転職成功者インタビュー

住重アテックス株式会社
野村崇弘さん(仮名・技術開発) 30歳

30歳を節目にUターン。資格を活かし、専門性をより深められる会社が地元の東予地区にあった。

愛媛の大学院を修了後、神戸の大手メーカー系列企業に入社し、さまざまな材料・構造の分析や測定に携わっていた野村さん。しかし、一つの分野を追究する仕事でなく、自分の専門性が深まっていないことが気になっていた。

いずれは地元にUターンしたいという思いも抱いていた野村さんは、30歳の節目で「新たな領域に飛び込んで知識を深めるなら、このタイミングが最後のチャンス」と考え、転職活動を開始した。

そして、地元の東予地区で放射線を利用した事業を展開する住重アテックスと巡り合う。取得した放射線管理に関する資格も活かすことができ、将来有望な半導体分野の知識を習得できると、野村さんは同社への転職を決めた。

転職して2年、充実した日々を送る野村さんに、現在の仕事や転職活動について伺った。

※本記事の内容は、2023年6月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで180日間

転職前

業種
総合試験
職種
分析・試験
業務内容
環境サンプリング、放射能分析、プラント設備を用いた大型試験、試験の取りまとめ

転職後

業種
半導体
職種
技術開発
業務内容
放射線利用事業の開発、研究

一つの分野を極め、研究者・技術者としてもっと成長したい。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

住重アテックスは、サイクロトロンなど各種加速器を用いた放射線利用技術を様々なものづくりに活かす「放射線利用」と、X線や中性子を使ってプラント構造物の内部を非破壊で検査する「検査診断」の2事業を展開する会社です。

特に、イオンビームなどの放射線を発生させる加速器の工業利用を実施する民間企業は、国内では当社しかありません。私は放射線利用事業の開発部に所属し、様々な研究を行っています。

半導体ウエハにイオンビームを照射すると、電気特性を向上させるといった効果をもたらします。お客様である半導体メーカーに対し「当社のイオンビームを活用すると、半導体の性能や生産効率がこんな風に変わります」と提案するためには、イオンビーム活用の手法を考案し、実験データを蓄積しなければなりません。そのデータを収集・解析するのが、私の役目です。

併せて、保有する放射線取扱主任者の資格を活かし、事業所内の放射線管理や放射線についての社内教育といった業務も担っています。

入社前のご経歴を教えてください。

愛媛の大学院を修了後、神戸に本社を置く大手メーカーのグループ会社に就職しました。そこではいろんな分野の材料・構造について分析、解析、試験、測定を行っており、様々な業務に携わりました。

具体的には、工場から発生する排ガスの環境測定や、廃棄物処理場の焼却灰に含まれる放射性物質の分析など。お客様の工場で問題が起こった時、原因を分析したり試験したりする仕事が多く、忙しくしていました。

転職のきっかけは?

長男ということもあり、いずれ地元にUターンしたいという思いは常にありました。加えて気になっていたのが、「今の仕事では専門性が深まらない」ということです。

仕事自体は面白く、また同僚にも恵まれ、楽しい日々を送れていました。しかし、多様な領域に少しずつ関わる感じで、自己成長の手応えがなかったのです。

30歳の今なら、専門性を深めるためのリスタートが切れる。そう判断して、転職活動に踏み切りました。

転職活動はどのように進めましたか?

地元の愛媛に絞り、転職情報を提供する会社をいろいろ調べました。そこでリージョナルキャリア愛媛のサイトを発見し、話だけでも聞いてみようと面談を申し込みました。

コンサルタントと話して感じたのは、愛媛の会社情報にとても詳しい、ということです。勤務エリアを定めている私には、こういう転職支援会社の方が合っているなと感じました。

私の職務経験が特殊なこともあり、地元企業をよく知るコンサルタントじゃないと良い転職先は見つからないだろうと思い、情報提供をお願いすることにしました。

今の会社に決めたポイントは?

