株式会社フレームワークス
原田 陸さん(仮名・システムエンジニア) 41歳
社会的意義の高い物流DXに携わる誇りとやりがい。「満足度100%」のUターン転職。
「入社して2年半経ちましたが、転職満足度は100%です」と笑う原田さん。静岡県焼津市出身で、高校卒業後は神奈川の大学に進学。そこでシステム開発に興味を持ち、新卒で東京都内のSIerに入社した。そして金融機関や大学のWEB系システムの開発に携わり11年経験を積む。
その後は保険会社の社内SEとなり、発注側としての経験を経てフリーランスへ転身。しかし次第にフリーランスというスタイルが自分に合っていないと感じるようになり、同時に「のびのびと暮らせる地元静岡に戻りたい」という想いが溢れ出したという。
そして約20年という長い年月を過ごした東京に別れを告げ、地元へ戻ることを決意した原田さんのUターン転職活動について詳しく伺った。
※本記事の内容は、2024年7月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで50日間
転職前
- 業種
- フリーランス
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- システムのリリース支援や改善
転職後
- 業種
- 物流系SIer
- 職種
- プロジェクトリーダー
- 業務内容
- 倉庫管理システム(WMS)の導入におけるPL(要件定義やシステム設計から開発・テスト、保守まで)
静岡出身の自分には、東京を終の住処として考えられなかった。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
株式会社フレームワークスは、WMSという物流のためのシステムを提供している会社です。様々なジャンルのメーカーや小売店、3PLと呼ばれる発送委託業者の物流倉庫内で使われており、注文内容の確認から出荷データ管理、在庫管理、さらにロボット操作まで担うことができます。
当社は物流システム業界において老舗的な立場であり、取引先には大手企業が多く名を連ねています。私は入社して2年半ほどになりますが、静岡支店に所属して、プロジェクトリーダーを務めています。
クライアントからWMS導入の依頼があると、プロジェクトを立ち上げてメンバーを決め、システムの仕様検討、コーディング、テストという流れで進めていくのですが、私は現場の設計図作成からメンバーへの指示、そしてサービスイン後の保守まで全フェーズに携わっています。
入社前のご経歴を教えてください。
静岡県焼津市の出身で、高校卒業後は神奈川県にある大学に進学しました。大学での専攻は経営情報学科でしたがシステム系の知識も学べたため、そこでプログラミングに興味を持ちました。
卒業後はシステム系の仕事がしたいと考え、新卒でSIerに入社しました。勤務先は都内で、プログラマーそしてSEとして、金融機関やメーカー、大学など様々な客先で、時には常駐しながらWeb系システムの開発の上流から下流まで携わりました。
11年ほど勤務し、プロジェクトリーダーとしてマネジメントも経験しました。その後転職して、保険会社に社内SEとして入社。今度はシステムを発注する側となり、自社システムの要件定義、ベンダー管理、スケジュール管理、運用保守などを担当し、5年ほど勤務しました。
その後はフリーランスに転身。SIerで働いていた時の繋がりから紹介してもらったシステムのリリース支援や改善の仕事を請け負っていました。
転職のきっかけは?
40歳前後で、「このまま東京で老後を迎えるのはどうなのだろう」と考えたことです。上京してからずっと、いつかは生まれ故郷に帰りたいという想いがありました。
それが具体的にいつなのかを今一度考えて、定年する頃も候補として考えましたが、その頃に生活環境を変えるのは大変そうだと感じました。フリーランスになったのはなんとなくの流れで、ずっと続けようとは思っていませんでした。
だから今というタイミングに転職とセットで地元に戻れたらいいと考えたんです。東京は、仕事をする分には不自由がありませんが、「終の住処」としては考えられなかったですね。私にとって東京は窮屈に感じていたので、もっと、のびのび暮らしたいと思いました。
転職活動はどのように進めましたか?
まずは某大手転職サイトと静岡エリアに強いと書かれていたリージョナルキャリア静岡(運営:株式会社リンク・アンビション)の二つにエントリーしました。リージョナルキャリア静岡は、エントリー後すぐに担当コンサルタントの溝口さんから連絡があり、Web面談をしたところ非常に親身になって相談に乗ってくれました。
某大手転職サイトの担当者にも、静岡へUターンしたいという希望は伝えていたので、現地の情報から提案をしてくれました。とにかく静岡に戻って自分にマッチする会社に巡り合うことを優先したいと考えていたため、二社で並行して転職活動を進めました。
最終的にリージョナルキャリア静岡から紹介されたフレームワークスに魅力を感じ、入社を決めました。転職活動中は担当コンサルタントの溝口さんがこまめに連絡をくださったので、心強かったですね。メールの返信もいつも早く、進行も非常にスムーズで、感謝しかないです。
今の会社に決めたポイントは?
