南条装備工業株式会社
加藤喜博さん(仮名・営業) 38歳
より付加価値の高い製品を扱う、“本物の提案営業”に、地元で巡り会えた。
自動車部品メーカーの営業として活躍していた、岡山出身の加藤さん。実績を買われ、27歳のとき、ほとんど未開拓だった関東市場に単身で乗り込み、売上を5倍に伸ばす成果をあげる。
しかし製品コストばかりを優先される点に疑問を感じ『もっと付加価値の高い製品を扱いたい。コストのみで判断されるのではなく、提案力の問われる営業活動を実践したい』と思い始める。
加えて関東勤務が既に10年に及んでいた加藤さんは、長男ということもあって地元の中国地方に戻りたいという気持ちから、転職を決断。現在は故郷に近い広島に移り住み「瀬戸内海の魚は美味しい。野球観戦にもすぐ行ける」と、充実した生活を手に入れたことを喜ぶ。
仕事についても「営業として大きなやりがいを味わっている」と語る加藤さんに、転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2015年6月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで50日間
転職前
- 業種
- 自動車部品メーカー
- 職種
- 営業職
- 業務内容
- 自動車メーカーに対する外装部品の提案営業
転職後
- 業種
- 自動車部品メーカー
- 職種
- 営業職
- 業務内容
- 自動車メーカーに対する樹脂部品の提案営業
コスト優先の製品の営業には、先がない。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
自動車メーカーに対して、樹脂部品の提案営業を行っています。私たちが提供するのは、ドアやシートの内装部品で、一般の人々が頻繁に目にするものであり、機能はもちろん高いデザイン性も求められるものです。
入社前のご経歴を教えてください。
関東の大学を卒業後、故郷の岡山で自動車外装部品メーカーに入社、一貫して営業を担当しました。大手メーカーを顧客に持っていた時、クルマのモデルチェンジのタイミングで取引を大幅に拡大することに成功。その実績が認められ、27歳の時、ほとんど未開拓だった関東市場に単身で乗り込むことになりました。
関東でも、大手メーカーを最重点顧客として提案活動を展開。赴任して10年で、取引額を5倍に拡大することができました。言わば、外部から来た”外様”のような状況でしたが、確固たる地歩を築くことができたのは、大きな自信につながりました。
転職のきっかけは?
最も大きかったのは『今の仕事でできることはすべてやり切った。もっといろいろな挑戦をしてみたい』という気持ちでした。自動車部品業界の競争は激しく、コスト優先で勝負することが多いです。もちろんコストは重要ですが、それだけでは提案営業をしている意味はありません。顧客に付加価値を提供できる製品を取り扱いたいと思いました。
また、私は長男なので、そろそろ地元近くに戻りたいとも考えていました。妻とは関東で働いていたときに結婚しましたが、妻も私と同じく岡山出身で、中国地方に戻ることに異論はありませんでした。
転職活動はどのように進めましたか?
まず自分の希望をしっかり固めました。メーカーであればどんな業界でも良かったのですが、付加価値の高い製品を扱っていることと、高い開発能力を持っていること、この2点にこだわりました。
技術革新の早い業界では、どれだけ高い技術や製品を持っていても、すぐ時代遅れになってしまいます。時代の進化を先取りする意志と能力の有無は重要だと考えました。
そのうえで紹介会社に登録し、複数のオファーを受けましたが、私のこだわりに最も近い案件を紹介してくれたのが、リージョナルキャリア広島でした。コンサルタントは私のエントリーシートに対するアドバイスも丁寧で、相談にもとても親身に乗ってくれました。
今の会社に決めたポイントは?
「付加価値の高い製品を扱っている」「開発能力が高い」という、私のこだわった2つの条件に合致していたからです。コンサルタントから丁寧に企業の紹介を受け、自分でもホームページなどで製品や開発環境を調べた結果、ここなら大丈夫だと確信しました。これまでの経験と知識を活かせるとともに、希望通りの広島での転職となりました。
付加価値と技術力の高いメーカーで、最大限に提案力を発揮。
転職していかがですか?
製造現場で研修を受け、営業部門に正式配属になったところで、本格的な仕事はこれからです。自動車業界の営業は、提案活動を開始してから成果につながるまで1~2年かかるため、焦っていません。この会社では新人ですが、既に一つの製品を任せてもらっています。自分の営業力や提案力を買ってくれていると感じることができ、やりがいを感じています。
また、付加価値の高い製品を扱えるようになったことは、営業としてとても嬉しいです。コスト優先の製品と違い、契約を取れば高い売上や利益を出せます。それによって会社の発展に貢献できるのは、営業の醍醐味の一つです。
転職にあたり、収入は下がりましたが、気にしていません。営業なので、業績を上げれば正当な評価を受けることができます。今の会社はそういう会社だと、事前にコンサルタントから伝えられていたことが実感できます。
困っていることや課題はありますか?
私と妻にとっては故郷に近く、特に課題はありません。ただ子どもにとっては、学校の友だちとの別れが辛かったようです。そこは申し訳なかったですね。しかし広島で、またいい友だちができたようで安心しています。
生活面の変化はありましたか?
改めて「瀬戸内海の魚は美味しいな」と感じます。慣れ親しんだ味なのでそう思うのかもしれませんが、やはり鮮度が違いますね。
また、もともと野球観戦が趣味でしたので、行きたいときにマツダスタジアムに行けるのも嬉しいですね。さらに、気候が温暖で大きな災害も少ないということも、暮らすうえではとてもありがたいと感じます。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職にあたっては、自分が過去にやってきたことや、得意なことをしっかり振り返ることが大切だと思います。営業職だけでなく、事務職や技術職でも、自分がどんな成果を出してきたのか、何ができるのかを明確にすることが、良い転職先を見つけるため不可欠ではないでしょうか。
単に「今の上司と合わない」「会社のやり方が嫌」とネガティブに考えていては、転職はうまくいかないかもしれません。新しい場所で周囲に馴染み、認められるためにも、「自分は何をやってきたか」をしっかりと自覚することが大切だと思います。