転職成功者インタビュー

セイコーエプソン株式会社
戸田浩紀さん(仮名・ソフトウェア開発) 41歳

職住近接を目指した39歳のUターン転職。組み込みソフト開発の専門性で年齢の壁を乗り越える。

神奈川県内にある大手企業の子会社でソフトウェア開発をしていた戸田さん。通勤に満員電車で1時間半かかる現状を変えるべく、39歳にして転職を決意した。勤務地を当時の自宅の近辺にするか、故郷の長野県にするか。どちらにせよ、勤務地と組み込みソフト開発という職種は譲れなかった。

自分が定めた条件と、正面から向き合ってくれる支援会社を探すところから始まった転職活動が、この上もないマッチングで実を結んだのは、偶然か、必然か-。

幸運なタイミングをつかんだように見えても実際は、専門性を身につけた39歳だからこそ実現した転職。その経緯を紹介する。

※本記事の内容は、2018年1月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで82日間

転職前

業種
総合ITソリューション事業
職種
ソフトウェア開発
業務内容
ネットワークセキュリティ、ストレージセキュリテ ィを中心に、関連するソフトウェア開発業務

転職後

業種
精密機器関連メーカー
職種
ソフトウェア開発
業務内容
プリンター事業部でネットワーク機能に関わる部署に所属。特にネットワークセキュリティのソフトウェア開発に従事。

「35歳以上は門前払い」のエージェントもあったなか、職能を評価され採用に。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

プリンターをつくる事業部でネットワーク機能に関わる部署に所属し、主にネットワークセキュリティのソフトウェア開発に携わっています。前職でもネットワークセキュリティ関連のソフト開発を行っていたため、その経験と知識がダイレクトに役立っています。

プリンターについてはほぼ素人なので分からないことが多く、周りの人に教えてもらうことも多い状況ですが、ネットワークセキュリティに関しては得意分野なので、その強みを活かして、円滑に仕事を進めることができていると感じます。

入社前のご経歴を教えてください。

長野県で生まれ、地元の高校から広島県の大学に進学。修士課程まで学びました。卒業後、神奈川県川崎市にある大手企業系列のIT企業に就職。電車の自動改札機の製造に約5年携わりました。

その後セキュリティ部門に異動。スマートフォンやカメラに入るSDカードやブルーレイレコーダーなど、組み込み向けのセキュリティソフトの開発に10年ほど従事しました。

転職のきっかけは?

子どもが生まれたことをきっかけに、子育て環境を重視して横浜市から海老名市に転居しました。海老名市は、住む場所としてはとても良いところでしたが、会社までは片道1時間半。日付が変わってから帰宅する日も多く、いつかどうにかしたいと思いつつ、先延ばしになっていました。

それから、仕事が一区切りついたタイミングと、転職するリミットと考えていた39歳という年齢が重なったことがきっかけとなり、転職活動を始めることにしました。

自宅周辺で探すつもりでいましたが、以前から妻とは「将来的には長野に住むのもいいよね」という話をしていたため、長野でも何社か受けてみようと思いました。

転職活動はどのように進めましたか?

ずっとIT系の会社で組み込みソフトの開発を専門にやってきたので、同じ業界、同じ職種での転職しか考えていませんでした。そこで、まずIT系の職種に強い東京の転職エージェントに話を聞きに行ったところ、「都内の求人情報はあるが、東京以外の地域の情報はほとんどない」と言われました。

それならば、地方の転職に強い紹介会社を探そうと活動の幅を広げたところ、銀座で行われていた転職セミナーで、長野に特化した転職支援を行っているリージョナルキャリア長野との出会いがありました。コンサルタントと話した印象が良く、親身になってくれる気持ちも伝わってきて、自分の中で長野への移住の比重が大きくなりました。

39歳という年齢を理由に、あまり真剣に取り合ってくれないエージェントも多いなかで、リージョナルキャリア長野は長野県内の会社を何社か候補に挙げてくれました。その中の一つがセイコーエプソンでした。職種も会社の規模も魅力的に感じ、面接を受けることを決意しました。

家族と過ごす時間が格段に増えて、その尊さを感じる日々。

転職していかがですか?