採用面談では人事担当者や営業部、そして現在の上司にあたる方たちと話をしましたが、皆とても話がしやすくて、「たぶん自分はこの会社に合っているんだろうな」と思いました。
次の面談の決定スピードなども早くて良かったです。それから、会社に関して良いことも悪いことも、率直に教えてくれたのも好印象でした。そのため入ってからのギャップがほぼありませんでした。
また実際に入社してからも、会社の雰囲気がすごく良いと感じました。静岡という地域性なのか当社の傾向なのか、穏やかでいい人ばかりです。
大手企業ならではの、システム規模の大きさも魅力。難易度は高いがやりがいを感じる。
転職していかがですか?
嘘っぽく聞こえるかもしれませんが(笑)、転職満足度はほぼ100%です。入社して2年半経ちますが、今も評価は変わりません。
仕事面で満足しているポイントの一つが、クライアントと直接やりとりできるところです。システム開発の仕事はクライアントとの間に会社を挟むこともあるのですが、それに比べると格段に仕事が進めやすく、経験としてもプラスになると感じています。
特にやりがいを感じているのは、大手クライアントが多く、取り扱っているシステムの規模が大きいところ。難易度が高いため苦労も多いですが、きちんとリリースできて感謝の言葉をいただいたときには、やってよかったと思いますね。
また、昨今物流業界は人手不足ですが、物量自体は増えています。そのため物流DXや機械の導入、システムの改善などを通して物流の少人化や効率化に貢献できるのは社会的意義があり、その一端を担えることは私にとっても誇りです。
物流という業界は初めてですが、ITという大きなくくりで見れば、ベースの部分などに前職の知識は活かせていると感じます。以前の職場でプロジェクトマネージャーなどの管理者も経験しましたが、マネジメントは業界に関わらず経験を活かせています。
転職して良かったと思うことは?
以前の職場に比べると、生活スタイルも今の方が遥かに良いと感じています。前職、前々職は完全に仕事中心で、深夜まで働いて日にちが変わった頃に家にたどり着く、なんてこともよくありました。東京という地域性もあったのかもしれません。
現在のワークスタイルは半分出社、半分テレワークでちょうどいいバランス。テレワークは通勤時間がかからず、時間を有効利用できるのがいいですね。しかも手当も付きます。
出社日は火曜と木曜に決まっており、勤務時間は8時50分から17時50までですが、ほぼ定時で帰宅できています。たまに残業があっても30分から1時間くらいですね。
困っていることや課題はありますか?
仕事で困っていることは特にありません。ただ、前職と同じシステム系ではありますが、物流関係の仕事は初めてなので、細かなところはまだまだ学ばなくてはいけないことがたくさんあると感じています。
プライベートでは、東京に住んでいた時に仲良くしていた大学時代の友達と会う機会が減ってしまったので、それが少し寂しく感じることはあります。
生活面での変化はありましたか?
生まれ故郷に戻ってきたので、高校時代の友人関係が復活したのが嬉しいです。地元で飲食店や会社を経営している友人と定期的に飲みに行っています。
20代や30代の頃は相手の状況など細かいことが気になったりしていたのですが、40代になるとそんなことも気にならなくなって(笑)、いい関係を築けています。
それから都内にいた時は散歩が趣味でしたが、静岡に戻ってきて拍車がかかったのか自転車ツーリングにハマっています。先日は6時間かけて焼津から浜松まで走りました。海沿いのコースを選んだのですが、自然が溢れていて、とても気持ちがよかったです。
車の運転も都内ではほとんどしていなかったのですが、静岡に住んでいると運転は不可欠。最近はドライブも楽しんでいます。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
Uターンにはメリットだけではなくて、デメリットもあります。だから事前によく調べて、自分なりによく考えておくことが大事です。そうでないと、「こんなはずじゃなかった」ということになるかもしれません。ミスマッチを防ぐためにも、しっかり情報を整理してから行動することをお勧めします。
私の場合は地元に戻って、自然に囲まれた生活環境を手に入れられることがメリットでした。そして給与面は都内で働いていた時より下がることがわかっていたので、そこはデメリットだと感じていました。
それでもUターンしたいと覚悟して踏み切ったので、問題はありませんでした。しかも幸運なことに、入社後に仕事ぶりを評価してもらえ、今では東京時代と同水準の給与に戻すことができました。ですから私はUターンして良かったと心から思っています。
また、転職した当時は40歳前後で、年齢的に自分が本当に転職できるのか不安を抱えていました。しかし実際に動いてみて実感したのは、年齢がネックにならないということ。
今までの20年近くのキャリアの棚卸しをして実績を見つめ直し、自信を持って面接に挑めば、採用してくれる会社はきっとあります。「40歳の壁」は思い込みですよ。40歳以上で転職を考えている方は、どんどん挑戦してみることをお勧めします!