株式会社コーンズ・エージー
及川絢子さん(人事) 37歳
人事・採用の経験を活かし、地域貢献が実感できる仕事を北海道で発見。
アメリカの大学を卒業し、東京の外資系メーカーで人事・採用関連の業務に就いていた及川さん。しかし同社の日本法人が解散することになり、転職を余儀なくされた。
そのまま東京で転職先を探そうと活動を始めた及川さんの脳裏に、「これを機に、父の実家があって子どもの頃から頻繁に行っていた北海道へ移住するという選択肢もあるのではないか」という考えがよぎる。
「北海道で人事・採用関連の経験を活かせる仕事が見つかるのだろうか?」という不安を拭えなかった及川さんに、リージョナルキャリア北海道の転職コンサルタントは様々な情報を提供。その結果、及川さんは希望通り、経験が活かせる上、北海道の地場産業の発展にも貢献できる仕事を見つけた。
※本記事の内容は、2023年8月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで60日間
転職前
- 業種
- 外資系鉄鋼メーカー
- 職種
- 人事
- 業務内容
- 採用業務の他、評価制度運用、人材配置・育成計画のサポート、社内広報など多岐にわたる業務をマルチに担当。
転職後
- 業種
- 酪農機械関連商社
- 職種
- 人事
- 業務内容
- 中途採用の業務をメインに、採用HPのリニューアルや媒体対応、社内コミュニケーションツールの企画・活用などを担当。
人材採用に加え、社内コミュニケーションの活性化も担当。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
主に中途人材に関する採用活動を行なっています。採用ホームページをリニューアルしたり、求人票の中身や表現をブラッシュアップしたりして、転職志望者の目に留まりやすくするといった業務に関わっています。
昨今は人材不足のため、求める人材を確保するには採用活動の工夫と改善が欠かせません。特に当社の場合、事務職から技術職まで、多岐にわたるポジションを募集します。
各職種で求める要件が変わるので、それぞれの人材に特化してアピールするのは大変です。酪農専門商社なので、酪農地域への理解を深めていただかないといけないという難しさもありますが、それだけにやりがいも大きいです。
また、採用と並行して、組織活性化・情報共有の効率化を目的とした社内コミュニケーションの環境づくりにも関わっています。社員みんなが使う情報共有をもっとうまく活用し、社員同士をつなげないかと、活動を始めたところです。
入社前のご経歴を教えてください。
アメリカの大学を卒業後、帰国してIT業界に就職。人事部に配属され、新卒採用を担当しました。5年働いたのですが、業務で英語を活かしたいという想いが湧き始め、外資系メーカーに転職しました。
同社でも人事に配属され、採用から社員教育、評価制度の整備、広報まで多岐にわたる業務に携わりました。英語を使う機会も増え、手応えは感じていました。
転職のきっかけは?
前職の日本法人の解散が決まったことです。組織をどんどん小さくしていくため、社員数は見る間に減っていきました。私も解散の手続きを続けながら、転職活動に入ることを余儀なくされました。それで転職支援会社に登録し、情報収集をスタートしました。
転職活動はどのように進めましたか?
私は東京出身ですし、転職活動の当初はこのまま東京で働こうと考えていました。一方、定年を迎えたら、セカンドライフは北海道で過ごしたいという思いもずっとありました。
北海道には父の実家があったため、小さい頃は家族と一緒によく北海道へ行っていたのです。そしてふと「いずれ北海道で暮らすなら、今、移住しても良いんじゃないか」と気づきました。
とはいえ、人事・採用の経験を活かせる職を探そうとしても、そういう仕事はやはり東京の方が多く、転職の選択肢が狭くなるのは否めません。それで東京で転職支援会社からの紹介も受けながら、並行して北海道の情報収集も始めようと考えました。
北海道の転職に強い転職支援会社はないかと探し、見つけたのがリージョナルキャリア北海道(運営:リージョンズ株式会社)です。同社から頂く求人情報はどれも興味深いものばかりで、さすが地元に強いと感じました。
面接は、どの会社もなるべく同じタイミングで受けられるようにしたいと考えていました。そうすれば集中して取り組めますし、合否判定の時期も揃うので、十分検討した上で決断できます。そのことを担当コンサルタントの笹本さんにお伝えすると、スピード感を持ってタイミングを調整してくれました。
今の会社に決めたポイントは?
