転職成功者インタビュー

四国電力株式会社
福原大樹さん(仮名・企画職) 33歳

子育てを機に決心したUターン。経験が活きる仕事と家庭とのバランスに充実の日々。

大手証券会社の東京本社に勤務し、マーケティングや経営企画、コンサルティング企画に携わっていた福原さん。仕事は充実していたものの、帰宅時間は深夜に及ぶこともあり、周りに頼れる人がいない東京での子育てで、妻に負担がかかっていると感じていた。

「地元で両親に頼ることができたら」「もう少し田舎で子育てをしたい」と考えたことがUターンをするきっかけに。

その後、四国のインフラを担う電力会社と出会い、現在は、前職での企画業務の経験を活かして新規事業を創出する部門で活躍している。

Uターンから1年が経ち、仕事と家庭のバランスを維持して充実した毎日を送る福原さんに、転職活動を振り返ってもらった。

※本記事の内容は、2022年1月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで844日間

転職前

業種
証券
職種
企画・営業
業務内容
営業企画(マーケティング、外部事業者との提携、営業ツールの提供等)、経営企画(組織体制整備、制度対応、社内表彰等)

転職後

業種
電力
職種
企画
業務内容
新規事業の企画、不動産事業

家族のライフプランをイメージして、都会から地方へ移り住むことを決意。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私が勤務している四国電力は、四国地域を基盤にしてエネルギーを中心に、人々の生活に関わる様々なサービスを提供しています。私は、本社の新規事業部で、主に不動産の仕事をしており、廃棄予定の遊休不動産の整理や有効活用とともに、新たな投資先を見つけていくことが主な仕事です。

社内では、立地環境部や人事労務部などの他部署との連携も多いです。また、新規事業部には電力以外の業界を経験した人材が豊富で、既存の事業だけではなく、個々の経験やスキル、人脈を使って、新たな事業を手掛けています。

私は前職での経験を活かし、外部事業者との提携により、コスト削減や販路拡大、財務改善等、お客様に電気以外のソリューションを提供する企画の導入を進めています。電気営業における競争が激化する中、お客様との接点を増やし、四国電力と契約していたら良いことがあるなと思っていただけるような環境を整備していきたいと考えています。

入社前のご経歴を教えてください。

大学では経済学部を専攻しており、日々めまぐるしく変化するマーケットに対する関心が高まり、証券会社に入社しました。入社後2年間は福岡でリテール営業をし、3年目からは東京本社にて様々な企画の仕事をさせてもらいました。個人のお客様向けのサービスやキャンペーンの企画、それから銀行との協働ビジネスの企画、運営も経験しました。また、今の仕事にも繋がっていますが、最後の1年は様々な事業会社と提携して、個人や法人のお客様向けコンサルティングといった企画にも携わりました。

転職のきっかけは?

「何の仕事をしたいか」というより、まずは「家族のライフプランをどうしようか」ということを考えるところからスタートしました。

人口の密集する都会では必ずしも子育て世代に寛容な方ばかりではなく、マンションでは「子供の声や足音がうるさい」という苦情があったり、ベビーカーを使っての電車移動では冷たい視線を感じることもしばしばありました。体力的にも精神的にも妻に負担がかかっていると感じていましたので「環境を変えることで改善できるなら、居住エリアを移しても良いのかな」という考えが生まれたことが移住・転職を考えるきっかけとなりました。

移住先は妻の出身地である大阪と、自分の出身地である香川を主な候補地としました。そこで、それらの候補地で仕事をする場合、どのような選択肢があるのか、というところから情報収集を開始しました。

転職活動はどのように進めましたか?

2018年の夏ごろ、リージョナルキャリア香川が東京で香川県へのUIターンセミナーを開催していたのを知り、参加しました。まだ3年以上先のことでしたが、移住をするのであれば長男が小学校に入学する前に、と考えていました。

セミナー後の個別相談会では、香川県の企業や求人、収入水準について相談しました。銀行や証券等の金融業界であれば即戦力となれると考えていましたが、転職するなら金融以外の業界にチャレンジしたいという気持ちもありました。ただ、その当時は金融業界以外の情報は多くは得られていませんでした。

その後も転職について妻と継続的に話し合い、まずは大阪を移住の候補先として、別の転職支援会社にも相談をしました。そこで大手メーカーやM&Aコンサルティング会社等のご紹介も受けましたが、大阪への移住では子育ての環境が東京と大きく変わらないことが予想され、面接を受けるまでは至りませんでした。

妻との話し合いを重ねる中で、もう少し田舎の方に移住しても良いのではないかという考えが一致したため、香川での転職先を再度探そうと考え、最初に接点をもったリージョナルキャリア香川のコンサルタントに連絡をしました。

今の会社に決めたポイントは?

