株式会社両毛システムズ
田島信太郎さん(システムエンジニア) 38歳
地元でもシステムエンジニアを続けたい。転職をきっかけに自分が本当にやりたいことを再確認。
大学卒業後、東京でシステムエンジニアとして15年間勤務していた田島さんは、38歳のときに地元・群馬へUターンした。
「進学で東京に出て、新卒で就職するときは地元に戻る気持ちはありませんでした。姉が群馬に戻っていたこともあって、自分はいいかなと思っていたんですよね」と当時を振り返る。
そんな田島さんも年齢を重ねるうちに心境が変化。「身体に負担がかかる働き方を変えたい、転職するなら地元も選択肢になるだろうか」と考えるようになったという。
転職活動では、群馬にはIT企業が少ないという壁にぶつかった田島さんだったが、リージョナルキャリア群馬ならではの転職支援によって良縁を得た。
「得られたものは大きかった」と語る田島さんに転職活動の日々を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2022年5月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで260日間
転職前
- 業種
- IT・情報通信
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- 金融機関系システムの開発
転職後
- 業種
- IT・情報通信
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- 公共系システムの開発
自分の健康と親の年齢を考えたことが、Uターンのきっかけ。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
両毛システムズは様々な分野を手掛けるシステムインテグレーターで、群馬県では最大規模のITサービス企業です。私はシステムエンジニア(SE)として勤務していて、いまは10人ほどのチームの一員として公共サービス系のシステム開発に加わっています。
入社前のご経歴を教えてください。
東京の大学を卒業後は情報システム会社に入社して、金融機関系のシステム開発などに携わっていました。情報システムの会社は大きく分けるとベンダー系企業と独立系企業がありますが、私は開発をイチからやっているところがいいと考えて独立系に入社しました。
システムエンジニアというと理系のイメージかもしれませんが、私は文学部卒。当時、文系の就職先で営業と並んで入れそうなのがIT系で、何かを作るのは楽しそうだなと思って選びました。自分が作ってきたものが世の中に出ていく仕事はやりがいがありますし、システムがちゃんと動くと、世の中の役に立っている実感が得られるところが好きですね。
転職のきっかけは?
新卒のときは地元に戻らないつもりだったのですが、年齢を重ねて心境も変化して、帰ってもいいかなと思うようになったんです。原因は二つあって、一つは前職の会社にそのまま勤めていると健康面が心配だったこと。超過勤務が常態化していて、だんだん体の無理も効かなくなっていくし、このペースで自分は大丈夫なのか、しかしここで頑張らないと今後の昇給はどうなるんだろう、という不安がありました。
もう一つは親の年齢ですね。「介護」というワードがちらつくようになってきて、転職先として地元に戻るという選択肢が出てきました。
転職活動はどのように進めましたか?
システムエンジニアの求人はやはり東京が多くて、群馬は少ないんですね。それでネットで「群馬 転職 SE」で検索をかけたところ、大手の転職支援会社と並んで、リージョナルキャリア群馬が出てきたんです。転職先の選択肢が少ないなかで、どう転職先企業にアプローチをかけていくかを考えたとき、地元のことをよく知っている人の方がいいんじゃないかなと思って相談しました。
最初は2021年の春に、「転職を考えているけれど今は仕事も忙しいので半年か1年くらい後に」という話をしたら、コンサルタントの松浦さんから「田島さんのご希望を叶えるためにはご年齢的にも早めに動いた方がいいですよ」と言われて、そうなのかと(笑)。でも、実際、動けない状態だったので保留していたのですが、9月になって“いよいよこの働き方を続けるのはまずいぞ”と思って、再度松浦さんに連絡して「早めに転職したいです」と伝えたらすぐに動いてくださいました。
私は相変わらず多忙だったのですが、忙しいなかでも時間をなんとか作るように導いてくれて、スピーディに話を進めていただけましたね。
今の会社に決めたポイントは?
私が多忙だったので、会社を絞ってアプローチしていきましょうという話になり、結局受けたのは2社でした。両毛システムズと金融系企業を受けて、2社とも内定をいただいたのですが、両毛システムズは県内最大手企業という安定感と、前職のシステムエンジニアの経験をそのまま活かせるということが決め手になりました。
転職の機会に業種を変えることも考えたのですが、松浦さんからは私が初めての転職ということも考慮して、「会社が変わることで心身への負荷はどうしてもかかるだろうから、同じ職種というのは安心材料になるのでは」と言われました。さらに、ものを作って世の中の役に立ちたいという、私がやりたいこととも合っているのではとアドバイスをもらって、それも後押しになりました。
長い時間をかけて、たくさんの会社を受けることを想定していたのですが、早く決まってよかったです。
一番心配していた車の運転にも慣れて、姉や姪とも会えるように。
転職していかがですか?
職種は同じシステムエンジニアでも、会社が変わると仕事のやり方も違うんだなと感じています。領域も以前の金融系から公共系に変わって、サービス自体が違うということもあり、いまは日々頑張っているというところですね。まだまだこれからですが、仕事としては楽しみながらやっていけそうだなと感じています。
課題としては、これから企業文化に馴染んでいかないといけないなと思いますし、社内外のいろいろな人と知り合っていきたいと思っています。
職場の雰囲気はいかがですか?
職場はアットホームですね。みんなで会話をしながら物事を進めていく感じで、いい雰囲気の会社だなと思っています。リモートでの業務もある環境ですが、その場合もチャットやWEBミーティングでコミュニケーションを取っていて、チームの運営や仕事の進め方がしっかりしているなと思いました。
転職して良かったと思うことは?
やはり、勤務環境が改善されたことが一番良かったですね。正直なところ、前の会社で働き続けていたら、今頃は体調を崩していたかもしれないと、本当に思います。やはり身体は大切ですし、元気な状態でやりがいのある仕事に携われるのは嬉しいです。
生活面の変化はありましたか?
群馬に戻ってきて車の運転が一番心配だったのですが、ようやく慣れてきました。群馬で生活すると、本当に車がないとどうにもならないなと感じています。
その分、歩かなくなって、運動習慣が減ってしまったなと思います。東京にいるときは土浦や小田原などでロードタイプの自転車に乗っていたのですが、群馬でも走りやすい場所を探したいと思っています。
あとは実家で暮らすようになって、コロナ禍もあって全く顔を合わせていなかった姉や姪とも頻繁に会えるようになったのも大きな変化ですね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
会社というのは、それぞれ企業文化や考え方などが違うということを踏まえて、転職先が自分に合うかどうかをしっかり吟味しながら転職活動を進めていくのが良いと思います。そういった意味では、実際にその会社とやりとりしている転職支援会社からの話をよく聞いて判断していくのはおすすめですね。
松浦さんからは、選考を受けたい企業のことを分かりやすく、ざっくばらんに教えていただきました。コロナ禍もあって本社に行ったのは最終面接のときだけで、先方と深くやりとりできない状況のなかで間に入っていただいて、先方の感触などもそのまま伝えていただけたのは心強かったです。
また、自分がどうしてこの職を選んだのか、ということの振り返りは、転職先や地元で何をしたいのかを考える良い機会にもなりました。実際、それを考えて言葉にしないと企業とも話せないので、自分なりにこれまでを振り返り、それを伝えることができると良いのではないかと思います。