転職成功者インタビュー

株式会社再春館安心安全研究所
長崎望さん(事業開発) 31歳

豊かに暮らせる環境。だからこそ生まれる成果やビジネスがきっとある!

東京本社の大手企業に勤めていた長崎さん。メガソーラーの開発や電力小売事業の立ち上げプロジェクトで大活躍。そんな華々しい仕事の裏で、体と心は知らず知らずに疲弊しきっていた。始発で出社し、終電で帰宅する日々。休日に子どもを連れて出かければ、どこも大混雑で、かえって消耗・・・。

そんなあるとき、妻の実家がある熊本で、忘れられない風景と出会った。夏の青空のもと、遊び疲れた子どもたちが縁側で眠っていた光景である。「その風景を見たときに、ビビッと感じたんです。豊かさって、こういうことなのかなと・・・」と長崎さんは振り返る。

それをきっかけに熊本への移住を決断。新天地として選んだのは、小さいながらも将来性を感じられた会社。「地方だからこそできるビジネスを創り出して、U・Iターン者の受け皿になりたい」と新しい夢も見つけ、奔走している。

※本記事の内容は、2017年1月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで407日間

転職前

業種
自然エネルギー発電
職種
新規事業開発
業務内容
自然エネルギー発電所の開発業務や新規事業である電力小売り事業の立ち上げ。

転職後

業種
水質や大気などの検査・分析
職種
新規事業開発
業務内容
新規事業開発

東京で働き続ける意味を自問自答。「ないのなら、好きなように生きたい」

現在のお仕事はどんな内容ですか?

当社は、地下水や河川の水質、土壌の有害物質、食品の栄養成分や有害成分などを検査している会社です。私は事業企画部で、新規事業の立ち上げや、経営業務全般に携わっています。

割合的には経営業務が7割ほどで、経営責任を持つ常務の補佐役として、人事評価制度の策定から中期経営計画の立案まで、幅広く担当しています。

入社前のご経歴を教えてください。

新卒で大手家電メーカーに就職。希望通り太陽光発電事業に配属となり、熊本で勤務しました。東日本大震災後は自然エネルギーが注目され、太陽光発電も飛ぶように売れるようになりました。

その後、孫正義さんに興味を持ち、ソフトバンク系列のエネルギー会社に転職。メガソーラーの開発や、電力小売事業の立ち上げに参加し、メガソーラーを設置するための土地探しや、地主との交渉などを担当しました。

電力小売事業では、事業を始めるにあたっての諸手続きから、営業マニュアルの作成、全国にいる営業スタッフの勉強、実際の営業現場のクロージングまで任されていました。

転職のきっかけは?

妻の故郷が熊本だったことです。東京で働いていたのですが、年に2回は熊本へ帰省していました。そんなある日、農家レストランへ食事に行った際にビビッときたのです。遊び疲れた子どもたちが、縁側で気持ちよさそうに寝ているのを見たときに、「これが本当の豊かさなのではないか」と。見上げたらすごくきれいな夏の青空が広がっていて、あの風景は忘れられません。

その当時、私は多忙な生活を送っていました。始発で会社に行き、帰りはいつも終電かタクシー。子どもたちにもほとんど会えませんでした。仕事自体は張り合いがあって楽しかったのですが、ずっとこれを続けられるのかなと、思うこともありました。

そんななか、関わっていたプロジェクトに目途が付き、次のステージについて考えました。「自分が東京にいる意味は?」と自問自答したとき、出てきた答えは「あまりない、それなら好きなように生きたい」というものでした。

そして頭に浮かんだのは、縁側のあの風景。人間らしい環境だからこそ、仕事面でもいい成果が出るのではないか。そう思い、熊本への移住を本気で考えるようになりました。

転職活動はどのように進めましたか?

まずはネットで「熊本×転職」で検索してみました。大手の転職サイトの求人情報も検索してみましたが、地元の情報が少なく、業種が限られていたためあまり興味がわきませんでした。

そんななかで、私の心に刺さったのが、リージョナルキャリア熊本でした。熊本の企業に特化し、U・Iターン転職を支援しているところが、「とんがっていて面白い」と思いました。すぐにメールを送り、熊本に帰省するタイミングでコンサルタントと会いました。

コンサルタントは「熊本には小さいけど面白い会社があるから、まずは経営者と食事でもしながら気楽に話しませんか?」という提案をしてくれました。その後、何社か紹介してもらい、そのなかに今の会社がありました。コンサルタントと会ってから半年ほど経った頃だったと記憶しています。

まずは常務と会ってフランクにいろいろな話をさせてもらい、次に熊本本社で面接を受け、無事に内定、入社となりました。

今の会社に決めたポイントは?