入社してすぐに自分の専門分野の大きな開発があり、1年間はほぼそこにかかりきりでした。転職してすぐの時期に、自分ができることにひたすら取り組んで過ごせたことは、本当にタイミングが良かったと思います。当時は、前の会社から出向して来ているだけなのかもと思うくらい、違和感なく仕事ができましたから。

転職してからそろそろ2年が経ちますが、周囲の人とのギャップを感じることもなく、穏やかに仕事ができていると思います。

転職して良かったと思うことは?

職種を変えないという希望を叶えつつ、家族との時間を長く取れるようになったことが一番です。以前は、仕事は楽しかったのですが、毎日帰宅時間は遅く、休日出勤もあり、家族との時間が本当にありませんでした。

実は転職後、半年ほど妻が入院したことがありました。その間、小学校3年生の息子との二人暮らしをしたことで、子どもとの距離がとても縮まり、子どもとの時間をもっと大切にしたいという気持ちが、より強くなった気がします。

課題だった通勤時間も車で20分弱。自転車でも通えるくらいなので、通勤は楽になりました。

困っていることや課題はありますか?

生活面では、以前住んでいた街の便利さを思い出して懐かしむことはあります(笑)。自転車で行ける距離に何でもあり、田舎と都会がちょうどよくミックスしたような暮らしやすい環境でしたから。長野ではどこへ行くにも車が必要で、少々広すぎるかな、と感じることもあります。

仕事面では、もっと高いレベルの仕事ができるようになることが課題でしょうか。入社してから2年弱ですが、年齢的には中堅以上です。もっと上のレベルの仕事をしなければいけないなと思っていますが、今はまだ知識不足で、実力が追い付いていない状態です。

入社から数年で管理職になっている転職者もいますので、経歴に関係なくステップアップできる職場だと思っていますが、今は肩書にこだわらず、チームの中での自分のポジションをもう少し上げて、責任ある仕事をしたいと思っています。

生活面の変化はありましたか?

家族との時間がかなり増えました。妻が入院している数カ月、定時に退社して息子を迎えに行き、食事を作って一緒に過ごしたのですが、前の会社ではこんなことは無理だったと思います。

今回は職場の理解もあり、残業ができなくても仕事に支障のないように配慮してもらえたのはありがたかったですね。今は妻も退院して以前の生活に戻りましたが、それでも帰宅はそれほど遅くありません。

水曜日と金曜日は定時退社日になっています。これまでは平日に家族と一緒に夕食が取れるのは一年のうち数日だけでしたので、そこが大きな変化でした。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

「自分はこれができる」というものがあると強いと思います。私の場合は新しい仕事に直結するものでしたが、そうでなくても、「この技術、この知識については詳しい」という核になるものが一つあると、バックボーンがしっかりして、自分の中で不安にならずに済むような気がします。

転職というのは、新しい会社に入るわけですから何も知らないのは当然です。私自身、プリンターのことはまったくわからず、とにかく聞いてまわりました。

しかしながら、中途採用者は新卒とは違います。職場では新人でも、これまでに積み上げてきた経験があるはず。その経験を踏まえて、年齢なりの対応ができると、職場で「役に立っている実感」を持つことができ、新しい環境にうまく入っていけるのではないかと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
渡邉 美和

戸田さんと初めてお会いしたのは、東京・銀座で開催したU・Iターン転職相談会でした。戸田さんは当初、長野に戻るか、当時住まわれていたご自宅から通えるところで転職するか非常に迷われていました。「どちらがいいというわけではないですが、もし長野に戻るのであればこういう生活ができます」と、長野での子育て環境なども交えながら、お話させていただいたことを覚えています。

仕事に関しては、戸田さんのご経験とご希望に合致する企業がまさにセイコーエプソン社でしたので、迷わずご紹介させていただきました。環境の違いなど大変なこともあるなかで、ご家族との時間を大切にしながら頑張っていらっしゃることをお聞きし、とても嬉しく思っています。

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