転職成功者インタビュー

凸版印刷株式会社
根本翔子さん(仮名・Webサービスプラットフォーム開発) 47歳

多彩な職歴で培ったスキルと人間力。好奇心と繋がりを大切に、沖縄の課題解決に挑む。

コロナ禍の影響による希望退職募集に応じ、2021年6月に前の会社を退職した根本翔子さん。10月には、世界最大規模の総合印刷会社である凸版印刷株式会社の沖縄サテライトオフィスへ再就職を果たした。

「海のそばで働きたい」との夢を叶えるため、大学卒業後に勤めた会社を1年で退職し、沖縄に移住してダイビングショップで働き始めたのが1998年。その後、「これからは技術だ」とIT業界へ飛び込み約20年、スキルを磨き続けてきた。

6回の転職という多彩な職歴に一貫するのは「面白そう!」と感じる心に素直に向き合い、目の前の仕事や人を大切にしてきた姿勢だ。ITを活用して地域の課題解決を目指す今、再就職のきっかけや、キャリアの重ね方について話を聞いた。

※本記事の内容は、2022年8月取材時点の情報に基づき構成しています(凸版印刷 DXデザイン事業部は2023年10月1日に「TOPPANデジタル」に社名が変更となりました)。

過去の
転職回数
6回
活動期間
エントリーから内定まで45日間

転職前

業種
労働者派遣
職種
社内SE
業務内容
システム管理、PCヘルプデスクなどIT全般

転職後

業種
情報コミュニケーション
職種
Webサービスプラットフォーム開発
業務内容
DX推進、業務効率化

きっかけはコロナ禍。希望退職の募集に「まだ何だってやれる!」とチャレンジを決意。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

凸版印刷株式会社のDXデザイン事業部が2021年6月、沖縄IT津梁パーク内に開設した沖縄のサテライトオフィス「ICT KOBO URUMA」に勤務しています。

現在の業務は、人材確保と地域の課題解決に向けた取り組みです。国内外に約160カ所の拠点があり、従業員数5万4千人以上を抱える企業なので、さまざまな技術を有しています。それらを地域課題と結びつけて解決策を探ることが主な仕事です。

入社前の経歴を教えてください。

いろいろな仕事を経験しました。地元・鹿児島から東京の大学に進学し、卒業後は福岡市内のコンサルタント会社のスーパーバイザーを1年間経験した後、沖縄に移住してダイビングショップに勤務。「海のそばで働きたい」という夢があったんです。

その後、英語を使う仕事がしたくて、オーナーが外国人だったインターネットプロバイダーの代理店に転職。そこで「これからは技術だ!」と感じ、システムエンジニアを養成する専門学校に入り、ITスキルを学びました。

その後は、アプリ開発やシステム管理、IT技術者向けの人材育成の仕事に携わってきました。

転職のきっかけは?

前職では6年間、システム管理の仕事をしていました。退職のきっかけは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う業績の傾きです。全社的な給与カットに続き、希望退職の募集がありました。不安はありましたが、希望退職の条件も良かったし、「まだ何だってやれる!」と思ったのです。

転職は6回経験していますが、嫌で辞めたことは一度もありません。その時々にきっかけがあって、毎回ステップアップだと感じて進んできました。

転職活動はどのように進めましたか?

2021年6月に退職し、そこから再就職活動をスタートして10月に再就職しました。元同僚から「こんなサイトがあるよ」とリージョナルキャリア沖縄(運営:株式会社レキサン)を教えてもらい、エントリーしました。他にも2社ほど登録しましたが、すぐに連絡をくださったのはリージョナルキャリア沖縄だけでした。

再就職が成功したのは、担当コンサルタントのおかげだと感謝しています。とても丁寧に話を聞いてくださり、自分で気づいていなかった強みや長所を引き出してもらいました。5、6社ほどご紹介いただき、また知人や元上司からも声をかけてもらえ、最終的には5社の採用担当者とお会いしました。

今の会社に決めたポイントは?