検査というビジネスにも興味がありましたし、自分の力を試したいと思ったのも、大きなポイントでしたね。「まだ小さい会社だけど、自分の力で大きくできるかもしれない」そこにロマンを感じました。

規模が小さいぶん、自由度も大きいですからね。年収は3分の2になる見込みでしたが、現地で生活していくには十分で、そこにこだわりはありませんでした。

通勤の楽さに感動!休日もしっかりリフレッシュでき、ストレスから卒業。

転職していかがですか?

本当に面白いと感じています。会社が考えていることが見え、経営の教科書に書かれていそうなことを実際に経験できることは、今後の人生に大きく活きてくると思います。また、会社の規模に関係なく、多様なお客さまと仕事ができることも魅力です。

仕事の範囲はとても広く、売上を増やすための戦略立案から実際の営業、人事方針の調整や損益の算出、会社の草むしり(笑)まで。なんでもやらなければなりませんが、大変だとは思いません。確かにプレッシャーはありますが、すべては自分次第なので、面白いですよ。

また、社員同士やお客さまとのつながりが密だと思います。取引先を招いてのイベントも多いのですが、その準備も社員がするので、最初は驚きました。とんでもなく重い鉄板を運んだり(笑)。好き嫌いはあると思いますが、私には合っていると感じています。

転職して良かったと思うことは?

一つは、生活環境が良くなったこと。もう一つは、自分自身が選んだという納得感があるので、仕事面でのコミット力が上がったこと。退路を断ったといいますか、自分で選んだ道なので不満がないんですよね。もし何か不満があったとしても、「解決するために、自分は何をするのか?」と、主体性をもって、自分で解決策を考えることができます。

また、新しい夢もできました。それは、あのとき感じた縁側の風景、つまり豊かな生活と仕事を両立させる、という夢です。確かに地方は、東京に比べると仕事は少ないですが、それでも地方で働きたいと思っている人は多いと思うんです。そういう人たちの受け皿になれればいいなと思っています。地方だからこそできるビジネスを、ぜひ創っていきたいですね。

困っていることや課題はありますか?

大きな問題はないですね。車通勤なので飲みに行くことも少ないですし、昼食も社員食堂があるので、財布を開く機会が激減しました。また、実家の両親が子どもの世話をしてくれるので、妻も働き始めました。給与は減りましたが、生活はまったく問題ありません。

しいて言えば、情報が少なくなったことでしょうか。やはり最新の情報は東京の方が圧倒的に多く、セミナーなどにしても、こちらでは無いに等しい。だからこそ、自分で情報発信の場を提供できたらいいなと思っています。

先日、転職をサポートしてくれたコンサルタントから依頼され、勉強会の講師を務めました。東京で学んだことを、熊本の若手ビジネスマンに発信する機会でした。「受け身だと課題も多いが、自分が行動すれば解決できる!」が地方での生き方かもしれませんね。

生活面の変化はありましたか?

自動車通勤になって劇的に楽になりました。駅まで歩かなくていい、満員電車に乗らなくてもいいというのは、本当に楽です。

以前は通勤だけで体力を削られ、かなり疲れていました。今も通勤にかかる時間は変わらないのですが、絶対に座れるし、人に気を遣う必要もない。「車通勤ってこんなにええんか!」と感動しました(笑)。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

今はすごく流動的な時代。「自分に合わない」と思う仕事を、ずっと続ける必要はないのではないでしょうか。迷っているくらいなら、転職したほうがいいと思います。ですから、まずは行動してみることをおすすめしたいです。

行動すれば、今の自分が置かれている状況を客観視できるようになります。確かに、行動には失敗のリスクがあるかもしれません。でも、「違う」と思ったらまた行動すればいい。大切なのは、自分がそこで働く意味を考えることだと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
桝永 健夫

長崎さんと出会ってから転職先が決まるまで、1年以上のお付き合いでした。初回面談では、予定時間を大幅に超えて盛り上がった記憶があります。

転職希望時期がすぐではないことや、転職か独立か迷っていらっしゃることなどの相談を受け、熊本でのあらゆる可能性について意見交換をさせていただきました。

入社後の活躍は目覚ましく、入社1年ながら社内では誰もが知っている有名人。先日も弊社が主催する勉強会で講師を引き受けていただき、熊本の若手ビジネスマンに良い刺激を与えていただきました。都会で身に付けたスキルを地方で活かす、まさに理想的なIターン転職成功者だと思います。

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