山梨で作る・育てる・広げる。地域とともに口腔ケアの未来へ。
サンスター株式会社
生産統括部 山梨工場長 竹口 真也
大阪府生まれ。近畿大学卒業。
1998年 建築・建材関連会社入社。
2005年 サンスター技研株式会社入社後、2014年にサンスター株式会社に異動。
2021年 サンスター株式会社 生産統括部 山梨工場長就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
首都圏と海外へのさらなる展開を目指し新設された山梨工場。
サンスター山梨工場は液体ハミガキ・洗口液(マウスウォッシュ)の生産拠点で、店頭で目にする当社の洗口液はすべてここで製造され、日本全国、さらにはアジア圏にも出荷しています。
以前は本社がある大阪の高槻工場で生産していましたが、首都圏や海外物流の強化を目的に2021年10月に山梨工場を新設しました。
山梨は首都圏に近く、静岡の清水港へのアクセスも良く、物流の利便性が高い場所です。工場はサッカーコートほどの広さがあり、深夜の交代勤務ではわずか3名で全国向けの商品を生産しています。
自動倉庫や無人搬送車をはじめ様々な自動化を図り省人化・高効率化を実現していること、容器と中身を同じ工場で作り最終製品まで仕上げられる点も大きな特長です。
私は山梨工場の完成とともに工場長を拝命しましたが、2005年に研究職としてサンスターグループに中途入社しました。
建築・建材関係の設計やシミュレーション業務に携わった経験があり、そのスキルを活かしながら新しい挑戦をしたいと考えての転職でした。
最初はグループ会社のサンスター技研で接着剤の研究開発に従事し、10年経った頃に人事部へ異動、そしてサンスター高槻工場での勤務を経て現在に至っています。
社内転職に近いようなキャリア変遷ですが、それぞれ異なる部署で幅広い経験を積みながら非常に多くのことを学び、人脈や仕事の幅を大きく広げられたと実感しています。
社員の声が組織を動かす。フラットな対話が生む現場の一体感。
サンスターは社員や部署同士が比較的近い距離感にあり、どの部署でどんな人たちが働いているのか把握しやすい会社です。
お互いの顔が見え、取り組みも全体的にわかるからこそ、「このプロジェクトにはあの人をアサインしよう」と人を起点とした人事異動も多くあります。
時には「この部署で人材を募集します」という社内公募もあり、社外からの採用だけではなく社内の別の部署でチャレンジしたい人を募ることもあります。
また社員と経営層の関係性も非常に近くてフラットで、当社の経営層は「現場の社員と話したい」という想いが強いため、山梨工場では毎月1回、職場懇談会を実施しています。
現場のメンバーから連絡事項や困りごとを聞く場に役員が参加し、近い距離で話をする風土があります。
経営層にとっては、社員との対話を通して現場の課題を把握でき、同時に会社の方向性を直接伝えられるため、経営方針への納得感や現場の一体感が生まれ、社員のモチベーションアップにもつながると考えています。
私自身が工場長として意識しているのは、一方通行にならない職場環境です。34名と少ない人数だからこそコミュニケーションや連携を大切にし、意見交換しやすい雰囲気づくりに気を配っています。
私一人では工場を運営できませんし、すべてのメンバーがいてこその現場ですから、さまざまな社員の意見を取り入れてより良い工場や会社にしていくことを常に考えています。
地域住民の健康を守りたい。工場発の口腔ケア啓発活動を実施。
山梨工場が力を入れている取り組みの一つに、地域と連携した活動があります。2年前には山梨県と山梨県歯科医師会、そしてサンスターが「山梨県民の口腔の健康づくりに関する連携協定」を結びました。
口腔衛生の重要性を伝えるための市民講座を毎年開催するなど、さまざまな取り組みをしています。
また工場独自の活動として、近隣の小学校の社会科見学を積極的に受け入れています。ものづくりの現場を見てもらうのはもちろん、サンスターグループに所属する歯科衛生士による歯磨き指導も行います。
子どもたちが来てくれる貴重な機会ですから、工場内を見るだけでなく多くのことを学んで帰ってほしいという想いのもと企画しています。
他には地元の高校で講師を務め、ものづくり現場の話や社会人とは何かという講話をしたり、地域のイベントに参加したりすることもあります。
直近では「信玄公祭り」に鎧を着て参加し、同時に商品を体感できるブースも出して山梨の皆さんにサンスターグループを知っていただく活動を行いました。
当社はテレビCMを放送していますが、地元の高校生たちの約半数がサンスターを知らないなど、商品名と社名が結びつかない場合もあるとわかりました。
会社の知名度を上げるため、今後もこれらの地道な活動を積み重ねるつもりです。また、県民の皆さんが元気な毎日を送るため、お口の健康の大切さについても認知を広げていきたいと考えています。
働く一人ひとりの前向きな気持ちが、山梨工場の未来をつくる。
山梨工場で求める人材は、コミュニケーション力や協調性がある方、そして周囲の人を巻き込んで新しいことを始められる方です。
山梨工場はまだ人数が少なく、組織として成長過程にあるため、業務スキルに加えてコミュニケーション力はとても重視するポイントです。
私が最終面接の際に見ているのは、気持ちの良いやりとりができるかどうか、そして業務に対する前向きな気持ちがあるかどうかという点です。
もちろん、即戦力で使えるスキルを持つ方も魅力的ですが、同じ製造業を経験していても機械や商品が異なれば新たにスキルを身につける必要があるでしょう。
知識やスキルは入社後いくらでも習得できますが、気持ちの面や前向きな姿勢はベースがなければ育たないものだと考えます。私たちの仲間として一緒に工場を育ててくれる方、業務への高いモチベーションを持っている方を求めています。
10年以内を目途に山梨で採用した人材で工場を運営する未来も描いており、現在のメンバーと新しく来た方で力を合わせ、一緒に現場を作り上げていく必要性を強く感じています。
周囲とのコミュニケーションが円滑な職場で働きたい方や、地域と連携した活動で地元に貢献したい気持ちがある方はきっと活躍できる場所だと思います。
「山梨で作る、山梨から広げる」洗口液の普及に向けた挑戦は続く。
口腔衛生商品についていえば、大半の方が何らかのハミガキ剤を利用しているものの、液体ハミガキ・洗口液のシェアは全体の20%とまだまだ低いのが現状です。
今後はさらなる普及を進めるとともに、山梨に工場がある強みを活かし地域と連携した活動も深めていきたいと考えています。
地域を意識するのは、身近な場所から商品の魅力を伝えるだけでなく、採用を含めた仲間づくりも視野に入れているからです。
2021年の山梨工場設立時には、大阪・徳島などの既存工場から立ち上げメンバーとして数名が異動しました。しかし、ゆくゆくは山梨の人員を中心とし、地域にしっかり根づいた工場を作らなければならないと考えます。
山梨工場の敷地内にはBtoBで工業製品を生産するグループ会社のサンスター技研もあり、BtoCで口腔衛生商品を扱う当社と専門分野は違いますが、今後は何らかのコラボレーションによって新たな製品や交流を生み出せないかと可能性を探っています。
ずっと同じものを作り、同じことだけを続けていても会社の成長はありません。山梨工場として新しいことに挑戦するためにも、中途入社の方を含めた人材の採用や、この場所だからこそできる取り組みを加速させていきます。
サンスターは、これからも日本中・世界中に口腔衛生商品を広め、「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」という社是を体現するための活動を続けます。