四国化成工業株式会社
竹内圭太さん(仮名・品質管理) 33歳
新分野への挑戦と地元への想いを両立。化学品メーカーで拓けた新たなキャリア。
ジェネリック医薬品メーカーの厳しい品質基準のもとで品質保証を経験してきた竹内さん。自分のスキルを活かして新たな分野に挑戦したいという強い志と、家族の近くで働きたいという想いから地元徳島へのUターン転職を決意する。
転職先に選んだのは、地元徳島に拠点を持つ四国化成工業。そこで新たに任されたのは、化学材料の品質管理業務だった。
医薬品業界で培った厳密な品質保証の知識を活かしながら、新たな挑戦に奮闘する竹内さんから、Uターン転職の経緯や仕事の魅力を伺った。
※本記事の内容は、2025年1月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで129日間
転職前
- 業種
- 医薬品メーカー
- 職種
- 品質管理、品質保証
- 業務内容
- 原料試験や洗浄バリデーションなどの品質管理、およびGMP出荷判定や製造現場巡視などの品質保証業務
転職後
- 業種
- 化学品メーカー
- 職種
- 品質管理
- 業務内容
- 電子機器や自動車向けの高機能接着剤、および半導体プロセス材料に使用される原料の品質管理業務
未経験の業界へ、コンサルタントの熱意に心を動かされて挑戦を決意。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
現在は四国化成工業の品質管理課で「機能材料」の品質管理を担当しています。機能材料は、スマートフォンや自動車などの接着剤、半導体原料などに使われており、技術革新を支える重要な材料です。それだけに品質への要求が高く、常に細心の注意を払って業務を進めています。
主な業務は、原料購入先からの依頼に応えることです。依頼内容は多岐にわたり、製品の特性試験や不具合発生時の対応まで含まれます。
また、工場内で問題が発生した際には、原因を突き止め、再発防止のための改善策を提案する会議を定期的に開催しています。こうした問題解決の場では、他部署と連携しながら議論を深めるので、チームワークも求められます。
さらに、最近は監査業務にも取り組んでいます。これは製品の品質を保証するため、お客さまの立場で現場を確認する大事な仕事です。こうした経験を通じて自分の視野が広がり、新たなスキルが身に付いているのを感じています。
入社前のご経歴を教えてください。
中国地方にあるジェネリック医薬品メーカーで品質管理や品質保証の仕事をしていました。医薬品業界は品質基準が非常に厳しく、異物混入や規格外品は絶対に許されません。そのため、製品の試験や検査を徹底的に行い、出荷の可否を慎重に判断していました。
派遣社員としてキャリアをスタートしましたが、努力が認められて正社員登用されたことは、今でも自信につながっています。地元を離れて一人暮らしをしながら、社会人としての基礎を身に付けることができました。
転職のきっかけは?
前職の業績悪化により将来に対して不安を感じたことです。社内の空気も重く、「これから先どうなるのだろう」と漠然とした不安を抱えていました。
前職では良い仲間に囲まれており、働く環境はとても良かったのですが、この先も安定してキャリアを積んでいきたいと考えて転職を検討しました。
その際に、重視したのは「仕事へのやりがい」です。当時もやりがいを感じていたので、医薬品業界で学んだことを活かしつつ、これまでにない新たな挑戦ができる環境を探しました。
同時に、「転職をするのであれば、地元に戻りたい」と考えるようになりました。親も年齢を重ねており、将来的な支援のことも考えて地元徳島での転職を真剣に検討し始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
転職活動では複数の転職サービスを利用しましたが、その中でもリージョナルキャリア徳島の担当コンサルタントのサポートが非常に印象的でした。単に求人を紹介するだけでなく、私の経歴や希望に合った会社を丁寧に提案してくれたのです。
転職活動をはじめた当初は製薬会社を中心に検討していましたが、担当コンサルタントは、意外にも化学メーカーである四国化成工業について熱心に説明してくださり、心を打たれたのを記憶しています。
「そんなに面白い会社があるのか」と、自分で調べていくうちに心が惹かれていきました。工場も徳島にあって、「この環境でなら、やりがいを持って働けるかもしれない」とワクワクし、最終的には四国化成工業一社に絞って転職活動をしようと思えるほど志望度が高まりました。
今の会社に決めたポイントは?