電力業界は新卒から入社し、離職率が低く、中途採用も少ないことから、自分のキャリアを活かせるイメージがなかったため、自分でリストアップした候補先には入っていませんでした。しかし、リージョナルキャリア香川のコンサルタントから四国電力の新規事業部を紹介してもらい、これまで培ってきた企画や協働ビジネスの経験を活かして、四国地域に貢献できるというイメージができたため、転職先の第一候補としてチャレンジすることを決断しました。

また、四国の生活・産業を安定供給で下支えする社会インフラ事業ということもあって、強固な基盤のもとで新しいことにチャレンジできるということも決断の背景にありました。もちろん、単身ではなく家族がいるので、事業の堅実性を背景とした家族の生活面での安心という面もポイントです。

四国地域への貢献感が、形として目に見えることが大きなやりがい。

転職していかがですか?

風土としては、「リスクに対して慎重な会社」というのが正直な印象で、前職でのスピード感と比較してギャップはありました。一方で、電気事業は環境の変化により多少の変動はあるものの、契約数によりある程度収益が見通せるため、目先の業績だけに拘らずに、3年後、5年後、10年後等、四国の将来の発展を見据えて地道に取り組んでいけるだけの体力があるということは、大きな強みだと感じています。

新規事業部は中途採用で入社されている方も多く、比較的フラットな風通しがいい組織です。また、前例のない新たな取り組みが多いため、社内調整が難しいことがありますが、上司に相談したらすぐに動いてもらえるため、難しい課題にもチャレンジをさせてくれる環境だなと感じています。

転職して良かったと思うことは?

全く異なる業種への転職となったものの、一部の業務では前職での経験を活かして貢献できています。四国電力は、四国に密着してサービスを提供している企業なので、地域のお客様からの評価も、自分たちの貢献も実感しやすいと感じています。さらに、不動産の仕事では、モノとして成果が残っていくのが見える点にやりがいを感じています。

困っていることや課題はありますか?

新型コロナウイルスへの警戒を強めている時期に入社したため、会社の中で横の繋がりが広がりにくい面がありました。また、業務においては、インターネット環境が発達し、Web面談が主流となってきてはいるものの、地域的なデメリットを感じることはあります。新たな事業アイデアを出す段階で、提携候補先とオンラインで繋ぐことはできるものの、ある程度の市場規模が確認できないと香川にまでは出向いてくれないことがあるため、試行段階に到達するまでのハードルが東京に比べて高いと感じています。

生活面の変化はありましたか?

人口が密集していない香川県では、寛容な方が多く、自分も妻も子育てにおけるストレスは随分軽減したと感じています。子供も幸い、すぐに環境に慣れ、友達もできて楽しく幼稚園に通っています。両親や兄弟が近くに住んでいるので、子供を頻繁に会わせることもできるようになりました。

また、ワークライフバランスが改善したことで、家族と一緒に過ごす時間が増えました。前職では深夜まで残業することがあり、妻に負担をかけていましたが、今は仕事から帰れば子どもと一緒に入浴したり絵本を読んだりと、平日でも子育てにも参加できるようになりました。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私は、リージョナルキャリア香川のコンサルタントから紹介されていなかったら、四国電力という選択肢は見つけることができなかったので、まずはいろいろな人から話を聞いてみることが重要だと思います。

転職に関しては、インターネット上の情報を元に自分の中で考えているだけでは答えが出ないことが多くあります。転職支援会社にも、それぞれ得意な地域・業界があります。ですので、一人のコンサルタントや一つの媒体からの情報を鵜呑みにすることなく、幅広い角度から情報を得られるように意識することをお勧めします。

また、転職を決断する前に様々な可能性を探ってみることで、自らの潜在的なニーズがを明らかにしておくことも大切だと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
溝渕 愛子

東京で福原さんと初めてお会いしたときは、大手証券会社の本社で活躍され、やりがいを感じられているご様子が印象的でした。

当時、「金融以外の業界で、同様にやりがいを感じたい」とご相談いただきましたが、その可能性をすぐに見つけられずにいました。

しかし、約1年半後に再びご連絡をくださった際には、新たな部門で外部事業者と提携した企画を経験されており、そのご経験が活かせるポジションとして、四国電力社とのご縁を結ぶことができました。

ご入社後、公私ともに充実されているご様子がとても嬉しく、また、今後福原さんが手がけられる企画によって、四国に住まう私たちの生活や産業がより発展していくことを想像し、ますますのご活躍が楽しみになるインタビューでした。

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