株式会社伊澤技術研究所
李 欣さん(仮名・受注管理担当) 31歳
中国から日本に留学し、就職、結婚、夫の転職。宇都宮で“自分の”仕事と出会うまで。
「中国と日本の架け橋になりたい」と、日本の大学院に留学した李さん。卒業後は希望通り日本の商社に就職し、貿易実務に従事していた。しかし、夫の転職で東京から宇都宮へ移住することに。
「栃木で中国語と日本語と英語を活かした、やりがいのある仕事が見つかるのか」そんな不安のなか中で、腰を据え、長く働ける仕事を探した李さんが出会ったのは、「自分の望みにぴったり」という国際派の実力企業だった。
※本記事の内容は、2017年9月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで324日間
転職前
- 業種
- 商社
- 職種
- 輸入購買
- 業務内容
- 外食産業向けの消耗品・備品商社において、主に中国や東南アジアなどの海外からの購買業務
転職後
- 業種
- 精密機器メーカー
- 職種
- 受注管理、設計
- 業務内容
- 海外も含む取引先からの受注管理、見積り、CADを用いた設計業務
夫の転職が決まり、東京から宇都宮に移住。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
栃木県宇都宮市にある精密工具メーカーで、主として受注業務に携わっています。日本国内だけでなく、アジアの国々との取引も多く、電話やFAX、メールで注文を受け、工場に指示を送ります。技術的な細かい指示も多く、周りの人にフォローしてもらいながら、業務に取り組んでいます。
また、通訳として中国や台湾に出張することもあります。ただ、日常業務では通訳の仕事はそれほど多くなく、基本的には日本語で仕事をしています。
入社前のご経歴を教えてください。
中国・洛陽市の出身で、大学で経済、貿易、日本語を学びました。もともと、日本と中国をつなぐ仕事がしたいと考えており、卒業後は中国国内でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを受託する会社に就職。日本企業の経理の仕事をしていました。
そこで1年間働きましたが、日本語を読むことはできても、話すのは苦手なまま。話せるようになるためには、やはり日本へ行くしかないと思い、日本の大学院に留学することを決めました。
大学院で2年間学び、東京の商社に就職。主に中国から日本への輸入品を取り扱っている会社で、輸入実務や在庫管理の仕事に4年間携わりました。
転職のきっかけは?
夫が宇都宮市の企業に転職を決めたため、私も一緒に移住して、宇都宮で仕事を探すことにしました。夫の転職には賛成でしたが、「馴染みのない土地で、自分が希望する仕事は見つかるのか」という不安はありました。
転職活動はどのように進めましたか?
宇都宮で仕事を探そうとネットを見ているとき、偶然見つけたリージョナルキャリア栃木にエントリー。焦って決めるつもりはなく、いい会社を見つけて、いい仕事をしたいと考えていました。
条件として考えていたのは、中国語と、できれば英語も仕事で使えること。英語は、話すのはあまり得意ではありませんが、読み書きなら仕事に役立てられると思ったからです。そして紹介してもらったのが伊澤技術研究所でした。
今の会社に決めたポイントは?
求人内容と、私が望んでいるものがぴったり一致していたからです。というのも、私は商社で仕事をしてきましたが、仲介役である商社の立場は難しく、直接受発注するメーカーの仕事に魅力を感じていました。そこで、メーカーの仕事をしてみたいと思っていたのです。
社長と工場長、二人と面接しましたが、社長が若く、驚きました。私がそれまで知っていた日本企業の社長の多くは70代でしたから(笑)。30代の社長との面接で、話しやすい雰囲気だった、というのもポイントだったかもしれません。
成長できる仕事内容も、形式にとらわれない社風もぴったり。
転職していかがですか?
入社して間もなく1年になりますが、この会社に転職できて本当に良かったと思っています。人数は少ないですが、仕事に関係のない形式的なルールもなく、実務をきちんとこなせばいいので、ストレスなく仕事ができます。社内に中国人は私一人ですが、周りとも良い人間関係を築けていると思います。
転職して良かったと思うことは?
まず、仕事の内容ですね。やっていることは毎日同じように見えて、やっぱり違う。自分自身の成長を、日々感じることができます。前職を辞めたときは、今のような仕事と出会えるとは思っていませんでした。楽しみながら、日々の業務に取り組んでいます。
夫の転職がなければ、前職を辞めることはなかったかもしれませんが、この転職は自分にとって良い選択だったと思っています。
困っていることや課題はありますか?
仕事の面では、わからないことがあれば上司に相談するので、困っていることはないですね。課題は、製品に関する知識が不十分であること。まだまだ勉強しなければいけないことが、たくさんあります。
日本人の中で中国人が一人という状況は、そもそも自分で選んだことなので、困ったこととは受け止めていません。私は日本で仕事をすることを選びましたし、それが楽しいと感じています。この国で仕事をしていると、日本人と中国人の考え方の違いを感じたり、逆に似ているな、と思うこともあって、面白いですね。
生活面の変化はありましたか?
東京から宇都宮に移り住んで、こちらの方がずっと暮らしやすいと感じます。以前は毎日、片道1時間半の電車通勤で大変でした。今は宇都宮の市街地に住み、郊外にある会社まで車で30~40分。本当に楽です。しばらくは宇都宮に根を下ろして暮らしたいと思っています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
自分のやりたいことは何か、自分ができることは何かを明確にすること。そして、どんな仕事をしたいかを決めてから、探すことが大切だと思います。焦って決めるのではなく、本当に自分に合った仕事に就くことができれば、長く続けられると思います。
私の場合は、リージョナルキャリア栃木のコンサルタントから、「どんな仕事をしたいですか」「自分ができることはなんですか」と聞かれ、考えを整理できました。サポートをお願いして良かったと思っています。