四国化成工業を紹介されてから、毎日のように企業ホームページを隅々までチェックしました。その中で同社の長期ビジョンである「Challenge 1000」を目にしたのですが、方針や想いに強く共感しました。
同社が2030年にありたい姿として、社会やステークホルダーにどのような価値を提供するか、売上や営業利益といった財務目標、その実現のためにどういった戦略を実行していくかという道筋が明確に示されており、「経験を活かして、このビジョン実現に向けて貢献したい!」という想いが芽生えました。
また、これまで品質基準の厳しい医薬品業界で経験したことは、他の業種においても今後必要とされるのではと感じていました。そこで同じ医薬品業界への転職よりも、異なる業界で必要とされる人材として寄与し、新たにやりがいを見出したいと考えました。
さらに、面接で話した課長の人柄にも惹かれました。厳しさの中にも温かみやユーモアがあり、「この人のもとで働きたい」と心から思えたのです。工場見学もさせてもらい、社員の仕事に対する誠実さや挑戦的な姿勢が垣間見られて、自然と魅了されていきました。
新たな業務と充実した職場環境で得られた「達成感」と「充実感」。
転職していかがですか?
入社して半年以上が経ちますが、毎日が新しい発見の連続です。前職で培ったスキルを活かせる場面もありますが、四国化成工業ではそれ以上に幅広い業務に挑戦できています。
例えば、現在は環境分析という業務を任されていますが、これは工場から排出される有害物質が基準値を超えないよう管理する仕事で、責任は重大です。前職とはまったく異なる領域なので、毎日必死に知識を身につけるなど大変な面はありましたが、やりがいを感じています。
また、上司や先輩からの教育指導が非常に丁寧で、不慣れで困った際には助けてもらえて、本当にありがたい環境だと感じています。同期の中途入社者も数名おり、一緒に食事に行ける仲間がいることにも感謝しています。
転職して良かったと思うことは?
やりたいことにチャレンジさせてくれる風土があることです。化学メーカーは医薬品業界ほど品質基準が厳しくはないイメージがありますが、実際は使用する薬品管理や原材料に関する法規制など、求められる品質基準は厳しくなっています。
いま取り組みたいテーマの一つとして、適切な薬品管理システムやプロセスを現場で実現するための方法を模索しています。
特に、四国化成工業では最先端の半導体業界や新しい市場からの要求に応えるために、世界レベルでの厳密な品質管理が必要になります。そういった高付加価値製品の品質確保に積極的に取り組みたいと考えています。
時折、社内でも「品質管理基準が厳しすぎる」という声を聞くこともありますが(笑)、上司からしっかり評価・期待されていることも伝わってくるので、モチベーションはあがっています。企業としての信頼性をさらに向上させていきたいです。
また、転職して年収が100万円以上アップしたことも嬉しいです。四国化成工業は業績も安定しており、賞与もしっかり支給されるので日々の仕事のモチベーションも高まりますし、将来的な生活に対する不安もなくなりました。
困っていることや課題はありますか?
仕事で困っていることは特にありません。強いて言うならば、通勤時間が以前よりも長くなったことでしょうか。
前職は自宅と職場までの距離が車で15分程度でしたので、多少寝坊しても間に合ったのですが、今では片道1時間ほどかかってしまうため、朝は余裕を持って起きるようになりました。生活に慣れるまでは少し大変でしたね。
また、残業もありますが強制されるわけではなく、業務の中で区切りをつければ自分のタイミングで帰れます。残業した分は手当が付きますし、仕事自体にやりがいを感じているので苦ではありません。
生活面での変化はありましたか?
生活面では、地元にUターンしたことで大きな変化がありました。まずは、実家に戻ったことで家族をサポートしやすくなりました。以前は身内に何かあってもすぐに駆けつけることが難しく、もどかしさを感じていましたが、今ではそうした心配がなくなりました。
休日の過ごし方も変わりましたね。以前は一人暮らしだったので、外に出る機会を作ることで気分転換を図っていましたが、今は家で過ごす時間が増えました。リビングで家族と話したり、一緒に食事をしたりと、以前では考えられなかった時間を過ごせています。
また、一度県外に出たからこそ、地元の魅力にあらためて気づけたこともたくさんあります。以前までは、徳島に戻ることなんて一切考えていなかったのですが、やはり年齢やキャリアを積み重ねると考えも変わってくるんだと自分でも不思議な感じがしますね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
もし、今の仕事に違和感を抱えていたり、自分の理想と掛け離れていると感じている場合は、無理に頑張ろうとするのではなく、自分の「直感」を信じて行動してほしいです。
自分の気持ちに正直になって行動をしていれば、リージョナルキャリア徳島のコンサルタントのようにサポートしてくれる方が現れて、いろいろな情報や転職先を紹介してもらえるので、そこで自分に合った仕事を選べば良いと思います。
もちろん、自分の直感を確かめるためには、「本当にここで大丈夫か?」という視点で会社のビジョンや価値観を隅々まで確認することが重要ですが、まずは一歩を踏み出してください。