人事・採用に携われる、ということが第一でした。加えて、コーンズ・エージーの事業に惹かれたのも大きかったです。酪農は北海道の主要産業であり、全国の食を支えています。その酪農を支える事業を推進するコーンズ・エージーは、言わば北海道に貢献する存在です。
ここで働けば、間接的に北海道の役に立てると感じました。誇りを持って働けそうな会社に巡り会えたのだから、もう東京にこだわることもない、と思い切って決断できました。
「こんな転職は無理」と自分にブレーキをかける必要はない。
転職していかがですか?
採用を担当するにあたり、酪農についてもっと知っておいた方がいいと思い、お客様の牧場にお邪魔したりもしました。こういった経験は新鮮で、東京ではできなかったでしょう。
職場の雰囲気もとても良いです。採用担当は他に二人いるのですが、うち一人の男性の名字が私と同じで。ややこしいので、私のことは下の名前で呼んでくださいとお伝えしました。アメリカの大学や外資系の会社を経験し、ファーストネームで呼ばれることには慣れていますから。
するとみなさん、とってもフレンドリーに接してもらえるようになったと感じます。
日常的に英語を活用しているわけではないですが、輸入製品を多く取り扱う当社には、海外の担当者が頻繁にやって来ます。その際に英語でコミュニケーションし、海外向けの資料作成を手伝うなど、想像以上に英語を使えています。
転職して良かったと思うことは?
一つ目は、愛着のある北海道に住めたことです。二つ目は、満員電車に乗る必要がなくなったことでしょうか。今は車通勤ですが、とても快適です。三つ目は、北海道にいても、これまでの経験が活かせているということです。
採用や語学など、経験や知識が十分発揮できていますし、加えて、両親に誇れる仕事をやっているのも大きいですね。牛乳を見かけると、「この牛乳はあそこのお客様のものだ」と分かり、つい両親に「この牛乳はね」と自慢したくなってしまうのです。そういう気持ちになれる会社で働けているのが嬉しいです。
困っていることや課題はありますか?
人事の最大の役割は、この会社で働くみんなが楽しく働けるよう、環境を整えることだと考えています。しかし当社のように北海道に17拠点と広がっていると、社員同士で顔を合わせる機会がなかなかありません。
せめてオンラインを介してでもつながり合ったり、情報を共有し合えたりできる環境を作っていかなければ、と感じています。
たくさんの社員にスポットをあてることで「へえ、そんな人がいるのか。自分も負けていられない」と刺激を受けることもあるでしょう。そうした風土づくりに、人事としてしっかり取り組んでいきたいです。
生活面の変化はありましたか?
北海道には何度も来ていますが、冬を越すのは転職1年目が初めてでした。まずはしっかり暮らしに慣れようと気をつけていましたが、大きなトラブルもなく冬を越せました。
通勤時間も大きく変わりましたね。以前は満員電車で1時間半。今はマイカーで15分。とても楽になりました。休日には車でショッピングしたり、支笏湖や洞爺湖あたりまで足を伸ばしたり。まだウィンタースポーツは始めていませんが、今年は何か見つけたいと思います。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職は自分に何ができるのかを見つめ直す良い機会です。日々の仕事に追われていると、自分の成長を実感することは少ないかもしれません。しかし、転職を考えて履歴書や職務経歴書をまとめていると、自分のできることが増えていると気づくでしょう。
それが、その後の自分の進む先を決める指針になるはずです。今の場所でさらに上を目指そうと思うかもしれないし、環境を変え、もっと飛躍したいと考えるかもしれません。
それと、転職を考えるなら、まずは欲張って自分の実現したいことを全部挙げてみたら良いと思います。どんな仕事をしたいのか、待遇は、環境は、とできる限り考えて、転職コンサルタントに相談してください。
自分から「これは無理だろう」とブレーキをかけてしまう方もいるかもしれませんが、しっかりしたコンサルタントに相談すると、「それは実現可能です」と教えてくれますよ。
転職は一人で行なうものではなく、転職コンサルタントと一緒に進めていくものだと思います。