企業TOPインタビュー

設立65年を迎え、よりオープンな企業へ。

ドリームベッド株式会社
代表取締役社長 小出 克己

広島 更新日:2017年5月31日

1948年10月生まれ、山口県出身。広島銀行を経て2003年にドリームベッドに入社。取締役、専務取締役ののち、代表取締役社長に就任。趣味は釣り。
※所属・役職等は取材時点のものです。

中途入社から経営TOPへ。

今から14年前になりますが、55歳の頃に広島銀行から出向でドリームベッドに来まして、それから半年ほど経った頃に転籍入社しました。ドリームベッドは同族経営をしてきた企業としては珍しく、「脱同族」を進め、オープンな会社を目指していました。14年前にいくつかあったグループ企業は合併し、1つの会社、現在のドリームベッドになりました。脱同族経営もこのときから本格的に着手され、「外部から人材を」ということで、私も縁があって入社したのです。

それからは、前社長とともに私も専務として組織改革を進めてまいりましたが、前社長が急逝したことから、このたび私がTOPとして改革を推進していくことになりました。会社としては設立65年を迎えましたが、その歴史と実績を次世代の経営に良い形で繋いでいけるよう、今後も改革を加速させていく方針です。

世界的一流メーカーとの「ライセンス契約」を実現。

弊社では海外に複数の提携企業を有しています。アメリカのサータ社、ブリティッシュアメリカン社、フランスのロゼ社、ドイツのルフ社がそうです。どれも世界的に一流と言われるメーカーで、私たちはそれらの製品を単に輸入するだけでなく、「ライセンス生産」をしています。簡単に言えば、それぞれのメーカーが持つ特許や商標、ノウハウが詰まった製品をベースに、日本の市場に受け入れられるようアップグレードした製品を製造し、販売できるという契約です。海外企業とダイレクトに取り引きを行えるという強みはそのままに、日本の生活様式や環境に合うよう微調整した高品質な製品を、リーズナブルに生産できるのが弊社の最大の特徴であり、強みでもあります。

また、もう一つ差別化の取り組みとして、ホテルを中心とした法人向けサービスを拡充しています。独自開発したアンケート集計システムや、様々なチャネルから収集した世界のトレンドを集約し、ベッドやマットレスに限らず、空間全体のコンセプトなどのプランニングを提供しています。この取り組みも、多くの海外一流メーカーと技術提携し、ノウハウを蓄積してきた当社だからこそ手掛けられるものだと考えています。

2020年の株式上場を目指して。

当社独自の強みを持つとは言え、競争が激化する国内市場でどのようにポジショニングするか、また成長シーンが異なる海外市場にどのようにリーチしていくかなど、成長を持続するための課題はたくさんあります。最近では中期経営計画を新たにスタートし、業務処理システムといった経営基盤の整備や、業務プロセスを評価する人事制度の導入などを進めています。また、2020年を目処に株式の上場も目指しています。

脱同族経営を推進し始めて14年、これまでにも多くの方々を即戦力としてお迎えしてきました。これまでは主に係長~課長をお任せする方々にご入社いただいてきましたが、今後はさらに上位職の方々もお迎えすることになると思います。上場に向けてはもちろん、さらにその先の成長戦略をともに描いていただける方をお招きし、次世代のドリームベッドをつくっていきたいと考えています。

編集後記

コンサルタント
植田 将嗣

広島でベッドと言えば他に名前が思い浮かばないくらい有名な企業です。創業65年を迎えた同社は、個人向けのブランドイメージに加え、法人向けサービスで差別化を図っておられます。早くから海外有名ブランドとも提携し、国内外問わず幅広い顧客を獲得している同社。こういう企業を“グローカル企業”と呼ぶのかもしれない、そう思いながらお話をお聞きしました。

創業家の先代社長のご逝去にともない、同社では初めて創業家ではない小出社長が就任されました。先代社長の時から脱同族を進め、オープンな企業を目指してこられた同社だけに、小出社長はとてもパブリックなお考えをお持ちです。今後ますます、キャリアをお持ちの多くの方に、多様な職種、ポジションでご活躍いただける機会が増えると感じました。広島発のグローカル企業、要注目です。

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