大海原を駆ける高品質エンジンに人財力を搭載し、成長速度を加速。
株式会社マキタ
代表取締役社長 槙田 裕
1984年8月20日生まれ
香川県高松市出身。慶応義塾大学大学院 経営管理研究科を修了後、三菱商事株式会社での勤務を経て、2013年4月にマキタ入社。営業部長、常務取締役を経て、2016年6月に代表取締役社長に就任。
※所属・役職等は取材時点のものです。
創業から100年。世界有数の船舶用エンジンメーカーとして。
当社は、船舶用ディーゼルエンジンを手掛けるメーカーです。日本を代表する造船・エンジンメーカーの「三井造船」社との技術提携、世界No.1の「MAN」社のライセンス契約などを保有しています。これら高い技術力への評価を背景に、当社製のエンジンは、世界中の海で航海を支えています。
また、1982年には、現在では世界の主流になっているエンジン形式「L35MC」を世界で初めて世に送り出しました。創業から100年以上になりますが、一貫して「品質」を追求し、「マキタのエンジンは壊れない」という評価を世界中でいただいています。
「攻めるアフターサービス」で海外展開を加速するために。
品質の優位性でお客さまから選ばれてきた当社ですが、今後はアフターサービスを第二の競争力として事業を発展させていきます。もちろん、品質への信頼が当社の基本であることに変わりはありません。一方で、競合企業の中には、アフターサービスの売上が半分を占めるような会社も出てきました。
当社の場合、故障のニーズが出にくいこともあって、売上におけるアフターフォローの割合は、まだまだ少ないのが現状です。しかし、正規品ではないエンジンパーツが出回っている現状において、当社では、品質のよい製品と適正なアフターサービスを提供することで、業界を正しい方向に進めていきたいと考えています。
現在、マキタのエンジンを搭載した船は世界に約1000隻あります。適正なライフサイクルコストを求める顧客からのニーズに応え、高品質に裏付けられた本当に必要なアフターサービスを、お客さまに提供していきます。そのためには、人財の力が不可欠であり、新たに迎え入れた人財にも活躍してもらっています。
可能性を広げてくれる人財を獲得し、事業スピードを加速。
造船業界は、長いお付き合いが基本の業界です。当社も基本的に営業担当者は異動させることなく、顧客と人間関係を構築し、営業活動を行っています。しかし、世界中に顧客が点在し、深い知識と豊富な経験を求められるビジネスシーンにおいて、増え続けるニーズに対応するためには、人財不足感が拭えませんでした。定期的な新卒採用は行っていますが、即戦力となる中途入社の人財への期待は大きくなるばかりです。
そんななか、最近、アフターサービス営業として入社してくれた人財の中には、メーカーにおける海外営業経験があり、語学のスキルを持つ者がいます。彼は、英語・中国語の語学スキルと人間関係構築力を兼ね備えた人物で、中国で暮らした経験もあります。ゆえに中国や台湾におけるビジネスマナーや食事のマナー、付き合い方など、現地の文化や慣習が分かっている心強い存在です。彼の活躍は既存社員にも影響を与えており、世界を視野に入れた取り組みが加速していると感じています。
さまざまな企業の良さを取り入れて、ボトムアップ型の組織へ。
組織が進化していくためには、多彩な価値観や経験が欠かせません。他社での経験を持った人財は不可欠です。ずっと生え抜きだけでやっていると、今以上の会社にならないでしょう。当社ではここ数年、営業担当者だけでなく、生産技術経験者、品質管理経験者、語学に長けたグローバル人財などを採用してきました。そして、彼らは新たな文化を持ち込んでくれています。世の中には、いろいろな会社があって、それぞれに良いところと悪いところがあります。それらを体感した人財に入社してもらったことで、組織が活性化しつつあると感じています。
顧客第一主義は普遍ですが、それを実現するやり方、進め方は時代に応じて変えていく必要があるでしょう。まずは、トップダウンの組織をボトムアップ型の組織に変えていきます。組織変革においても、中途入社の人財は、良い意味での変化をもたらす大切な存在です。彼らが自社の良いところ、悪いところを指摘することで、既存社員に刺激を与えてくれています。
目指すは、一人ひとりが会社の行く末を考えていける組織です。進化のカギを握るのは、間違いなく人財ですから、今後も、育成と採用に一層力を入れ、歴史を持つ企業としての伝統を大切にしながら、新しい進化を生んでいきたいと思います。