エプソンが進める新たな事業戦略。そのビジネスモデルの構築へ。
セイコーエプソン株式会社
MS事業部 MS事業戦略推進部 部長 西山 強志
1969年生まれ。静岡県浜松市出身。
1993年 大手自動車部品メーカー入社。
2019年 セイコーエプソン株式会社入社。
2019年 マニュファクチャリングソリューションズ事業部 MS事業戦略推進部 部長就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
市場拡大が続くファクトリーオートメーション業界への挑戦。
セイコーエプソンは長野県諏訪市に本社があり、「EPSON」のブランド名でプリンターやプロジェクターを主力商品として製造している電機メーカーです。そのなかで、私が所属しているマニュファクチャリングソリューションズ事業部は、産業用ロボットやファクトリーオートメーションを手掛けています。
この市場は現在、大きく成長している分野であり、会社としても次の支柱事業にしたいという思いで取り組んでいるところで、そのためのキャリア採用も増やしながら事業体制の充実を図っています。
事業部のなかでも、MS事業戦略推進部は大きな視点で中長期事業戦略を立て、それをいかに推進していくか、ということを任されています。現時点では推進のための商品企画としてロボット以外の商材や、ビジネスモデルの構築にも力を注いでいるところです。
先を見据えた事業拡大戦略というミッションを進めるためには、業界知識や商品知識があることが大前提となるので、この部署には業界のプロフェッショナル人材を集めています。
50歳を過ぎてもチャレンジできる会社。
私自身もキャリア採用で、MS事業戦略推進部が出来て間もない2019年に入社しました。出身は静岡県浜松市。大学卒業後の1993年に大手自動車部品メーカーに就職し、ロボット関連の仕事に携わってきました。5年周期くらいで職種は変えていて、設計から始まって、企画、営業、海外担当など、ひと通りの業務を経験しました。
エプソンは、事業拡大に積極的に取り組み、ロボット以外の部分にも幅を広げたいと考えていた時期で、私も「50歳を過ぎて何か新しい世界に行きたいな」と思っていたタイミングでしたし、ロボット以外のこともやってみたいと考え、転職を決意しました。
この部署での仕事は、これまでの知識や経験が最大限に活かせるので、非常にやりがいを感じています。また、私にとって未知であったロボット以外の部分については、そこにチャレンジできるということ自体がありがたいですし、チャレンジしやすい環境を与えてもらっているので、非常に良い会社だなと感じています。
そもそも我々の世代からするとエプソンは憧れの会社。プリンターや、エプソンPC98互換パソコンなどが人気で、ネームバリューがありましたね。ロボット業界でも、昔から最先端のプロダクトを提供していたので、以前からすごく興味を持っていた会社でした。
人に優しい企業風土は誇れる魅力。
当社はコンプライアンスやハラスメントに対して厳正に、真面目に対応しているので、まず、家族に「この会社はいい会社だ」と自信を持って言えるというのが、とても良いところだと思います。これは転職するときには、すごく大事だと思いますね。
「持続可能で心豊かな社会を実現する」会社の目指す姿のもとで、社会貢献を第一に考えていくというのも素晴らしいと感じていて、長期的な成長には、こういう考えがベーシックになっていることが必要だと思います。
以前、キャリア入社したばかりの人から「会議での話し方が、皆さん優しいですね」と言われて、はっと気づいたのですが、会議では発言したり、プレゼンをした人に、まず「ありがとう」と言ってから対話が始まるんです。そこに人を思う気持ちが表れていると感じますね。
当社は上司ともフラットに、オープンに話せる雰囲気があります。ものすごく優秀な方がたくさんいて、そういう方たちと議論するのは非常に楽しいです。
業界知識とマーケティング知識を備えた人材を求めている。
MS事業戦略推進部の採用については私も積極的に関わっています。この業界に長けた人に来てほしいなと思っているのですが、ひとつは業界の技術的なものに詳しい方、もうひとつはいわゆるマーケティングの素養がある方です。
ここは市場を分析して、どういう方向に進んでいくのがよいかを考える部署なので、欲を言えば両方を持っている人がいいですね。エプソンはグローバルの売り上げの方が多いので、グローバル感覚も必要かなと思います。
現在のメンバー構成は、社内のスペシャリストと社外から来た人が半々くらい。いろいろなベースを持った人が集まっているので、多様性はあると思います。私が入社したときは6名でしたが、いまは14名になりました。部としてはコンパクトですが、少数精鋭でやっています。
あとは、謙虚な姿勢で仕事に取り組める人がいいですね。というのは、人にはそれぞれ固定観念があると思うのですが、それがあまりに強いと新しいことを受け入れるときに邪魔をすることがあります。市場の声を聴いたり、新しいテクニカルな情報をつかむためには、柔軟で謙虚な気持ちが必要。それを持っている人なら、必ず成長していけると思います。
また、人とのコミュニケーションで、気遣いが出来る人がいると、職場は非常に雰囲気が良くなります。ほんのちょっとした気遣いなのですが、例えば誰かが苦労して悩んでいることに気づき、さりげなく周りにサジェスチョンしてくれる人がいると、それを受けてみんなでこういうサポートをしよう、という話になる。会議でも、担当が悩んでいた時に後ろからさっとサポートしてくれたら、それだけで安心できる。
シナジーというとかっこいいですが、それが出来る人がひとりでも増えると、コミュニケーションが活発になり、本音で話せる場ができて、会社が楽しくなるという良い循環が生まれると思うし、それが他の部署にも波及していきますね。そういうことができるメンバーが増えてきて、部署の雰囲気も変わってきましたし、みんな安心感を持って働けていると思います。
キャリア採用者の家族にも長野の暮らしの良さを伝えたい。
セイコーエプソンへの転職では、長野県へのIターンになる人が多いかもしれません。そういう方々に対して、「私たちの部署にIターンの転職組も多くいて、皆うまくやっている」という実績を語れるようになってきたので、今後の採用活動はやりやすくなるのではと思っています。
お子さんがいらっしゃる方には、学校についてもアドバイスできるくらいになりました。自分が前職でフランクフルトに駐在していたとき、妻や子どもがその街を知らなくて外に出られないと、その影響が私に来て、いろいろ大変だった経験をしました。その経験もあって、中途採用のご家族にも地元の情報が伝わるよう配慮しています。
松本市などは高校、大学と、教育環境も充実しているので、ご家族にとっても良い場所だということもアピールしたいですね。会社の食堂から日本アルプスが見えるし、通勤の時も山々が見えて、山ってこんなに綺麗だったんだ、と感じています。
私自身も転職の際は、会社の魅力はもちろんですが、「長野の環境を一度試してみたい」と思ったのも、魅かれた理由のひとつです。実際試してみて、私はすごく気に入りました。冬は毎週スキーに行きますし、春・秋は釣りに行って、仕事もプライベートも充実していて長野の暮らしはとても楽しいです。
最初に申し上げたように、ファクトリーオートメーションの市場自体は大きく成長していて、私たちは良いポジションにいると思います。戦力は上がってきていますが、手ごたえとしてはまだまだ道半ば。会社からの期待は大きいので、この事業を会社の中軸に育てていかなければと気を引き締めて取り組んでいきます。