現時点で沖縄オフィスは5人ですが、面接時は4人でした。ただ、オフィスがとても広く、30人ぐらい働けそうな空間を見て、「これから事業を広げていく」という本気度を感じました。それなら将来的には人材育成面でお役に立てるのでないか、との思いもありました。

待遇も良かったです。沖縄に拠点を置く県外企業の多くは、少しでも人件費や運営費を抑えようとする傾向がありますが、凸版印刷は東京と同じ給与体系。その企業姿勢も決め手となりました。

「面白そう!」「今だ!」の気持ちを大切に。目の前の仕事を大切に進めば何かに繋がる。

転職して良かったと思うことは?

優秀な仲間に囲まれて仕事ができることです。私自身まだまだ知らないことが多く、学ぶことが多いですね。

弊社の沖縄オフィスが目指すのは、地域の課題を解決するソリューションを開発すること。沖縄は離島県です。そして島国は世界中にたくさんあります。島嶼地域に共通する課題解決のソリューションを沖縄から生み出し、世界規模の販売力を生かして広げていくことが目標です。

また、「凸版印刷」として仕事をしていると「大手が成果を上げにきている」との印象を持たれがちです。しかし、私たちは地元と長く続く関係性を構築し、一緒に何かを生み出したいと考えています。その思いをきちんと伝えるよう心掛けています。現場で話を聞き、「こんなのサービスがあったらいいよね」と話し合い、要望と技術を重ねながらみんなで良いものを生み出していきたいです。

困っていることや課題はありますか?

私自身の技術不足です。前職もIT関係でしたが、システム開発自体はブランクがあります。変化のスピードが早い業界なので、常に勉強し続けなければいけません。5人で地域課題に向き合い、開発しながら日々の業務も回していくとなると、一人一人の力が求められるので身が引き締まる思いです。

生活面の変化はありましたか?

沖縄生活が22年を過ぎ、故郷の鹿児島より長く暮らしています。居心地がいいんでしょうね。10年前にアメリカ出身のパートナーと出会い結婚しました。趣味はキャンプで20年近く続けています。テントをベースに素潜りしたり、山登りしたり、美味しいモノ作って食べて飲んでというのが一番の楽しみですね。

もう一つの趣味は、着物の着付けです。祖母から着物を譲ってもらったことをきっかけに15年ほど前に習い始めました。今は着付師として成人式や結婚式の着付けを手伝うこともあります。

転職を考えている方にアドバイスをお願いします。

私は「面白そう!」と感じる道を歩んできました。どんな仕事もポジティブに取り組めば、力がつくと信じています。挑戦すればキツイこともありますが、目の前の仕事・ヒトを大切にしていたら、何かに繋がっていくと感じています。

一方で、「今だ!」と思ったときがチャンスだとも思います。「辞めたいけど不安だし…」なんてウジウジするぐらいなら、まずは自分の価値を見極めるためにも転職活動をお勧めします。学べることはきっとあります。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
玉城 良樹

お話した瞬間からバイタリティやコミュニケーション力を感じました。エンジニアになる前は、ダイビングインストラクター等の職種を経験されたことで、魅力が磨かれていったのかと思います。

人を大切に思う気持ちも印象的で、他者へ何かを伝えることで成長の手助けをしたいという気持ちが伝わってきました。組織にとって価値ある人材だと感じ、「枠にとらわれずに可能性を広げてお手伝いしたい」と思ったことが強く記憶に残っています。

凸版印刷社は当時、沖縄に拠点を開設したばかりで、沖縄でのプロジェクト開拓や認知度向上を進めるタイミングでした。基本的には開発エンジニアをご希望されていましたが、根本さんの幅広い可能性をご理解いただき、お引き合わせに至りました。入社後は期待以上にご活躍されているようで、仕事の難易度や引き受ける責任が大きくなりつつも、充実した日々を過ごされているとお伺いしています。

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