:スポーツ庁HP「運動部活動の地域移行について」より ※最終閲覧日:2023年11月15日)
私は30代半ばですが、中高生の頃は学校教諭が部活動の顧問を担当してくれていました。
強豪の部活動だと、OBがコーチとしてついてくれるところもあったようですが、基本的には学校に所属する人員で部の運営や指導を担っていました。
冒頭記載していた通り「土日・祝日」も活動していたので、今思うと休みの日にも関わらず指導してくれていた顧問の先生たちには頭が下がる思いです。
上記の地域移行が実現すると、学校という垣根を越えて、地域のスポーツクラブや民間事業者、外部団体が受け皿となり指導をしていくことになります。
つまり、複数の学校の生徒同士が一緒に練習を行う、という形態になるようです。
現在は移行検討期間。県内では先行しているエリアも
宮城県としては2023年度を、課題などを協議する検討期間として定めていますが、一部エリアでは先行して取り組んでいる学校もあるようです。
岩沼市の4つの中学校では、2023年10月から「陸上・卓球・バドミントン」の3種目で段階的に休日の部活動を移行しています。
エリアごとに取組み方や方向性を模索しているようで、学識経験者やPTA、学校教諭などさまざまな立場の方を集めて協議会を設置する市もあるようです。
(参照)岩沼市HP「令和5年度岩沼市における休日の部活動の段階的な地域移行実施について」、「富谷市の取組み 2023年8月3日部活動の在り方について協議」 ※最終閲覧日:2023年11月15日
なぜ地域移行が必要なのか?
スポーツ庁によると以下の理由からとのことです。
・近年、特に持続可能性という面で厳しさを増しており、中学校生徒数の減少が加速化するなど深刻な少子化が進行。
【生徒数:昭和61年589万人→令和3年296万人に半減、出生数:令和2年84万人】
・競技経験のない教師が指導せざるを得なかったり、休日も含めた運動部活動の指導が求められたりするなど、教師にとって大きな業務負担。
【土日の部活動指導:平成18年度1時間6分→平成28年度2時間9分に倍増】
・地域では、スポーツ団体や指導者等と学校との連携・協働が十分ではない。
(引用:スポーツ庁HP「運動部活動の地域移行について」 ※最終閲覧日:2023年11月15日)
今になって振り返ると、私が学生時代の20年以上前の時点ですら「野球部として活動したいけれど、部員が少なくてチームを組むことができない。大会に出場できない。」という話を聞く機会がありました。
少子高齢化の流れのなかで、競技人口はもちろん、一校・一部活当たりの人数も減っていることは当然のことと言えます。
U・Iターン時に見ておいたほうが良い情報の一つに?
時代の変化とともに、教育現場にも変化が起きています。そして、今回の部活動の地域移行もその一つだと思います。
学校によっては部活動で保護者の協力(送迎など)が必要になることもあります。
スポーツなど部活動に熱中されているお子さんが居るご家庭は、「保護者の活動へのかかわり方」も知ったうえで、お住まいや転職先を考えたほうが良いかもしれません。
部活動の地域移行なども含めて、最新の地域情報を今後もしっかりとキャッチアップし、皆様にお伝えできるように努めていきたいと思います。
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