独自のWebマーケティングを活用し、世界のどこにもない、良質の商品を提供。
株式会社北の達人コーポレーション
代表取締役社長 木下 勝寿
1968年神戸生まれ。大学在学中に学生起業を経験し、卒業後は株式会社リクルートで勤務。その後、独立。様々な失敗を経て北海道へ移住。コネもツテも一切無い状況から2002年、北の達人コーポレーションを設立。一代にして東証プライム上場企業にまで押し上げた。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
オリジナルの領域を開拓し、オンリーワンの商品を提供。
北の達人コーポレーションはインターネットを通じて、オリジナルブランドの健康美容商品を販売しています。自社運営サイト「北の快適工房」では、『カイテキオリゴ』『ヒアロディープパッチ』など36商品を取り扱い、消費者の方々から高い評価をいただいています。
「お客様が何を望むのか」「お客様に心からご満足いただけているか」といったニーズや顧客満足度を数値化。「北海道」が持つ良いイメージに依存するのではなく、世界中から優良な原料を集め、お客様の要望に応えられる自社商品として提供してきました。独自のWebマーケティングと顧客満足へのこだわりをベースに、当社にしか作れない商品だけをお届けしているからこそ、お客様に支持されているのだと自負しています。
健康美容商品にはいろんなカテゴリーがあり、中には数千億円規模の市場も存在します。私たちも以前、大きなマーケットを狙って動いたこともありましたがすぐに辞めました。ビッグマーケットは市場も大きいぶん、それ以上に競合が多く、競争が激化し易い市場です。巨大市場では知名度の高い商品がいくつも存在し、似た商品が並ぶ中、価格競争が始まると、利益率がどんどん低くなってしまいます。こういった状況では、納得のいく商品ができたとしても他社との差別化が難しく、当社商品の良さが浸透しないからです。
よってビッグマーケットにとらわれず、最初からニッチを目指す方が効率的であると判断し、私たちはもともと他社がやっていない、オリジナル領域を開拓することで信頼を得る戦略を推し進めています。ニッチな市場でオンリーワンを追求する方針なのです。
当社の大ヒット商品であるヒアロディープパッチは約50億円の事業に成長しました。が、あれも元はビッグマーケット内で獲得したシェアではなく、ニッチマーケットを成長させることで築き上げたものです。
マーケティングと顧客満足を追求し、他の誰かが作った土俵で戦うのではなく、自分自身で土俵を作りあげ、その土俵の中でトップシェアを獲る。私たちはそんな「ニッチトップ戦略」を推進していきます。
ユーザーと商品を理解しないWebマーケティングに、意味はない。
当社は「びっくりするほど良い商品で、世界のQOLを1%上げる」というミッションを掲げています。そのため、2002年の創業時からWebマーケティングに注力しており、今やこの分野では国内トップクラスの実力を持っています。
今日、Webマーケに取り組む人も増えました。しかし中には、商品もユーザーもろくに知らないのに、テクニックだけのWebマーケで世の中を動かせる、と勘違いしている人もいるようです。当社の通販サイトが実績を上げているからといって、ページをコピペしただけの別サイトを立ち上げる、といった被害に遭ったこともあります。
これは全く意味がありません。Webマーケとは、あくまでツールです。お客様に商品をお届けし、喜んでもらうというプロセスを成立させるためのツールなのです。重要なのは、お客様にご満足いただける商品を届けたい、世の中を少しでも良くしたいという思いです。
商品やユーザーを理解する工程を踏んでいないWebマーケは、真似事に過ぎません。そういったテクニックだけ、コピペだけのWebマーケは、どんどんAIに取って代わられるでしょう。残るのは、お客様の思いを知り、それを商品にするという基礎を大事にする人だけです。
私たちは、商品の受注を始め、通販サイト制作、システム開発、販促ツールなどの企画制作、広告運用、お客様サポートといった一連の業務は、極力、自社で運営しています。これはWebマーケに関する知見を自社内に蓄積し、常に商品とユーザーへの思いを大事に業務を進めていくためです。そうでなければ、びっくりするほど良い商品など、生まれるはずもありません。