複数いただいた紹介企業の中で、一番ピンときたのが、住重アテックスでした。愛媛県東予地区には住友重機械工業グループに属する会社の工場が多く、住友重機械の名は子どもの頃から知っており、親近感が湧きました。

また前職時代、私は中性子の透過撮影の件で住重アテックスに問い合わせをしたことがありました。その時、「地元に放射線利用の会社があるのか。将来Uターン転職するなら、そういう会社もありだな」と思ったのです。

年月を経て、転職を模索するなかで住重アテックスの求人があると聞いた時は、不思議な縁を感じました。

面接で「半導体関係がメイン」と聞き、「まったく経験がない自分に務まるのか」という不安はありましたが、今後も間違いなく伸びる分野の知識を深められるのはプラスになると判断し、入社を決めました。

前職での経験を活かしながら、半導体の可能性を学ぶ。

転職していかがですか?

入社後1年は、製造現場での研修を通して半導体の基礎について学びました。また会社のいろんな人ともつながりができ、仕事がしやすくなりましたね。

厳しいスケジュールで成果を次々に求められる、といった雰囲気もなく、自分のペースで知識を深めていけました。

実験データの分析などでは、前職経験が活かせています。ある時、今まで使ったことのない分析装置でデータを取ってみると面白い結果が出たんです。

そのことを先輩に報告すると、先輩は早速その結果をお客様に紹介。「実際のサンプルで実験してみよう」と、お客様の反応が上々だったことを教えてくれました。それを聞き、「自分も何とか会社の力になれそうだ」と自信につながりましたね。

転職して良かったと思うことは?

今は半導体という可能性の大きな分野に軸足を置き、知識を深めている段階。毎日いろんな経験を積むことで、自分の専門性が深まっていると実感できるのは嬉しいですね。これこそ、私が転職に求めていたことです。

困っていることや課題はありますか?

プロジェクトのスケジュール管理や、役割分担の明確化といった点は改善の余地があると思います。これらについては、他の会社のやり方も知っている転職者の私が率先してアイデアを出していこうと考えています。

また、放射線管理に関する理解を全社的に深めたいですね。放射線を闇雲に恐れる必要はありません。大切なのは、正しく管理すること。そのための知識を提供するのも自分の役割の一つです。

生活面の変化はありましたか?

帰宅が早くなりました。残業は多い時でも1~2時間程度。家に帰ると自炊しています。前職では「ご飯を食べる気力もない」というほど疲れていたこともありましたが、現在はそんなことはなくなりました。

それから、以前からの趣味であるゴルフに行くことも増えました。当社にはゴルフ好きが多く、私も好きだと話すと、すぐコンペに誘ってもらいました。プライベートでも良い付き合いをさせてもらえるのはありがたいですね。

神戸と比べると、東予地区に刺激が少ないのは否めませんが、地元の友だちと会う機会も増えましたし、都会とは違う楽しみ方ができています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

まず、自分の強みは何かを明らかにする。そして転職活動における優先度をはっきりさせる。その上で転職活動を始めた方がいいと思います。

あやふやな考えで進めると、軸がブレてしまい、決断を後悔するかもしれません。自分の基準が明確なら、転職をサポートしてくれるコンサルタントもより志向に合った情報を提供してくれると思います。しっかり自己分析して、最良の選択をしてください。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
四ノ宮 こころ

初回の面談で、「様々な業界の顧客から持ち掛けられている難しい技術案件をいくつも抱え、自身にとって未知の領域でも研究開発者レベルの知識を持って顧客と会話しなければならない」というお話を伺いました。

大変なことも難しいことも「でも面白いんです」と、屈託のない笑顔で話される野村さんの技術者としての心根に触れられた感動を今でも覚えています。

当時、野村さんとは多忙な合間を縫って、多岐にわたる技術知見をどう次のキャリアに繋げるか、ずいぶんと意見を交わしました。野村さんが関わった案件を一つひとつ確認し、学生時代の専攻にまで遡る中で見つけた「放射線」というキーワード。それによって、当初は予想もしていなかった現職とのご縁に繋がりました。

先日この取材をオンラインで行った際、半導体という初めての業界も難しい技術課題も、持ち前のポジティブさで楽しみながら乗り越えて成長されている様子を伺うことができ、とても嬉しかったです。これから益々のご活躍を心から応援しています。

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