新規事業にも注力。健康美容とは異なる、新たな柱をつくる。
新たな商品の開発にも注力しています。その一つが「SPADE(スペード)」。これはニコチン・タールゼロの電子タバコです。タバコ風味の煙を吐くことでタバコを吸っているのと同じ感覚が味わえる、という電子タバコの市場は以前からありますが、どれも「吸いごたえが浅い」という問題を抱えていました。それを補うためメンソールを加えたりするのですが、メンソールが苦手な人は使えません。
そこで様々な素材を調合し、タバコに近い吸いごたえを実現したのがSPADEです。喉にがつんと来る、吸いごたえに自信のある商品なので、タレントを使ったイメージ戦略など取らず、吸いごたえ一本を訴えました。するとユーザーの支持が集まり、月商1000万円弱の商品に成長しています。
男性用の「MENVE(メンヴィー)」ブランドも立ち上がっています。これは、肌荒れやニキビが気になる若い男性を対象とした薬用スキンカバークリームです。まだ立ち上げたばかりなので、まずは1本、軌道に乗せたいと考えています。実はこのブランドは、東大に通う札幌出身の学生が、在学しながら立ち上げたブランドです。キャリアが浅くても頭が柔らかく、また能力が高ければマスターできるのも、当社の仕事の特徴と言えます。
人材育成の体制も整備。抜きん出た存在になる。
能力のある人材を育てるための仕組みづくりも始めました。マーケット全体に頭打ち感がある中、勝ち残るのは、ユーザーと商品をしっかりと捉え、両者をつなげるクリエイティブを作る人材の揃った会社でしょう。そういう人材を育てる力のある会社は、まだほとんどありません。素養のある人材を確かな手法で育てていけば、抜きん出た存在になれると思います。
今までの当社の教育は、現場でのOJTが中心でした。しかしそれだと、教える側のスキルが影響し、変なクセがつくこともあります。そこで入社2~3ヶ月くらいは、カリキュラムを組んで社内でしっかり教えていきます。
教育整備に着手して1年ほどですが、社員のスキルは劇的に上がったと感じますね。私が自著などで説明していることに則って教育プログラムを整えたことで、社員に伝わりやすくなったのでしょう。ビジネスの黎明期は、一つのやり方を集中して修得するのが大事です。それができるようになりました。Webマーケの業界でここまできっちり教育に取り組む会社は珍しいので、他社に対する優位性になると思います。
日本を代表する次世代のグローバルメーカーを目指して。
当社はこれまで、良くも悪くも創業者の私のカラーが全面的に出ていた会社だと思います。しかし今後は「木下」ではなく、「北の達人のWebマーケがすごい」と言われる会社にならなければならない。そういうステージに入ってきました。
そのためには、当社のミッションを理解し、コアになって活躍しようという人材を増やしていく必要性を感じます。独立志向のある人材よりも、一緒に北の達人を盛り上げていく点にやりがいを感じる仲間を集めたいですね。
東京などの大都市圏にいるけれど札幌に戻りたいIターン・Uターン層が当社には合っているでしょう。実は今、当社の仕事の9割はオンラインで行っています。業種柄「画面共有」をしながら仕事をすることが多いので、対面よりもオンラインの方がやりやすいからです。よって、東京に住んでいる者は東京オフィスに、札幌の者は札幌本社に出社しますが、それ以外の場所にいる社員はみんなリモートで勤務しています。
こうなると、どこで働くかは、あまり意味がありません。札幌にいながら東京の案件に関わるのも、当社には当たり前です。東京で10年働いて、そろそろ札幌に帰りたいけど、仕事の質やスタイルは変えたくない。そういう人にはうってつけではないでしょうか。
Webマーケを始め、化粧品処方開発、eコマース通販、クリエイティブ、カスタマーサポート、あるいは弁理士・弁護士など、法務に強い方まで。当社には様々なフィールドがあります。一緒に、日本を代表する次世代のグローバルメーカーを目指しましょう。